宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風」見てきました。【1/2】

宝塚歌劇・宙組東京公演「天は赤い河のほとり(ミュージカル・オリエント)/シトラスの風(ロマンチック・レビュー)」のミュージカル、ショー二本立て、見てまいりました。
ミュージカルとショー、二回に分けて感想をご報告しようと思います。
この公演はトップ男役・真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんと相手娘役・星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんのトップ・コンビ東京宝塚劇場お披露目公演となります。
さあ、新生宙組、どんなでしょうか。
まずはミュージカル、「天は赤い河のほとり」は、少女コミックで連載された篠原千絵さんの漫画が原作。
紀元前14世紀の古代オリエント、ヒッタイト帝国が舞台ですが、そこの第3皇子カイル(真風涼帆)と、現代からタイムスリップさせられ、呪術の形代となってしまいそうになる女子高生ユーリ(星風まどか)の、その時代に生きる二人と周囲の人々の壮大な舞台での物語であり、主演二人の愛の物語でもありました。
現代の女子高生が古代オリエントの世界で活躍するという、まさに“漫画”的展開で、私は原作を存知上げませんが、展開もわかりやすく、楽しく観ることができました。
ただ、舞台進行はやや平坦に感じました。
もうひとつ波乱や、大きな動きがあっても良かったと思うし、星風さんの心の動き(過去で生きることになる決意や、真風さんへの想いの変化など)は、脚本や演出でそこまで書き込まれていないと思うので仕方ありませんが、もっとドラマチックに出来たら良かったのに・・と思いました。
もちろん、真風さんの戦いへの決意や、星風さんへの想いが強くなっていく過程なども、もっと描くことは可能だったんじゃないかと思ったのです。
組全体で見ると、衣裳も時代に合わせたなかなかのものだったし、宙組の大きくて堂々として、しかも爽やかな舞台さばきは他の組では感じられないものだと思いました。
宙組は、こういう歴史的で壮大なシチュエーションを描くのがうまいです、再認識しました。
組替えで来た、芹香斗亜(せりか・とあ)さんは二番手という立ち位置だと思いますが、この人の配役も、もっと書き込んで、星風さんへの想いが変化していくところを深くお芝居させてあげても良かったと思います。
愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんは、相変わらずの芝居巧者で、しかもキャラクターづくりがうまく、安定した演技だと感じました。
桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんの配役は、上に上記のお二人がいるので苦労したのじゃないかと思いますが、この人も舞台での輝きは持って生まれたものを感じました。
どこにいても目立ちます。天性のトップ向きなものを感じました。
あと、和希そら(かずき・そら)さんには、もっと大きな役を与えてもきっと驚くような結果を出すんじゃないかと思いました。秘めたる実力はウエストサイド・ストーリーなどでも充分感じていたので・・。
真風さんも星風さんも、過去何度か主役、あるいはそれに匹敵する役を演じていて実力も充分なお二人ですが、今回の舞台を見ていると、まだまだポテンシャルが隠されていると感じました。
ちょっとストーリーを紙芝居的になぞるような感じがまだ残っていて、いろいろと工夫できそうな予感がいたしました。たぶんもう一度見ることが出来るのじゃないかと思うので、その際には再報告いたします。
【Now Playing】 Peggy Sue / John Lennon ( Rock )
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