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2018/07/29

泉谷閑示さんの「仕事なんか生きがいにするな」を読んだ

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『仕事なんか生きがいにするな -生きる意味を再び考える-/泉谷閑示著(幻冬舎新書)』という本を読みました。
著者の泉谷さんは、精神科医で、精神療法を専門とするクリニックの院長です。

巻かれている“腰巻き”を見ると、『会社、お金、世の中、他人、出世、生活・・・「のために」生きるのをやめる!』と書かれていて、精神医療というよりも、むしろ仕事や、それに伴う日常生活上の考え方、アドバイス的なものを中心に展開されるのかと思いましたが、でも、そういう方向ではなく、かといって専門の精神医療世界を中心に展開されたものでもありませんでした。

もっと根源的な、今現在の人々、人間が何を思い、生活の根拠というか、“人間としてのささえ”は、何なのか?というような、歴史的にも遡って人間社会を見直していくようなものだったのです。深くて、単に論理的に理解するような“お手軽”な本ではなかったのです。

私も若い頃からずっと、自分の生きがいってなんだろう、自分が生きている意味ってどういうこと?などとよく考えることがありました。
この本でも書かれているのですが、「自分さがし」みたいなことを言うと真っ向から否定する仕事人間というか、実は説明できないから“頭ごなし”に叱っている人は以前からたくさんいました。

でもね、昔は仕事をして物を作ったりすると、それは後世の人達にも使われたりして、その仕事自体に意味があり、仕事することそのことがそのまま“生きがい”にもつながっていて、毎日生きて仕事をすることに誇りのようなものを持てたんだと思うんです。
しかし、今は「仕事」=「労働」となっています。
「労働」は金銭的価値に置き換えられ、労働そのものに金銭的な価値以外のものが見いだせない。
職人が作ったような「物」は、簡単に誰でもシステマティックに製作することができるような代物になり、「物」=「消費材」になってしまったのです。

さあ、つらくなってきた。そのつらくなってきたのが、つまり私です。

先に書いた会社や出世、お金のために生きて行くと、どつぼにはまるのです。
自分自体に意味なんて無いんじゃないかってね。
そこで現代の人間に特有の精神的な病が増加する・・ってことになる・・そういうふうに書かれていました。

あまり詳しく書くと、この著者の商売の邪魔になってしまうので簡単に書くと、人が人らしく生きるってことは、人生や世界に向かって「意味」を求めるベクトルを出すことだということなんだと思います。

そのベクトルってのは、私達の「心」が発する「愛」の作用だということ。

つまり、「愛」は、単に他の人に向かうのではなくて、世界の様々な物事や人生そのものに向けられて、その対象に潜む本質を深く知ろうとしたり、深く味わおうとしたりするものだ・・って、そんな感じのことが著者の言いたいことなんだと思うんです、簡単にしちゃうと。

・・わかんなくなってきたでしょう?(^_^;)でも、なんとなくわかる人は、そろそろ長い人生の中で何かをつかみ始めてきた人なんじゃないでしょうか。
私もまだまだ入り口付近にいるのですが、なんとなくわかり始めたところに今いると実感しています。

ま、詳しくはこの本読んでみてください。
わかんない人には全くわからない論理だと思います。特に今まで仕事上で私を苦しめてきた数々の人達には・・一生・・。

以上ですよ、それじゃまた。

2018/07/27

月組トップ娘役に「美園さくら」さんが!

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宝塚歌劇団月組トップ娘役に美園さくら(みその・さくら)さんが来年1月から就任するとのこと。今朝の新聞で知りました。

6月の赤坂ACTシアターで「雨に唄えば」を観劇したときに、なんとなくそんな予感はいたしました。
私の見た感じでいうと、歌がとても伸びやかで、撥ねるような“バネ”のある歌唱が印象的でした。
お芝居の方は、まだまだという感じがしましたが、それでも物怖じせず、体当たりでいく気持ち良さがありました。
すでにトップ男役で、美園さんを迎える珠城りょう(たまき・りょう)さんのフレッシュで若々しい様子には合うのかもしれません。

そしてまたも涙を呑むのは、二年先輩だったと思う海乃美月(うみの・みつき)さん。
歌もダンスも良く、特にお芝居に関しては宝塚の中でも独特の持ち味とうまさがあり、トップ娘役としても十分な実力を持っている方だと思います。

宝塚はこういうことが必ずあります。運命の巡り合わせっていうんでしょうか。

宝塚歌劇団屈指の美貌を持ち、演技力も素晴らしく、どんどん成長していった宙組の怜美うらら(れいみ・うらら)さんは、最後の最後にきて後輩の星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんにトップ娘役の座を譲ることになってしまいました。そして退団。

それは星組から月組に組替えでやってきた早乙女わかば(さおとめ・わかば)さんも同じこと。
主演を務めることもあり、実力も十分でしたが、月組には海乃美月さんもすでにいたし、そうこうしているうちに若手が台頭。時期的な運もあったと思いますが、一度はトップ娘役の姿を見てみたかった。

何度かの組替えを経て、星組にたどりついた白華れみ(しらはな・れみ)さんも、歌、ダンス、芝居、すべてにおいて実力十分でしたが、柚希礼音(ゆずき・れおん)さん、夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんの長期黄金トップコンビの時期にかち合ってしまい、トップ目前で退団に。

かつての宙組、花影アリス(はなかげ・ありす)さんも、気高いような美しさと、可愛らしさの両方を併せ持ち、蘭寿とむ(らんじゅ・とむ)さんとステージに立ったときの感じは、まさにトップスターでしたが、大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さん、野々すみ花(のの・すみか)さんの花組からの落下傘トップコンビがやって来たことにより、トップはあっという間に遠のいていきました。
でも、最後までどんどん成長していき、「トラファルガー」での名演が心にいまだ残っています。

そういうことって、これからもまだまだあるんですよね。

もしも、美弥るりか(みや・るりか)さんが星組に返り咲いて、トップになんて夢のようなことがあったら、ぜひ、海乃さんを相手役にしてほしいと思ったりもします。・・ないよねぇ・・(^_^;)

というわけで、今回は“グチ”のような、ぼやきのような、そんな内容になってしまいました。
そんな中で“遅咲き”?でトップ娘役になられた仙名彩世(せんな・あやせ)さんは実にめでたかったが、その実力を遺憾なく発揮されています。こういうトップ娘役もぜひまた登場していただきたい、と個人的な要望を述べまして、今回のブログ、終了といたします。


【Now Playing】 I Want To Hold Your Hand / Joshua Breakstone ( Jazz )

2018/07/24

江本孟紀さんの「野球バカは死なず」を読みました

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『野球バカは死なず/江本孟紀著(文春新書)』を読みました。

2017年に古稀を迎え、そんなときに「胃がん」を宣告された江本さん。
好き勝手に生きてきた自らの人生も潮時かもしれん、と、そんなことを考えたときに回顧録の話が来て、この本を人生の区切りとして書き留めることになったと書かれていました。

この本を読んでみて、江本さんの人生はまさに波瀾万丈というか、挫折の連続、そしてそんなときには必ず江本さんに声をかけ、助けてくれる人が現われる・・そして11年おきくらいに人生の転機がやってくるのでした。

高知商業のエースとして甲子園出場が決定していたにもかかわらず、部員の不祥事で出場辞退。スタンドで開会式を見ることになり、一生分の涙を流した話。
目標を失い、学校をさぼり、不良みたいな生活をしていた頃。

その後男気のある鬼のような監督がやってきて、また江本さんは野球をやることに。

立教大学にテストで入学が決定したにもかかわらず、またとある事件から“フイ”に、さらに偶然から法大野球部に。
でも、そこでの監督とのいさかいから、エース級だったのに試合に出してもらえない。
ドラフトにもかからない。

社会人野球の熊谷組でのエピソードや、プロの東映フライヤーズにドラフト外で入る話。
さらに南海、阪神と渡り歩き、あの「ベンチがアホやから・・」発言に。
でも、江本さんご本人が何度も言ってきていますが、そのような発言は実際には無かった。

その後は映画、ドラマに出たり、ミュージカルやオペラ、野球解説に、政治家、それぞれの時期に聞いて驚く事実が満載!・・びっくりしている間に読了( ̄O ̄;)
ものすごく読み応えのある本でした。

数々の恩人が江本さん最大のピンチになるとなぜか現われ、ギリギリのところから江本さんを助け、支え、再び輝かせる。まるで小説を読んでいるようでした。

中でも印象に残った言葉は、「一流の人は、たとえば野球選手なら、3割を打ち、30ホーマーなど立派な自分の記録を残すが、自分のためだけ、いい家を建てたりもするが、そこまで。自分のことだけこなすが、超一流は周囲にいる選手などにも目をかけ、その選手が浮かび上がれるように計らいながら、さらに自分も立派な記録を残す。」。
そんなことをおっしゃっていて、そんな一人が南海ホークス時代の監督だった野村克也さんだという。
うまく選手個々の特徴、特性を生かして、その選手が飛躍できるように引っ張って行く姿の描写が何度も出て来て、感心するばかり。

新人として東映に入ったときに、最初にやったのが、バッティング・ピッチャーで、ビビりまくり、まったくストライクが入らず、大杉さんや白さんという主軸打者にそれを“カンスケ”に怒られ、しょげ返っていると、張本さんがバッターボックスに入り、どんなくそボールも打ってくれ、やがてストライクが入るようになり、当時既に大打者だった張本さんの新人に対する心づかいに涙が出るほど感謝する話などもありました。

張本さんが、江本さんが入団したその日に自分の部屋に呼び、直情径行だという噂を聞いたらしい張本さん、プロとしての心構えを江本さんに伝えた後、お菓子をたくさん持たせてくれた話もありました。チームの人達は「あの張本さんが、お菓子を?・・考えられん」と驚いたという。

そんなエピソードが満載で、泣いたり、笑ったり、怒ったり、忙しい本でしたが、とてもいい本でした。野球関係の本としてだけでなく、人生の調味料みたいな味のある本でした。


【Now Playing】 Let It Be / The Beatles ( Rock )

2018/07/23

千葉市中央区大巌寺町・じゃくう鳥での「上田靖之展」ブログでもアップ

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すでにInstagram経由Facebook、及びFacebook page「千葉市を東京から応援するって!?」でご紹介しているのですが、こちらブログでもアップしてのご紹介です。

表題のとおり、千葉市の大巌寺町、淑徳大学前のお馴染み珈琲店「じゃくう鳥」で開催されている『上田靖之展』。
インパクト、超“つよい”っす!( ̄O ̄;)

描いた線は消さない・・そんな上田先生の作品が展示されている上に、さらに22日・日曜日に出掛けてみると、なんとライブで作品作成中!'(*゚▽゚*)'


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目の前で皆がいろいろ話しかけたり、おしゃべりをしているにもかかわらず、上田先生、さらさらサラと、店内の様子を描いていらっしゃいます。
しかも、その最中、私達の問いかけにも応え、さらに大地震が関東に来るやもしれない今の時期、どんなふうに心構えをしていたらよいのか、また、その中で自らの芸術活動をどうしていくのか、どんなふうに考えているのか、さらに私達若輩者にもどんなふうに考えていけばよいのか・・などなど・・熱く語りかけていただきました。


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聞いていて、やはり私達凡人とは全く異なる異世界におられるのだな、などと感じましたよ、ほんとに。

お店に入って、何気なく話しかけた方も、芸術作品を作られている方だったり、ジャズ・シンガーだったり(※美人)、「じゃくう鳥」ではいろいろな出会いがあります。

中央区に在住の方と言わず、何かあらたな出会いや、新鮮な衝撃を求めているような方、「じゃくう鳥」に来た方がいいよd(^_^o)


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たぶん、千葉市でも有数の何かを発見できる珈琲店なのだと私は感じています。

それもこれも、マスターの持っている人柄や、特異な才能を持ち合わせている人を惹きつける魅力が“ものを言っている”のだと思います。

このお店を教えてくれた職場のIさんには感謝です。
初めて出掛けてから、いろいろな出会いがありました。
こんなこと、普通の珈琲屋さんではあり得ないことです。

てなわけで、「上田靖之・仮面の告白展」は8月13日までやっています。
美味しい珈琲を飲もう、というだけでも行ってみてください。そこでさらに“いい出会い”があります。作品とも、そして人とも。

2018/07/21

「落語に学ぶ大人の極意」という本を読んだ

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『落語に学ぶ大人の極意/稲田和浩著(平凡社新書)』という本を読みました。
これは簡単に言うと、落語に登場する様々な“人間模様”、これは今に生き、日々の生活や会社などの仕事上でも「参考」になるんじゃないの、という本です。

実際に今までいろいろな落語を聞いてきましたが、薄々そんなことをいつも思ったりもしていました。
長屋の人情話を聞いていれば、持つべきものは隣近所にいる人達とのつき合いの中から生まれる温かみある人間的なやり取りや、実際に何か協力してくれたり、相談に乗ってくれたりする・・そんなことかもな、などと思うこともありました。

この本では、さらに現代では、そうも言っておられず、すっかり隣近所や、町内会などでも新たな事態が発生していることにもふれています。
要するに、“現状にも対応”しているのです。

そのうえで、落語の紹介もしていますが、それになぞらえて、まったく現代の話をそれに置き換え、大人としての『生き方の極意』みたいなものを、わかりやすく教えてくれるような、そんな本なのでした。

落語のお話の中には、男女の微妙な心模様、仕事上でのいさかい、部下の掌握術のようなもの、嫌なヤツ(上司や同僚)とのつき合い方、喧嘩の仲裁、不倫の対処、謝罪術、金の貸し借り、友情、などなどについてのヒントがいっぱい出て来ますd(^_^o)

人を笑わせながら、実はそんな人生での大切なことを“ぽつぽつ”と語っているわけで、噺家というものは大したものだと、あらためて感じました。

だからそれを娯楽として楽しめる“落語”のある日本って、やっぱりいいねと思ったのです。

次々に現代の人の物語に置き換えて、テーマごとにエピソード的に紹介されるお話も読みやすく、わかりやすく、しかも楽しく、あっという間に読んでしまいました。

ちょっとは、今の自分にも役だったかな、と思いましたよ。

2018/07/20

ネット上の“えせ”ニュースみたいなのや、妙なコメント入り指摘が気になる

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SNS経由で流れてくることが多いが、こんな感じのニュースともなんとも言えないような変な情報の流し方。

①「〇〇さんの不倫疑惑が報じられました」
・・報じられたとしていて、自分は報じている側ではないよ、と言い訳している。

②「〇〇さんの不倫はイメージが悪くならない」との声が相次ぐ
・・相次いでいるらしいよぉ~っていうだけで、その声についても一切他人ごと。

③「〇〇さんなら不倫が許される風潮を疑問視する声もあがっています。」
・・これも「自分が言っているんじゃないよ、なんかそういう人もいるみたい」って感じで、まったく①~③まで、何ひとつ自らが責任を取らずにヒトのことを実際には「報道」している。

こんなの多いよねぇ・・!

「今、こんなことが話題になっているらしいよ、でもってこんなこと言ってる人がいるみたぁ~い。」っていう、いちばん卑怯なものの伝え方だ。最低のやり方だ。

それからこんなのもある。

毎週、毎週、関口宏さんの「サンデーモーニング」というテレビ番組のスポーツコーナーに出てくる張本勲さんのコメントを拾い、「こんなこと言ってやがった」「また炎上だ」みたいなことを書いているヤツ。
そんなに頭にくるなら見なきゃいいだろう!無視すればいいだろう。そうすりゃ視聴率も落ちて、あんたが嫌いな張本さんのコーナーがつぶれるなり、番組が終了するなりするだろう!!と言いたい。何のために毎週書いてんだ、この人。

また最近よく目にするのが、「浜崎あゆみ」さんの行動や発言について一々拾い出し、やはり張本さんに対する報じ方同様、執拗に絡んでくる人がいる。
私は別に浜崎さんのファンではないが、この“しつこさ”は異常だと思う。

きっと、匿名だからこそのやり方で、「自分の名を明かしてやれ」と言われたら“シュン”としてしまうに違いないと思うのです、いつも。

私はそういうの見つけたらすぐに「×」を押して消してしまうか、スクロールして別の記事等を見るようにしている。こんな不快なもの見たくもない。

きょうもまた見つけたので(まあ、毎日のことだけど)、ちょっと書いてみようと思ったのです。
人をしつこくつけ狙い、くどいように絡みついている人たち、もっと何か自分がいいと思ったことや、素晴らしいと思ったこと、楽しいことなどを書いてみるといいよ。慣れないから最初は書きようがないと思うけど、やがて自分も楽しくなってくるのだ。
そうすると自分の生活も明るくなるよ、ほんとだよ。

2018/07/17

「ハイブリッド外交官の仕事術」を読みました

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『ハイブリッド外交官の仕事術/宮家邦彦著(PHP文庫)』を読みました。
著者の宮家さんは、テレビにもよくコメンテーターとして出ている方ですが、テレビを見ない私にとっては、朝のラジオ番組でよくコメントを聞かせてもらっている方です。

著者の外交官時代の情報のとり方や、国外での信頼できる友人や、情報源となる人との交流の築き方、また各国現地で、その国の歴史や、その国が考えている“敵国”の本当の正体のつきとめ方・・などなど、外国にも政治にもふだん興味を示さない私が面白く読むことのできる本でした。

なぜこの本をブックオフで手に取ったかというと、ラジオでの宮家さんの語り口、話しっぷりが私にとってとても気持ちがいいからです。

この本の中でも書かれていますが、小難しいことを言う批評家やコメンテーターは、ずいぶんと複雑なことをワケ分からないようにして話し、結局言いたいことがわからない・・ということがあります。
宮家さんのコメントの多くは、“噛んで砕いて”素人にもわかるような表現を用い、現状での状況の見方を簡潔に言っているという印象があります。
「なるほどね、今大騒ぎしているのは“お門違い”の“早とちり”なんだ。」などと思うこと多々です。

また、様々な局面で、そのことに関する情報や予備知識なども必要でしょうが、最終的には「直感」が大事だ、という部分にも共感しました。

危機管理という部分でも、事がある毎に、「マニュアル整備」が大事だ。または「頻繁な更新も必要だ」などと繰り返されますが、それをやり過ぎると、またはそれに精力を傾け過ぎると、マニュアルはものすごく分厚くなり、それを危機的状況のときに読むことが事実上出来ないことになる・・だからそこで大事なのが豊かな経験と知識の中から出てくる「直感」なのだ、と言われると「そうだろうなぁ」と思ったのでした(^_^;)

こうして自分のやっていることや、興味の範囲外の本を読むことも時には刺激になり、楽しいものです。
読んでよかった本でした。


【Now Playing】 The Beatles 10 / 上半期10 ( radiko タイムフリー )

2018/07/16

映画「終わった人」を見てきました。

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映画『終わった人/2018年・日本 監督:中田秀夫 出演:舘 ひろし、黒木 瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井 翼 原作:内館牧子「終わった人」(講談社刊)』を見てきました。

公開前に、この映画に出演している黒木瞳さんの早朝のラジオ番組で、黒木さんが、同じく出演している舘ひろしさん、広末涼子さんを呼んでインタビューしていたのを聞いて、気になっていたのです。

で、ちょっと時間が出来たので見てきました。


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タイトルの「終わった人」というのは、主演の舘ひろしさん演ずる主人公が退職を迎え、ようするにサラリーマン生活が“終わった”人という意です。
高校時代はラグビー部のキャプテンで、東大に進学し、一流銀行に就職したが、出世争いには敗れ、出向先の会社で退職を迎えた舘さん。
インタビューでもおっしゃられていましたが、わざと胴回りに肉布団のようなものを入れ、太り気味で気力の失せた様子を演じられていました。
・・私も自分のことを考え、ちょっと胸の中に暗雲が垂れ込めました。

舘さんの奥さん役である黒木さんは、美容院に勤め、コツコツとお金も貯め、自分の店を持とうというところまできている。つまり、夫がリタイアする時期には自分の方向性をすでに見出している状況です。


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その後の舘さんは、無気力の状態から大学院に行こうと決心し、そのためにカルチャーセンターに通う。
そこで受付をやっている文学好きな広末涼子さんと知り合う、・・そして「恋」のようなものをしてしまう。

なもんで、ジムで体を鍛えはじめ、広末さんと食事をしようとしたり、ジムで知り合ったIT企業の社長から会社の顧問に迎えられ、仕事を再開したり、そしてその社長が急死し、なんていう巡り合わせか社長になってしまい・・その後は大変な展開に・・。

監督の意図とは異なるのかもしれませんが、私は“仕事に生きること”しか人生に無い人の悲哀を感じました。
舘さんが頑張ろうとすればするほど、奥さんの黒木さんは呆れる。
そして、舘さんは空回りする。
それは仕事をすることで、自分を確立するというタイプの人には、「何故仕事をするのか」「自分にとって仕事の中にある意味は何?」という感覚が抜けているんじゃないか、と思ったのです。・・たぶん監督の意図するところはもっと角度が違うんだろうと思うけど。


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ラストが近づくにつれ、舘さん、黒木さん夫婦の人生模様がしみじみと浮き上がるように見えてきます。とどめは、二人の長女を演じた臼田あさ美さんの別れをすすめる叫ぶような言葉でした。

そして二人が選んだ道は・・。
映画を見てね(*^_^*)

見ているうちに舘さん、そして舘さん夫婦を自分の今の状況になぞらえることしばし、でした。
哀しくなったり、心の中にざわざわとするものを何度も感じたりしました。

形としては「コメディ映画」なんでしょうけれど、でも残るものは深く大きいものでした。
舘さんと黒木さんという人生の、そして役者としての“荒波”を乗り越えてきた二人が演じたからこそのものだったかもしれません。

まだ上映されていますので、定年間近、あるいは、今、仕事人生の岐路に立っているような人、または夫婦間で何らかの問題を抱えている人に見てもらいたいと思った映画でした。


【Now Playing】 須田慎一郎のニュースアウトサイダー / 猪瀬直樹、蜷川有紀 ( Podcast )

2018/07/15

星組「ANOTHER WORLD / Killer Rouge」を見てきました

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宝塚歌劇・星組東京公演「ANOTHER WORLD(落語ミュージカル) / Killer Rouge(タカラヅカ・ワンダーステージ)」を観劇してまいりました。

ミュージカル、ショーの二本立て。
最初の『ANOTHER WORLD』は、RAKUGO MUSICAL(落語ミュージカル)と銘打ったまさに異世界のミュージカル!!( ̄O ̄;)

死後の世界が出てくる落語「地獄八景亡者戯」「朝友」「死ぬなら、今」などを随所に散りばめ、大元の噺は「崇徳院」という大店の若旦那と菓子屋のお嬢様の“一目惚れ”の落語ですが、元ネタでは二人は死にませんが、この噺では、他の噺もミックスしているので死なせちゃいます(^_^;)

主役二人や様々な人達があの世に行き、そこでまた知り合う貧乏神やその他の人?たちとの落語フレーバーなドタバタが果てしなく可笑しい(^o^)

チラシだけ見たときには、“なんでもあり”的な最近のタカラヅカがまたひとつやっちゃったのか、と思っていたのですが、私の潜在意識にある「メイちゃんの執事」のときの紅さんが今まで私の感覚を邪魔していたのかもしれません、主演、紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんの炸裂する「笑いのセンス」にやっと本格的に気づくことになりました。

これでいいんだね。まさに『紅ワールド』!!
宝塚としては異色も異色の落語ミュージカルを、笑いの渦と、人情の機微でしっかりと作り上げ、星組の組子達は相手娘役の綺咲愛里(きさき・あいり)さん、二番手男役の礼真琴(れい・まこと)さん、専科からの華形ひかる(はながた・ひかる)さんはじめ全員が愉快で軽快で、リズミカルで、人情も愛情もあふれる舞台を力強く演じていました。

関西弁の早口もものすごく、全員がこの話をいいものにしようとする姿がとても良かった。

あの世に出てくる冥途歌劇団のロケットや、冥途の阪急電車のマルーン色そっくりの鉄道なども可笑しかった。「ベルサイユの“蓮”」ってなんやねんヽ(=´▽`=)ノ

最初から最後まで息をもつかせぬ怒濤の舞台に観客席は笑いの渦に包まれました。


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そして、ショー。
こちらも久しぶりに星組の過激なくらいのオーバー・スピードでコーナーに突っ込む感じのショーを堪能しました。
そうそう、星組はこのくらい“やり過ぎ”な感じで“丁度いい”んですd(^_^o)

紅さんの他組トップにない派手なゴージャス感、相手役、綺咲さんのあふれるような可愛さと、ちょっとツンデレっぽい感じ、礼さんの伸びやかで艶やかで辺りがパッと開けていくような明るい歌声、なんだか遠慮がちだけど、“やるときはやる”七海ひろき(ななみ・ひろき)さんなど(^^;)、専科からの華形さん含め、次から次へと“攻め”のショーに胸が熱くなりました。

ロケットも良かったねぇ!(*^_^*)、ステージだけで完結するのかと思っていたら銀橋にまで出て来て、今までにない“振り”で可愛いものでした。わたしゃ、涙がでましたよ。

最後の最後までガンガンくる、これが星組だよねぇ、なんだか久しぶりに溜飲が下がりました'(*゚▽゚*)'

おしまいに特筆的にミュージカルでもショーでも光っていたのが娘役の音波みのり(おとは・みのり)さん。ミュージカルでも舞台をキリッと引き締める演技を見せてくれたし、ショーでは随所に大活躍でした。この人は星組の宝だよ、大切にしないと。

それから、同じく娘役の有沙瞳(ありさ・ひとみ)さんも、また新たな魅力をミュージカルで見せ、ショーでも抜群に光るものがありました。いつも感心させられます。

以上が今回の星組観劇の感想でした。
星組が紅さんの星組になってきたな、と強く感じる公演となりました。


【Now Playing】 Untitled Original 11386 / John Coltrane ( Jazz )

2018/07/14

【はっPのアナログ探訪_0151: JET / Paul McCartney & Wings ( Single )】

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今回のアナログ探訪は Paul McCartney & Wings の「JET」。

これも久しぶりにレコード盤で聞きました。
CDよりも圧倒的に軽快な音です。意外!

ポールの素晴らしいドラムの迫力は十分に表現されているし、コーラスの爽やかさもみずみずしい。

この曲の根幹を成すとも言える“ブラス”の音は非常に軽々と鳴っていて、CDとは明からに異なる印象を持ちました。
無理な音圧レベルのアップが無い感じ、とても素直な音です。

このブログのシングル盤「BAND ON THE RUN」のアナログ探訪時にも書いたかもしれませんが、「バンド・オン・ザ・ラン」のアルバム自体がCD化された当時、「もともとデジタル向けの金属的な音質のアルバム」なんて言われていた記憶がありますが、いや実はそうでもないと思いましたよ。

ひと言でいうと「とても“あたり”がよい」です。アタック音の部分も“滑らか”にさえ感じます。
聞いてみないとわからないもんだねぇ。


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ついでにB面の隠れた名曲「Let Me Roll It」にも針を落としてみました。
ポールのベースの音がとてもいいよ(*^_^*)
固すぎず、やわらか過ぎず、ほどよいアタック音を残しつつ、この曲を引っ張っていきます。
ベースアンプのそばで演奏を聞いているみたい。

独特のリフを持つこの曲のギターも、CDよりアンプから出るナチュラルさを保ったまま録音された感じです。明らかにCDの音とは異なります。耳に心地良いd(^_^o)

ポールのボーカルも伸びやかに、朗々と、自在な感じでこれまたいいヽ(=´▽`=)ノ

ちょっとオールディーズっぽいオルガンも泣かせます。いい曲だなぁ(#^.^#)

というわけで発見の多かったポールのシングル盤「ジェット」でした。

2018/07/13

バス亭の変化にしみじみとした

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写真は、今朝、職場の飲み会があるためにバスで出掛けたときに撮った、家に一番近いバス亭の様子です。

うしろには新しい家も建ち、そんなに田舎には見えないでしょう?
でも、私の家の近辺はここ数年でどんどん家が建ち、だいぶ様子が変わってきました。


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6年前に3年続いた東京勤務から千葉の職場に戻りましたが、当時の同じバス亭の様子はこんなです( ̄O ̄;)
特に朝5時に起きて、6時前にはこのバス亭でバスを待っていましたので、寒いときは厳しかったし、暗かったし、寂しかった。

仕事としての飲み会も多く、当時は終電の特急で帰宅し、このバス亭に降り立ったときの泣きたいような気持ちは、きっと誰にもわからない。


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そして、この写真の畑道を街灯も無いのに懐中電灯を持って家まで歩いたのでした。
誰かが、しゃがんで潜んでいるんじゃないかと、とても怖かったのです。真っ暗だった。

そんなことを今朝、ふと思い出したのでした。

でも、東京でいろいろな人に出会い、いまだ交流のある人がたくさんいます。
あの時出会った人達は私の「宝」です。

なぜ私が東京勤務に選ばれたのかは今だ謎ですが、でも比較的幸せな毎日を過している現在、様々なことを思い起こしては、夢のような時間だったとあらためて感じているのです。


【Now Playing】 Bluesnik / Jackie Mclean With Junko Onoshi ( Jazz )

2018/07/11

「ぼくは眠れない」を読んだ

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『ぼくは眠れない/椎名誠著(新潮新書)』を読んだ。
帯には『35年間、不眠症。』と力強く?!書かれている・・。
あの椎名さんが不眠症だったのか、と驚きました。

世界中の過酷な地に行ったり、日本全国でも釣をしたり、キャンプをしたり、カヌーに乗ったり、浮き球ベースボール大会をやったり、ラーメンすすったり(^^;)、およそ「不眠症」という言葉が似合わないことこの上ないような人と思っていたのですが・・。

でも、本当だった。
ブックオフでこの本を見つけ、パラパラと頁をめくってみたときの衝撃はけっこう強かった。

会社員だった頃の椎名さんのガシガシ仕事をして、夜は人と酒を飲み、家に帰ってくると、“がお~っ”って寝てしまう椎名さんから、物書きとして独立し、フリーランスとなり、いかにも作家っぽい夜更かしの生活が当たり前になってしまった頃から不眠の悩みが始まっていました。

いっきに倒れ込むように寝てしまおうと、酒を飲んでから寝るという・・椎名さんも書いているが、実は午前二時頃に起きてしまう要因となるそれがますます問題を根深いものにしていくのでした。

そういえば、かつて読んだ椎名さんの本の中にわずかではあるが、ダイビング中の閉所恐怖症の話や、ひとつのことが気になると、トコトン考えてしまうような様子、一歩間違えば「鬱」一直線みたいな、“引き金”のようなものを感じたエピソードがありました。

この本を読んでみると、精神的に自分を追い詰めていく椎名さんが垣間見えてきます。

それが、特に外国での豪快な旅をする椎名さんとかけ離れたイメージのため、読者である私が受ける衝撃はかなりのものでした。

外国人と日本人の睡眠の比較や、どんな動物がどのくらいの時間眠っているのか、また睡眠について書かれた国内外の書籍から椎名さんが考えたことなど、これを書いている時点でもまだ「不眠症」に苦しむ椎名さんが、光明を見いだそうとしてもがく様子がうかがえます。

それから、医師から処方された睡眠薬についても書かれていて、でもそれが問題の根本的な解決にはならないということも書かれています。
問題は、現代に生きる人間にとって(文明社会に生きると言い換えてもよい)不眠症となる要因があちこちに、其処此処に、自分を取り巻くような状況になっているということでしょうか。
要するに「文明社会病」みたいなものなのかもしれません。

椎名さんの意外な一面を見ることになったこの本、不眠症について深く入り込んで探求していくと、現代の人間が抱える悩みが見えてくるというものでした。


【Now Playing】 Solar / Miles Davis ( Jazz )

2018/07/09

自然災害の国なのだから

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今回の西日本での豪雨による被害には驚き、被災された地域の方にはお見舞い申し上げます。
きのうまでの平和で安らかな普通の日々が突然の自然災害によりこんなことになってしまう。
日本はほんとうに自然災害という恐ろしいものと共存していかねばならない国です。
地震と水害が特にひどい。

東日本の震災があり、熊本でも大きな震災、あれからまだまだ自然災害は絶えず、今回の豪雨。
町全体が水没している状況を報道で見て、やはりもうオリンピックなどやっている場合ではないとあらためて思います。
それに豪雨に隠れていますが、千葉では震度5の地震がありました。
あれがもうちょっと強く、広範囲で起こっていたら、今頃西日本だけでなく、関東も大変なことになっていたかもしれません。

国立競技場なんか造っている場合じゃないでしょ。
「ごめんなさい、災害復旧が第一です。被災した国民への対応を一番に考えたい。オリンピックは申し訳ないが降ります。許してもらいたい。」と言って怒る人なんて被災した各地の状況を見ればいないでしょう。
豪雨の晩に党の宴会をやって酔っ払っている様をSNSにアップしていた議員もいるやに聞きました。まったく何を考えているのでしょうか。

再三このブログで「オリンピックはやめて、復興に向けて国全体で取り組んだらどうでしょう」と書き、ついには最近「もう後戻りできないところまで来てしまった」と書きましたが、でもこの豪雨被害を見て後戻りもへったくれもない、と感じました。

“お金”や“意気込み”をかけるところが違うんじゃないでしょうか。

また、そう思いました。

それでもオリンピックをやれ、という人は「何のために」オリンピックが必要なんでしょうね。私にはたぶん一生わからない・・。

今の私にできることは僅かながら義援金や、物資を被災地に届けることくらいですが、今までどおりそうしようと思います。

2018/07/07

たいせつな本になると思った「ビートルズは何を歌っているのか」。

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『ビートルズは何を歌っているのか?/朝日順子著(株:音楽出版社)』を読みました。
評判も良く、楽しみにしていましたが、巷の評価に違わぬ力作だと思いました。しかも力が入りすぎていないのもこの本の、著者の書き方の魅力だとも感じました。

「カットアップ技法で作られた歌詞?」という項目では、ジョンのドキュメンタリー映画に出て来た、ジョンの邸宅に侵入してきたファンの若者に対してジョンが「曲と現実生活をごっちゃにするな」と話しかけ、若者が「でも、あれは?」と『 Dig A Pony 』の歌詞を持ち出すシーンを取り上げています。

そこでジョンがそれに応えて「言葉で遊んでいただけさ。正真正銘のノンセンス・ソング。ディランだけでなくみんなやっている。言葉と言葉をくっつけて何か意味を成すか、みてみるんだ。」と語っている部分を回想しています。
私はこの部分については完全に記憶から外れていて、そうだったっけ・・と思いましたが。

要するにあの『 Dig A Pony 』という曲は関係のない言葉や文をくっつけて新たな文を作るというカットアップ技法といえる手法を用いていたらしい、と書かれているのです。
何か普通でない言葉の雰囲気だと思ってずっとこの曲を聞いてきた私に、そんなことを気づかせてくれたのです。

そう言えば、初めてあの曲を聞いたときから road hog penetrate celebrate radiate anything everything dig という言葉などが、中1で英語もほとんどわからないのに、面白い響きに聞こえたり、何だろうと辞書を引いてみたりしたことを思い出しました。

上記のようなことは、ほんのひとつの話題と言えるくらい多種多様、多彩な解釈などが飛び出してくるこの本、単に英語の専門家や、特にビートルズ・ファンでもない人が書いたものとはレベルの違う、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴに寄り添った彼らが何を思い、何故こんな表現を使ったのか、という英語を用いるあちら側からの視点を感じさせる好著でした。

時に正規発表されていない録音などにもふれていて、私の知らない世界なども垣間見え、ビートルズ・ファンとしては、やや情けない“ついて行けない”部分もあり、「まだまだファンとしては“中級以下”( ̄O ̄;)なのか」と暗然たる思いになった瞬間もありました。

でも、ファンはファン、楽しい本です。面白い本です。

最後に気になることがひとつ。

この本の最初の頁に薔薇の絵が描かれ、「McCartney Rose To my high school English teacher」と記されていました。これは朝日さんの英語の先生だったあのビートルズ資料館の野口先生のことだと思うのです。

上記のようなひっそりとしていいエピソードを見つけたのですが

最近の facebook で、当の野口先生がアルバム、「サージェント・ペパーズ・・」の「恋人募集中楽団」という表現について、きつい言葉で指摘されているのを見つけ、この本のことを言っているのか、と思い、どう考えたらいいのかわからなくなってしまいました。

何一つ事実も知らない私には、コメントなど出来ようもありませんが、あれこれと考え込んでしまい、その章以降ずっと胸騒ぎを抱えながら読むことになってしまいました。

私の想像していることがただの勘違いであることを祈っています。


【Now Playing】 Live And Let Die / Paul McCartney & Wings ( Rock )

2018/07/05

ふつうにうまい・・か

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最近よく感じるのは、自分が歳を取った証拠なのか、若い人と話したり、付き合ったりしたときにけっこう“ギャップ”を感じるのです。

卑近な例で言えば、今回のワールド・カップで注目を浴びた「ハンパない」。
「半端なことではない」などと自分では言ってきたが、“ハンパない”は、もう当たり前のように世間では使われている。・・自分はまだ使えない・・どうしても。
いいオトナが使う言葉じゃないと、まだ思っているんですよ。

何年か前に若い部下を現場回りのお昼時に、“とっておきの洋食屋”さんに連れて行った。
ここはランチでも何でもどんなメニューでも“ウマい”店だったが、食べているときに「どう?」と聞いたら、「ふつうにウマいっすね」と言ってた。
そのときにはウマいのか、マズいのか、どうにもこうにも普通の味なのか、まったく判断できなかった。
子供に聞いてみたら「美味しい」と捉えてよい!(^_^;)とのことでした。ああそうかい。

「落語を聞いてるんですってね」と、上記と同じ部下に聞かれた。
「うん、聞いてるよ、今度行ってみるかい?二人会があって、演目もわかっていて〇〇を噺すらしいよ」と誘ったら、「その話なら知っているので、聞いても意味がないので、行かないです」と言われた。
落語はそれぞれ演目のストーリーを知りに行くのではない。誰もがほとんど知っている話だが、誰が噺し、どんなふうに演じるのか、またその場の客との間合いでどう変化するか、などなど、「生」の高座の面白さを味わうものだが、そんなこと関係ないのでしょう。
“落語好き”としては小学生レベル以下と言わねばならないが、そんなこと言うのも面倒くさいので放っておきました。

最近、クルマで走っていてよくあることなのですが、細い脇道から若い人が本線に入ろうとしてクルマの窓から本線を走るこちらを見ている。
・・目が合う・・当然間に合わないから私のクルマをやり過ごしてから入るのだろうと思っていると、「目が合ったからには大丈夫!」とばかりに、強引に本線に入ってくる。
あわてて急ブレーキを踏んでなんとか事故から逃れたが、九死に一生を得るようなことにここ二週間で二回遭遇した。
自分のことしか、自分のためなら周りが無理してくれると信じている、“超最近人種”だ。

仕事では、メールでのやり取りで、若い人の文面には主語がなく、しかも時系列が滅茶苦茶、さらにひと言聞いては、ひと言返し、その繰り返しを延々続けようとするから話が一歩も先に進まない。

「ここで言っている〇〇は△△の意で、“何月何日何時”から“どこそこで”“これこれこういう内容”について決定するため、会議を開きたいということですね」と全てをまとめて一回のメールで送ってみると「そうです」・・と返ってくる(^^;)そのひとことだけだけどね。

あらかじめこちらが質問してくるであろうことも想定さえせず、ひとつ質問する度に「なるほどですね、さっそく調べて回答します」とメールをくれるが、その返事もいつの間にか忘れている。
私よりも超優秀な頭脳の持ち主であることは間違いない人達だが、どこかネジが緩んでいるというか抜けている。

仕事の会話の中でも、ちょっとだけ思わず笑顔になってしまうようなひと言を入れると、茫然として“固まる”。
そんなこと言われたことがないのだ。潤いのない生活と仕事をしているんだな、と思う瞬間です。

まだまだ“枚挙に暇がない”というのがほんとうのところですが、きょうはここいらでやめときます(*^_^*)・・ジジイ死ね・・と言われるので。
んじゃね。


【Now Playing】 Sesami Street / 中村たかし ( ウクレレ )

2018/07/03

笑点の顔だった歌丸さん

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噺家の桂歌丸さんが亡くなったと昨日知りました。
今朝の新聞でも大きく紙面を割いて歌丸さんの最後まで高座にかけた落語への情熱についての記事が載っていました。

最後の笑点レギュラー出演をされたあとに、一度国立演芸場のチケットを取って歌丸さんの噺を聞こうとしたことがあったのですが、その時は体調をくずされ、中止になってしまいました。とうとう、“生”で歌丸さんの高座に接することができなかったのが残念です。

笑点という番組に限っても、歌丸さんは長くレギュラーをつとめられ、古くは亡くなられた三遊亭小円遊師匠との罵倒合戦や、それに続くこちらも亡くなられた先代の円楽さんとのやり取りも可笑しかった(^o^)

司会となってからの歌丸さんの絶妙な進行も印象に残っています。
立派な噺家でした。

ちょうど先週末に久しぶりに今度の休みに寄席に行ってみようということになったところでした。

噺家は、それこそ高座に上がると小道具はせいぜい扇子と手ぬぐいくらいで、様々な噺をたった一人で語り、色々な登場人物も全部一人で演じます。

演者でもあり、脚色・演出も自分、時には新作の場合は脚本家でもある。
演目によっては、歌も唄い、おどりも踊る。
観客の様子を見て、即座に演目を変えたり、話っぷりも変化させ、挙げ句に“下げ”まで変えることもある。
まくら(話の本編が始まる前にお客さんを暖める軽い話題)も巧妙に出し入れする。
素晴らしい仕事であると共に、こんなスリリングな商売も無いでしょう。

それを寄席に出掛けて、楽しむ“幸せ”がまさに“寄席の醍醐味”です。
若手もベテランも出てくるかと思いますが、楽しんで来ようと思います。
歌丸さんもそんな寄席の様子、空から楽しそうに見てくれているのかもしれません。

2018/07/01

「一流の人間学」を読んだ

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『[品性ある人間関係を築く101項]一流の人間学/山﨑武也著(PHP文庫)』という本を読みました。またまたブックオフで108円d(^_^o)

パラパラとめくってみて“いいこと書いてある”と思い、手を伸ばしました。

1992年に刊行された本ということで古い本ですが、でも書かれていることは、ごくまっとうなことで、私には参考になりました。日々、生きて行く上で、仕事上でも心がけなければならないことがいっぱい書かれているのです。

中身について詳しく書いてしまうと、“ネタバレ”に過ぎるので、101ある項目のタイトルだけでも挙げてみると・・。


外見や地位で判断しない

人は長所を見て付き合う

自慢するのは未熟な証拠

怒りは明日まで温存する

悪口を言うなら本人の前で

嫌な奴とのつき合いは人生修行

隠れて叱り人前でほめる

悪いニュースは早く伝える

時間に遅れるのは強盗と同じ

脅しは最低のテクニック

人を追い詰めない


などなど、内容を読んでいくと、どんどん深い話になり、私としては自分がまだまだまったく出来ていない人間だということを痛感するのでした。
そして、“謙虚”にならなければと、自分を戒めました。

「古い人間なんかに言われたくない」というような人もたくさんいるけれど、でも、古くから言われていることには大切なことが含まれている・・そんな本でした。


【Now Playing】 Cocuette / Paul McCartney ( Rock )

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