「吉原の江戸川柳はおもしろい」を読んだ
『吉原の江戸川柳はおもしろい/小栗清吾著(平凡社新書)』を読みました。
2018年は、吉原遊郭が元和四年(1618年)に営業を始めてからちょうど400年!そこで刊行されたのが、この「江戸川柳の吉原句」を鑑賞するという本です。
読んでみるまでは、吉原に関する句がこんなにもたくさん、しかも「吉原に行くまで」「吉原で働く人達」「様々な遊客の特徴」「男と女の騙し騙されのかけひき」「遊女の手管」などなど、様々なジャンル毎に分けてもこんなに多様な句があるということを知りませんでした。
私はこのブログに何度も書いてきましたが、その時代その時代の町人というか、普通の人がどんな様子で生きているのか、どんな楽しみがあったのか、その時代の空気はどんなだったのか、ということに興味があります。
だから、「好きな戦国武将は?」などと質問されてもそんな人いないのです。人殺しには興味がないのです。
で、この本を読んでいると、まるでタイムマシンでその時代に出掛け、『人のおもしろさ、かなしさ、なさけなさ、あさましさ』などが江戸川柳の風流と共に味わえるわけです。
私のような者にはとても興味深く面白かった。
つまり、「人間ってそんなもんだよな」とか「江戸の時代も、いつの時代も人はこんなだった」などと可笑しくなってしまう、それがこの本の面白さ、楽しさです。
これは、落語を聞いても同じようなことが言えるかもしれません。
人間ってこんなに“ぶざま”な(^^;)な様子でも、それなりになんとか楽しく生きている、それが一番!みたいなことが再確認できる、そこがいいのです。
というわけで、私の生き方、好みにぴったりのこの本、楽しく読めましたよ。
【Now Playing】 Getting Better / Paul McCartney ( Rock )
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