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2020/01/31

パリッコさんという方の「つつまし酒」を読んだ。

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『つつまし酒 -懐と心にやさしい46の飲み方-/パリッコ著(光文社新書)』という本を読みました。

著者「パリッコさん」は、長年勤めていた会社を辞めて、フリーライターとして独立した方だそうです。
ライターとしての仕事の99%は「お酒」と「酒場」ということで、“酒”一本で生きて行こうという決断をされたわけで、読んでみた文章のやわらかさとは対称的に厳しい世界を生きて行こうとされている方なんだなと感じました。

でね、この本を読み始めてすぐ感じたのは、今まで私が読んできたような、酒についての専門的な知識や、老舗の居酒屋を探訪したり、そんな世界ではないのです。

ではどんな世界かというと、ファミレスで飲む楽しみを見つけ、ファミレスでの“肴”と“酒”はこういうものがあり、お値段もリーズナブルで、今まで気づかなかった!みたいな話とか。

サラリーマン時代の勤め帰りに閉店間際のスーパーに寄り、“おつとめ品”のシールが貼られるのを待って“肴”をみつくろう楽しみ、とか。

豆腐が好きで、お店によっての肉豆腐の様々な姿をリポートし、それぞれを食べた感想もけっこう深い・・。お店への観察眼もちょっと今までのライターとは異なる視点で書かれています。

マクドナルドのハンバーガーを“家飲み”の肴にするという・・ふつうだったら私が「そんなのいやだよ」と思うようなことも、ハンバーガーに手を入れて美味しくする方法が書いてあったり、公園などに椅子を持ち込んでひとりコンビニで買ってきた缶チューハイなどを飲む楽しみを語ったり(花見の現場にもひとり行って同様のことをしたりする)、電気風呂というピリピリと電気ショックを受ける風呂に入ったあとの酒の楽しみを書いたり、おつまみも自分でいろいろ面倒がらずに作っていくのです。

青唐辛子を漬けたり、卵黄を漬けたり、らっきょうを漬けたり、けっこう“まめ”です。

冷凍食品で一杯の報告なども、あまり今まで見なかった非常に“身近な飲み”にこだわっている姿勢を感じます。

つまり、新しいジャンルを開拓している、と感じました。
読み手によっては、「しけてるなぁ」とか「しみったれてる」「みみっちい」などと言う人もいるかもしれませんが、でも私が感じたのは、新しいジャンルを切り開いているなこの人、ということでした。
こういう分野を見つけるセンスが素晴らしいと思ったのです。

家飲みや、カプセルホテルで飲んだり、サイゼリヤで飲んだりするこの意外とやってみれば“新感覚”なワールド!この本を読んで、ちょっとやってみてはいかがでしょうか・。

 

2020/01/27

千葉市中央区の「きぼーる」に先生の絵を見に出かけた。

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千葉市中央区中央4丁目にある「きぼーる」二階の『画廊ジュライ』に、いつもこのブログでご紹介している私の中学時代の担任の美術の先生が絵を何作品か展示していると聞いて先日出かけました。
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先生は気をつかって、私に「来るんじゃないぞ」(^_^;)と念を押し、さらに案内も送ってくれないので(聞くとすぐに行っちゃうので「いつも申し訳ない」と言ってくれている)、どんな企画の、どんな催しの展示なのかもわからず出かけてしまいました。
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というわけで、どんな会のどんな展示なのかもわからず終いで、見て、そして帰ってきたので、チラシ、パンフレットなど資料らしいものも手に入れずたいへん申し訳ないのですが、今回は先生の「絵」のみご紹介して、それで終わりってことになります、面目ない。
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今回先生が展示されていたものはジャズの演奏シーンが多かったのですが、中には抽象的なものもあり、相変わらず楽しく見て来ました。
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そしてお茶、珈琲、お菓子、苺などもどんどん出してもらい、くつろぎのおやつタイムになってしまいました(*^_^*)
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他の展示作品の作家の方もお見えになっていて、いろいろお話もできて楽しかったのですが、スマートフォンしか持って行かなかったので、良い写真も撮れなかろう、と他の先生の作品は撮りませんでした。
今にして思えば、撮っておけばよかった・・ごめんなさい…σ(^_^;)
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次回以降気をつけます。
とりあえず今回は先生の作品をスマートフォンで撮った画像で公開ということで、・・おしまい・・。

2020/01/26

宝塚歌劇・花組/日本青年館公演「マスカレード・ホテル」を観てきた!

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宝塚歌劇・花組/日本青年館公演「マスカレード・ホテル -ミステリアス・ロマン- 原作:東野圭吾」をすでに観劇しておりましたので、感想を。

この公演は、花組のベテラン男役スターの瀬戸かずや(せと・かずや)さんが主演し、相手娘役は朝月希和(あさづき・きわ)さんがつとめます。

そして東野圭吾さんのミステリーを宝塚が舞台化するわけですが、当然のこと、この作品を読んだことのある人も劇場に来るわけで、犯人がわかっていても面白くて楽しめる舞台にしなければならないのです。
さらに宝塚の場合、何度も劇場に足を運ぶファンも多いので、リピーターにも何度でも面白いものにしなければならない・・。
たいへんなことですが、それを何とかするのが宝塚。

主演の瀬戸かずやさんの演技、身のこなし、歌唱、どれをとっても素晴らしく、その実力については今までの公演を見ていてわかってはいたものの、それでも今回の出来の良さには驚きました。
冒頭から唐突なストーリー展開をものともせず、見ているこちらをあっという間に物語の世界にいざなってくれました。
もうねぇ、みんな身を乗り出して見てましたよ!d(^_^o)これすべて瀬戸さん中心の花組メンバーの、そして専科からの汝鳥伶(なとり・れい)さんの見事な演技によります。

高翔みず希(たかしょう・みずき)さんや、音くり寿(おと・くりす)さんの特異なタイプの人間の描き方も前半から全開で飛ばし、物語は俄然面白く、しかもドッと笑いを取る場面なども入り、前半だけでも観客が皆入り込んで、しかも楽しんでいたのがよくわかりました。

これは瀬戸さん中心に花組の組子それぞれが個々の役割を全力で全うし、隙の無い濃密な舞台を作っていて、こういう引っ張り方ができるのがリーダーたる主演者の役割じゃないかと感じました。
あっぱれです。

後半はストーリーも驚きの展開があり、クライマックスでの音くり寿さんの一世一代、魂の演技が舞台上で炸裂し、すごい、凄すぎる・・と、感動の渦に巻き込まれました。
また、瀬戸さん、朝月さん、その他の皆さんが演じるキャラクターもとても良く作り込まれていて、お世辞ではなく、最高に素晴らしいと思いました。

フィナーレを迎えても感動の嵐は胸の中で抑えることが出来ないくらいの高鳴りを覚え、最後には私・・泣いてしまいました。
これだ、こういう「宝塚」を見たかったのだっ!!・・と。

悪いところなどまったく無く、瀬戸さん、朝月さん、花組の皆さんの魅力があふれる最高の舞台でした。
いいもの見せてもらいました。瀬戸さん、花組の皆さん、ありがとう素晴らしかった。

 

2020/01/25

宝塚歌劇・宙組東京公演「イスパニアのサムライ/アクア・ヴィーテ!!」を観劇してまいりました。

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宝塚歌劇・宙組東京公演『イスパニアのサムライ -El Jap'on-(宝塚ミュージカル・ロマン)/アクアヴィーテ!! -生命の水-(ショー・トゥー・クール)』を観てまいりましたので、感想を。

まずはミュージカルの「イスパニアのサムライ」。
慶長八年に仙台藩が派遣した慶長遣欧使節団の中の剣術の名手を真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんが演じ、奴隷として売られ脱走した日本人少女、大農場主から邪な欲望を抱かれ、脅されながらもそれに屈せず力強く生きて行く宿屋を営む女性、星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんらが絡み、和風でもって、でも異国風な宝塚ならではの展開になっていました。

物語的には、進行が一本道のようになっていて、やや展開に物足りなさを感じました。
周囲のお客さんも居眠りしている人、多数でした。・・うぅん・・。

そんな中、蒼羽りく(そらはね・りく)さんや、澄輝さやと(すみき・さやと)さんが退団され、ぐぐっと抜擢されて活躍していたのが、和希そら(かずき・そら)さんでした。
和希さんは身のこなしにキレがあり、しかも低音が響く独特の声質がとても男役らしくてよいのです。演技力も確かなものがあります。

終盤に入ってくると物語はテンポよく進行し、面白くなってきました。
真風さんのぐっと一回抑えるような間の取り方も歯車が噛み合ってきて、さらにどんどんストーリーを展開させ、お客さんを瞬時に集中させてしまう芹香斗亜(せりか・とあ)さんのうまい舞台さばきで舞台は生き生きしてきました。

星風さんも悪い農場主にウエディングドレスを着させられてからは、一気に本領発揮状態になり、最終的にはうまくまとまった感がありました。
前半から中盤にかけてのストーリー展開は、もうちょっと工夫が必要だったかも。

で、次にショー。
これは真風さんがトップになってからのショーでは“一番”じゃないでしょうか。
非常に充実した内容です。
最初の方のシーンで、かつての大地真央さんの月組での「ヒート・ウェーブ」にあったダンスシーンが見られました。セットもそっくり、振付もほぼ同じでした。で、これはちょっと驚きつつも良い場面になっていました。

そしてここでも和希そらさんはかなりの活躍をされていました。将来は桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんを支えるキー・パーソンになるような気がしましたよ。

また、真風さんの落ち着いた、渋い、そしてあるときはギラッとする男役ぶりがとても板についていて、素晴らしかったし、どの場面もいいと思いました。
宙組、久しぶりの全開状態だったと思います。とても楽しめました。

ショーは傑作だったと思いますが、ミュージカル、お芝居では、まだ真風さんの本領が発揮された名作と呼べるようなものは出ていないように思うのです。
ぜひ、観客を感動の渦に巻き込んで、「真風さんといえばあの作品」というような大きな演目を望みたいです。次回、期待しております。

 

2020/01/21

「良心をもたない人たち」を読んだ。

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『良心をもたない人たち/マーサ・スタウト著、木村博江訳(草思社文庫)』を読みました。

[良心をもたない人]っていうのは、いわゆる“サイコパス”と言われている人のこと。
その研究本です。

サイコパスには、

・口の達者さと表面的な魅力がある

・ふつうの人より刺激に対する欲求が強く、結果として社会的、肉体的、経済的、法的にリスクを冒すことが多くなる

・共通して病的に嘘をつき、人をだます

などという特徴があり、さらにぞっとするほどの冷たさを感じさせる

などという特徴があげられていました。

調子が良くて、人を“おだて”て自分は何もしないが、人にやらせてしまう。
リスクを恐れず、何の良心も持たないので、けっこう人生の成功者となっている人も多いというのです。・・なんだか思い当たりそうな人がいる・・あなたもそんなふうに感じる人いませんか?!

サイコパスは、愛情などというものが何であるのかなんてまったくわかりませんが、うまく立ち回るため、単なる欲望のため結婚して子をもうけたりします。
でも、配偶者にも子供にも何にも感じていません。何の感情も持ち合わせません。・・おっそろしい。
これが世界の人々の4%を占めているという話です。

努力をつづけることなんて、絶対にあり得ず、組織的に計画された仕事はいやがる。
現実世界で手っ取り早い成功を好みます。
でもって自分にしか関心がないのです。

この本を読んでいると、サイコパスの実例がいくつもあげられていますが、周囲の人はサイコパスだということに気づかずに結局最後までいってしまうことが多いようです。
まさに周囲にいる人達には“ご愁傷さま”ってことです。

「人の心の動きを理解する能力に欠けて」いて、でもだからこそ、たいていは人々を蹴落として社会的地位を得たりする人が多いんだそうです。
いやだなぁ、なんて思いつつ読んでいると、憎しみに燃えた自分の部下たちに追い詰められて失墜した独裁者のように、サイコパスはその中でも頭がいい者でさえ、近視眼的で、驚くほど世間知らずで、やがては退屈や経済的困窮や銃弾などで姿を消していく・・となっていて、少し溜飲が下がったというか、ホッとしました(^_^;)

これを読んでいて、ひょっとしてあの人は「サイコパス」か?!っていう人の顔が何人か思い浮かびました。
人生長いことやっていると、何人かは出会っていたのかもしれません。

サイコパスというものの概念が少しわかったので、これからはサイコパス的な人に近寄られたときの対応が今までよりはうまく出来そうです。

・・「良心」を持った人でありたい、とあらためて思った次第です。

 

2020/01/19

宝塚歌劇・花組・柚香光さんのトップ・プレお披露目公演見てきました。

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宝塚歌劇・花組東京国際フォーラム公演「DANCE OLYMPIA -Welcome to 2020-」を見てまいりました。
この公演は花組の新トップスター柚香光(ゆずか・れい)さんの大劇場公演前の“プレお披露目”公演になります。
もちろん、華優希(はな・ゆうき)さんとのトップ・コンビのお披露目でもあります。

会場に入ってすぐに気づいたのですが、いつもより圧倒的に女性が多いと感じました。
もともと宝塚歌劇は会場に男性が少ないのは当たり前なのですが、近年はそれなりに男性客も多くなってきていて、でも、明らかに女性比率がいつもより高い、と感じました。

それに事前リサーチをしていなかったのですが、会場で売られている専用タオルを使って観客も一緒になってダンス!という企画もあって、もう客席に着くなりそれがうれしくてたまらない・・という雰囲気の方が周囲に多数!!

みんな柚香さんに夢中!という感じなのです。こういう場合は、もう何をやっても“ウケる”状態です。

一幕のストーリー的な展開が入ったショーと物語が半々みたいな企画ものは、それなりに楽しめましたが、でも一幕が終わって休憩のロビーでは多くの人が「泣いた、泣いた、もう涙が止らない」と話していて、特に悲しいシーンなどもなく、コメディ的な物語だったのに涙が止らない・・っていうのは、柚香さんがトップとしてステージで輝いているのを見てのことなのでしょう。

たしかに、柚香さんは現在の五組のトップスターの中でもビジュアルは群を抜いています。またどんな衣裳を身にまとっても抜群に似合い、光輝いて見えます。今回ももちろん!
というわけで、会場の女性達は目がハートになり、あっちの世界に連れて行かれています。
男の私は、いつもなら“おばちゃん”として見ているのですが、今回はやや“引き気味”…( ̄O ̄;)

柚香さんは自分の魅力がどこにあるのかよくわかっていて、さりげなく演じたり、ダンスをしていても観客は“ぐっ”と引き寄せられるのです。客席で見ていて、それがよくわかりました。
また、相手娘役の華優希さんは柚香さんへの“寄り添い方”が実にそんなファンにとって理想的な健気さと、相手役としての誇りも併せ持っていて、この二人をコンビにしたのも納得、という感じがしました。

二幕の「ショー」に特化した方は、後半に向かうにつれ、ヒートアップしてきて、花組の“熱さ”と“艶やかさ”、そして“実力”“層の厚さ”がステージいっぱいに広がり、観客を圧倒していました。

また、柚香さんとは同期の男役・水美舞斗(みなみ・まいと)さんの活躍が、よりこの演目を良いものに、そして柚香さんをトップとして輝かせる形になっていました。
この演目のMVPは水美さんじゃないかと思います。

今年は、花組100周年に当たるということで、過去の花組の代表作の主題歌を特集するシーンもあり、私が宝塚を見続けるきっかけとなった「テンダー・グリーン」の『心の翼』も全員で歌われていました。その頃、柚香さんはまだ生まれていなかったと思われますが、きっと天国のなつめ(大浦みずき)さんも会場のどこかで見守っていてくれていたんじゃないかと思います。

結局、柚香さんのまぶしいようなトップ・スターとしての姿と、うっとりする女性観客達に圧倒されて、あれよあれよという間に舞台は終了。
冷静な判断が出来ぬままに会場をあとにすることに・・なりました。

 

2020/01/16

「絶望名人カフカの人生論」を読んだ。

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『絶望名人カフカの人生論/頭木弘樹著(新潮文庫)』という本を読みました。

この本は、あの「変身」や「審判」「城」などの作者。不条理主題のシュルレアリスム作品群を残した『カフカ』が遺した言葉、日記、手紙、ノートなどの膨大な文書の中から彼らしい「絶望」について書かれたものを[編訳]の「頭木弘樹」氏がピックアップし、それぞれにコメントを加えたものです。

驚くのは、カフカは自分の身の回りに起こるすべての事、身体に起こるすべての事、親や会社の人達、恋人とのことについても全てが全てに“絶望”しております。

良いことが起こっても、悪いことの前触れのように脅えます。

この本で幾度も恋人にあてた手紙が紹介されていますが、フェリーツェという恋人とは二度婚約をし、二度婚約破棄をし、その後の恋人ミレナとも一度婚約をし、またもや婚約破棄をしています。
結婚後のことを考えると絶望ばかりが襲い掛かってくるようです。
子供をつくるなんてことも、その子とどう接したらよいか、自分という最悪の人間に似ていたら見捨ててどこかに行ってしまうしかない・・というような、結婚や子を持つということに関しても全く“よろこび”のようなことは微塵も感じないのでした。

細くて虚弱なのに、外部にあるものを口に入れる恐怖も手伝ってほとんど生きて行くのにやっとくらいのもの、しかも粗末なものばかり食べています。
暖房すると空気が悪くなり、身体に悪いからといって、冬でも窓を開け、暖房せずに、窓辺に寝ていたそうです。・・・だから早死にしたんじゃないの(^_^;)と言いたいくらいです。

自分が受けた教育は“害毒”であったと断言し、「非難されたとしてもぼくは聞く耳を持たない」と、頑なです( ̄O ̄;)

仕事でさえも、耐えがたいものだと言い、自分の唯一やりたいこと、唯一の使命と思っていた文学の邪魔になる、と怒っています。
「ぼくは文学以外の何ものでもなく、何ものでもありえず、またあろうとも欲しない。だから、勤めがぼくを占有することは決してできない。」・・と、言いたい放題です。でもこれがカフカ。

これら残された文書は、カフカの友人がカフカから亡くなる前に「焼き捨てろ」と言われたにもかかわらず、努力して断られ続ける出版社を何社も巡り、やっと出版に漕ぎ着けたもので、この友人がいなければあの名作を私達は読むことができなかったわけです。それに、カフカは焼き捨てろといいつつ、本当は逆のことをしてくれると思っていたような気がする。

恋人の手紙も、その恋人が結局別の男性と結婚したが、子を残したまま亡くなってしまい、女手ひとつで子を育てるためにそれを売ることになってしまったとのこと。
最後まで手紙を売らないと、頑張ったようですが、でも背に腹はかえられないということだったようです。

上記のようなことなどを含め、カフカの文書は未完のものが多かったにもかかわらず、世に様々なものが出ることになり、やがて私もその一端にふれることになったわけです。

でね、・・絶望ばかりが書かれているのに、私も小さい頃から今に至るまで、絶望と同居してきたような人間(誰もが小さなカフカであるような気もするのです)であるのに、カフカの救いようのない文を読むと・・不思議と元気が出てくるのです。
これはどういった理論でそうなるのか。

結局、ささやかでも、つつましやかでも、生きて行く元気が出て来たのです。
あら不思議。

 

2020/01/14

中古のスピーカーが意外と力を発揮してうれしい!

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このあいだの休日に出かけて買い求めた中古のスピーカー。
マランツの10㎝径のフルレンジスピーカーでバスレフ型、定価は3万8千800円を5千500円と書いてありました。
傷みもなく、帰宅して鳴らしてみると、意外やいい感じじゃありませんかd(^_^o)

今までは BOSE と JBL のスピーカーを使い分けて聞いていたのですが、marantz はとても“さっぱり”として“虚飾なし”の乾いた音でした。
なので、大きな音でも小さな音でも疲れることなく長時間聞いていることができます。
アタック感が良く、歯切れもいい!
しかも各楽器がどこでどう鳴っているのかがよくわかります。こりゃいいもの手に入れたと喜んじゃいました(^-^)/☆

見た感じからすると、たぶん喫茶店やカラオケBOXなどで業務用に使われているものなんじゃないかと想像いたしました。

 

 

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現在のアンプはスピーカー接続は2台までしか出力端子が無いので、このあいだの物置引っ越しの際に以前使っていた audio-technica のスピーカー・セレクターを発見して確保しておいたので、早速それを使い三台目のマランツを接続いたしました。

これでしばらくはいろいろな音源をマランツで試し聴きするという、ささやかな楽しみができました。
聞いていると、ポップスや60年代頃のR.ストーンズのような音がとても相性良く鳴るようです。それにJ-POPといわれるようなサウンドも。

いい大人のおもちゃになりました。(*^_^*)

 

城山三郎さんの「無所属の時間で生きる」を読みました。

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『無所属の時間で生きる/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。
ちょっと前のこのブログで同じ城山さんの「そうか、君はもういないのか」をご紹介しましたが、この本でも城山さんの人生、仕事に対する真摯で誠実な態度は変わりません。

特に城山さんが還暦になったときに書いたメモが出てきた話が書かれていましたが、そのメモは私にも参考になりました。
そのメモを掲げて、私なりのコメントを添えます。

1. 年齢に逆らわず、無理をしない。

  これは昨年自身が倒れたことで身に染みました。以来、無理は極力避けるようにしています。そうしない人が体調不良の“どつぼ”にはまってしまうのだと思います。


2. いやなことはせず、楽しいことをする。

  これも今までは楽しいことをあと回しにして、仕事の進行状況によって家でもいろいろやっていました。が、もうそんなことしません。人生終盤戦にきているのだ、音楽、読書、観劇を中心に楽しいことをいっぱいやります(^-^)/☆


3. 睡いときに寝、醒めたら起きる(昼夜を問わず)好きな物だけ食べる。但し午後八時まで。

  これはまだあまり実現できる環境にないので、仕事を完全引退したら実現したいと思います。でも、“好きな物だけ食べる”っていうのはちょっと無理みたい。


4. 義理、面子、思惑をすてる。つまり、省事で通す。

  これも難しいけど、仕事上の関係の人には今までがほとんど捨てることが出来ずにおりましたが、今や7割以上捨てている感じになりました。私的な生活上はこれから考えるってところです。


5. 友人をつくり、敵を増やさない。

  仕事上はもう敵をつくるような環境にないので、その心配はなし。友人は適度に私生活上で増えているのを実感します。まあいい感じd(^_^o)


この本は、城山さんの“無所属の時間で活きる”基本的な姿勢と、その仕事ぶりが書かれていました。読んでいるだけで「こういう充実した仕事と生活を目標にしたい」と思いました。いい読書になりました。

 

2020/01/13

映画「フィッシャーマンズ・ソング」を見ました。

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映画『フィッシャーマンズ・ソング -コーンウォールから愛をこめて-(Fishermans Song)/2019年・イギリス 監督:クリス・フォギン 出演:ダニエル・メイズ、ジェームズ・ピュアフォイ、デビィッド・ヘイマン他』を妻と見てまいりました。

英国のコーン・ウォール地方の港町を旅行していたレコード会社のマネージャー、ダニーが主人公。
偶然漁師たちの浜辺ライブを見て、一緒にいた上司が、からかって「契約した方がよい」と言ったのを真に受けて、その小さな港町に居残り、全力で説得し、スカウトするという・・信じられないような展開から始まりました。

まったく相手にされず、むしろ敵意むき出しのフィッシャーマン達に翻弄され、さらに港町にいた子持ちバツイチの女性に好意を持ち、ますます港町から帰ることができなくなる主人公。

“嘘から出た誠”っていうか、漁師達をスカウトする中で、その「フィッシャーマンズ・ソング」に魅了される主人公。
そしてバツイチ女性にもぐぐっと惹かれることになり・・、物語はコーンウォールの港町ポート・アイザックの人々と主人公の、人と人の物語へと進展します。

 

 

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やっと契約に漕ぎ着け、ロンドンに売り込みに行ったが相手にされず、でもたまたま出たテレビでのフィッシャーマン達の失態が YouTube で話題となり、何百万回の再生回数を獲得したのちにデビュー決定!

でも、その後も誤解、諍いがあり、ラストに向けて人間ドラマの究極的なシーンがやってきます・・そこは映画を見て感動を味わってくださいd(^_^o)

フィッシャーマンズの歌も、気骨も素晴らしかったし、主人公と港町の女性の愛の物語もよかった(゚ー゚*)。oO

とってもいい映画でした。
妻は「もう一度見に来る」と言っておりました。
大きな映画館でやっている娯楽大巨編映画よりずっといいこの映画、見て損は無いです(^-^)/☆

 

2020/01/12

あらたなジャズ・スポットを見つけた

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写真は千葉市緑区あすみが丘東にある「Cafe Relaxin'」です。
“リラクシン”と言えばマイルス・デイビスの有名なアルバム・タイトルと同じ。
そして実際に妻と行ってみたのですが、まさにジャズの音と共に“リラックス”できるような空間でした。

このお店は、いつもこのブログに登場する私の中学時代の担任の先生から教わりました。
先生のご自宅からは40キロは離れているのに、先生の“アンテナ”は、あちこちに張り巡らせてあるようです。お友達もたくさんいて、いろいろ情報を与えてくれるのだと思います。

 

 

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11時から15時までの部と、17時から22時までの部で開店されているとのことで、調べてみると食事もできるらしく妻を誘って夜の部に出かけてみました。

入り口を入るとマスターが出て来てくれて、靴を脱いでスリッパに履き替え、まさにお宅を訪問するかのような“リラックス”空間になっていました。

昼の部では、オンケンの自作スピーカーでジャズ以外も掛かっているらしく、夜の部ではガウスというすっごい迫力のスピーカーでジャズを流しているそうです。
室内の天井が湾曲していて、しかもすごく高くて、音響に大きく影響しているのを感じました。
音量はよくあるジャズ喫茶ほど大きなものではありませんが、アナログ盤の黄金時代のジャズが“悠々”と鳴っていました。

実に深い音です。
しかも本来の実力を控えめにしておいて、だからこその余裕あるまさにレコード盤の“演奏”になっていました。

 

 

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食事も珈琲も美味しく、「またいいところ見つけちゃった」(*^_^*)という感じです。

完全なリピーターになるであろう状態でお店をあとにしました。
今度は昼の部、オンケンのスピカーでの“演奏”、聞いてみたいと思います(^-^)/☆

 

2020/01/08

「どうぶつ友情辞典」を読みました。

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『どうぶつ友情辞典/あべ弘士著(角川文庫)』という本を読みました。
著者は旭川生まれの絵本作家で、1972年から25年間旭山動物園の飼育係としてゾウ、ライオン、フクロウ、ゴリラなどを担当した方です。
動物たちは「友」という著者の動物への友情あふれるエッセイとなっていました。

さまざまな動物について取り上げていますが、その動物に因んだ「ことわざ」「慣用句」「伝説」「つくり話」なども散りばめ、楽しい本になっていました。
それに動物への愛情がとても自然に感じました。

ゴマフアザラシの赤ん坊の飼育担当になったときの専用ミルクがなくて苦労した話・・結局肉食獣用のミルクで育てたが、乳成分がアザラシには足りなくて死なせてしまう・・。
そののち、海獣用粉ミルクが開発されることになった話には、元気で泳いでいたアザラシの赤ちゃんの様子も書かれていただけに、しんみりとしてしまいました。

動物園で夏休みに子供達を集めて「サマースクール」を行い、保育実習の中でゾウの一日のウンチの量を実際に測ってみた話も驚きました。

スケッチもして、においもかごう!などとやりつつ、計りに乗せてウンチの重さを測り、ものさしで長さを測り、一日子供達と測定。
一日に80キロものウンチが出ることもわかりました。

よく、おしどり夫婦なんて言うことがありますが、夫婦愛の鑑と言われるオシドリのオスが「オシドリ舎」で取っ替え引っ替え雌とデートしているのを著者が目撃する話もありました( ̄O ̄;)
巣箱から出て来たと思ったら、今度は向かいの巣箱に入っていくオス・オシドリ(^_^;)・・ま、人間も同じようなヤツがいるのでなんとも言えないですけど。

でも、ワシやタカは、一生伴侶をともにするらしいんですね。
片割れが死んでも再婚しないやつもいるらしいです。エラいっ!(*^_^*)

そんなこんなで、虎やキリン、各種鳥類から蝉やとんぼなどの虫、なまずやカワウソ、うさぎ、きつね、狼、牛、羊、犬、猫までなんでもござれの豊富な話題、楽しく動物話を読むことができました。

 

2020/01/07

アビーロード50周年記念盤、いよいよ「セッションズ」のCD二枚に突入!【2/2】

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では、前回に続いてセッションズの2枚目に突入します。

CD THREE Sessions

1.COME TOGETHER(Take 5)

もう曲はかなり固まってきた感じに聞こえます。
独特のポールとリンゴのプレイも既に出来上がっています。
ジョンはまだシャウトしたり、声が裏返ったり、歌い方を探しているのかもしれません。
演奏が止ったときに、ジョンが本編には無かった歌詞を言ってちょっと笑ったりしています。次々といろいろな歌詞が頭の中に浮かんで来るのだと思います。


2.THE END(Take 3)

せぇので、あの演奏に飛び込んでいく様子が録音されています。
ここでもリンゴのかなり開いているハイハットオープンの音があまりにも素晴らしい。
まだまだ未完な感じの演奏でした。


3.COME AND GET IT(Studio Demo)

アンソロジーにも入っていたバッド・フィンガーのためにポールが作ったデモ・テープでの演奏。
もうすでに完成していて、このままシングルカットすればヒット間違いなしの状態(^_^;)
で、「このとおりに演奏しろ」とテープを渡されたら・・ふつうやる気なくなっちゃうと思うんだけど、バッド・フィンガーエラいっ!!


4.SUN KING(Take 20)

あのけだるい感じはこのテイク20の段階ではほぼ完成しています。
ギターフレーズもレコードのまんま。
まだボーカルを本格的に入れる前の状態です。


5.MEAN MR.MUSTARD(Take 20)

こちらもボーカルはまだガイド的に入れているような段階。
演奏はほぼ完成形。
ベースにもエフェクトも掛かっていて、本編と変わりない感じです。


6.POLYTHENE PAM(Take 27)

ポールの指示により、この曲に突入する感じを皆で共通理解し、ものすごい勢いで曲を始めます。
今回の本編リミックスもこのくらいの勢いとドタバタ感でやってみたら良かったのにd(^_^o)と思いました。


7.SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW(Take27)

続いてこの曲に突入し、勢いはそのまま!
ギターの音色もいいし、リンゴのプレイも冴えているし、ビートルズのバンドとしての良さがもろに出ているように私には感じました。


8.BECAUSE(Take 1-Instrumental)

ボーカル無しのインストゥルメンタル・バージョンです。
ボーカルが無いとあの荘厳感は出ないのですね。
たぶんシンセサイザーと思われる音のキーボードも本番そのままで入っていて、アレンジ、サウンドづくりのうまさを直に感じました。


9.THE LONG ONE(Trial Edit & Mix -30 July 1969)

「ユー・ネヴァー・・」以降のメドレーがトライアル・エディットとクレジットされていてコーラスが異なる部分にも入っています。
ほぼ本番のアビーロードと変わらない感じ。ポールのボーカルは割りとラフな感じに聞こえる。コーラスはかなりはっきりと聞こえます。
「サン・キング」への繋ぎ部分が異なっています。

「ミーン・ミスター・マスタード」は、かなりワイルドで、ベースもブイブイいってて、私好み。
そのあとが「ハー・マジェスティ」になっている当初のバージョンで、それから「ポリシーン・バム」に突入しています。これもけっこう自然な流れに聞こえる・・(^-^)/☆
間奏のカウベルなどが新鮮だ!

「シー・ケイム・イン・・」は、あの怒濤のドラムで入って行かない!!!
でも、途中からあのドラムパターンになっている。ここでもサウンドはワイルド感満載。
で、「ゴールデン・スランバーズ」に入って行く。これはオリジナルと同一な感じだが、ポールのボーカルが異なっています。オーケストレーションもまだ入れていません。
「キャリー・ザット・ウエイト」の強力コーラスは、生声っぽい録音です。
ここでもオーケストレーション無し。

「ジ・エンド」が始まり、掛け声的ボーカルは入っていない。
リンゴのドラム・ソロはそのまんまです。ドラムの録音が素晴らしい。
三人のギター合戦はまだダビングされておらず、オーケストラも無し。

・・最後の「ハー・マジェスティ」はすでに演奏されているのでここで終わりです。
けっこうこの長いメドレーは衝撃的でした。この“長い”編集は、本来アルバムのどの部分であったのか、というのも気になります。

でねぇ、ラジオ番組「ビートルズ10」で話題にあがったアルバム添付の資料写真37ページにあるマスターテープのレコーディング・シートには、A面一曲目は「ヒア・カムズ・ザ・サン」で、二曲目は「ビコーズ」。三曲目以降がこのロング・メドレーの曲順になってるんすよ( ̄O ̄;)えぇってなもんでしょ。
でもってB面は現在のA面と同一曲で、「オー・ダーリン」と「オクトパス・・」の曲順が入れ替わっています。
なんてこったい!
最終的にビートルズが聞き直して現在の状態になったんだと思いますが、けっこう驚愕の事実ですねぇ(゚ー゚*)。oO


10.SOMETHING(Take 39-Instrumental-Strings Only)

これは「サムシング」のオーケストラ部分のみの録音です。
これほどクリアーな状態で聞くと、これだけで完成された曲みたいに聞こえます。
いやもう、うっとりです。


11.GOLDEN SLUMBERS/CARRY THAT WEIGHT(Take 17-Instrumental-Strings & Brass Only)

そして、さっきのロング・メドレーでは入っていなかった部分のオーケストラのみの録音です。
こちらも壮大なオーケストレーションで、まるで映画音楽みたいです。
ジョージ・マーテイン渾身のスコアじゃないでしょうか。素晴らし過ぎっ!'(*゚▽゚*)'

以上で、セッションズの2枚目の感想を終えます。
けっこう発見もありましたし、驚きを感じた部分もありました。
新年早々ビートルズを新鮮に聞くことができました。

 

2020/01/06

アビーロード50周年記念盤、いよいよ「セッションズ」のCD二枚に突入!【1/2】

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年始一発目に、アビーロード50周年記念盤、リミックス盤本編を聴いてみましたが、これからデラックス盤に附属していた「セッションズ」の二枚を聴いてみます。
例によって、様々な出版社から発行されている解説本などには目を通しておりません。
私が聴いたままの感想を書き下ろします。
では、スタート!
まずはセッションズの1枚目から。

CD TWO Sessions

1.IWANT YOU(She's so heavy)(Trident Recording Sessions & Reduction Mix)

まだ手探り状態の段階のようです。ジョンがいろいろと指示をしている様子が窺えます。
ジョージが一生懸命にギターのフレーズを何度も弾いていい感じのギターを作り出そうとしているのも後ろで聞こえます。
けっこうジョンの声はかすれていたりする部分があります。

途中からリダクション後のオーバー・ダビング以降の状態が入っているようです。
ポールのベースは早くも完成形に近いところまで持って行っていて驚き。
リンゴのドラムも落ち着いたプレイで、完成形にかなり近い。
おおっ、聞いたこともないギターの泣きのフレーズがあの盛り上がり部分で入って来ました。ちょっとそのギターやり過ぎな感じがするし、キーボードもやり過ぎな“大袈裟”感が漂っています。

最後の盛り上がり部分のところでドラムとベースが演奏をやめてしまいます。
で、ここが“みそ”だけど、本番オリジナル・バージョンのラストが突然に消えますが、その部分がこのドラムとベースが演奏をやめる部分になっています。
ってことは、ラジオ番組「ビートルズ10」でも言っていましたが、ジョンの動物的感覚で突然演奏を切ったわけではなかったってこと?!通説が覆るようなテイクが収録されている・・ということですよねぇ・・。


2.GOODBYE(Home Demo)

ビートルズの作ったアップル・レーベルが抱えていた女性歌手、「メリー・ホプキン」に提供したポールの曲のポールによるデモです。
当時、私はこの曲が大好きでした。日本でも洋楽ヒット・ベストテンの常連曲であったと記憶しています。
メリー・ホプキンは、当時まるで“女ポール・マッカートニー”みたいでした。
このポールの歌い、弾くバージョンもなかなか良いですd(^_^o)


3.SOMETHING(Studio Demo)

ジョージがギターを弾きながら素朴な感じで歌っています。
他の楽器はピアノが入っているくらいです。
この段階で早くも名曲の風格が漂っているように感じます。
サビのところでのバックのオーケストラの演奏もピアノによって既にそのフレーズが弾かれていたことがわかります。


4.THE BALLAD OF JOHN AND YOKO(Take 7)

「ジョンとヨーコのバラード」は、この時期に録っていたのか。
ドラムはポールが叩いているのは周知の事実ですが、レコードでのプレイとは異なり、オンタイムというか、あの独特の“ちょっと遅れている”感じがありません。
当然ですが、フィル・インも異なっています。まだ初期段階なのでしょうが、ポールのドラムにはミスとか、迷いが目立っています。
ジョンのボーカルは喉の調子も良さそうで、快調な感じ(*^_^*)です。


5.OLD BROWN SHOE(Take 2)

この曲に関しては、ベースとドラムを誰がプレイしているのか世間的には謎とされているようです。
でも、ジョージがこのように歌って演奏が同時進行しているのを聞くと、ベースはジョージではなかったわけですよね。
やはりベースはポールか。
そうすると、これだけのドラムが叩けるのはリンゴ以外にはポールしかメンバーにはいないわけですから、ドラムはリンゴという・・当たり前の結論になっちゃいました。
でも、解説文にはドラムはポールだと記載されているみたいで、私にはそうは思えない難しいプレイだと思うんですけどね・・。
テイク2の段階で、演奏はもうかなりいい感じに仕上がっています。ドライブ感が素晴らしい。


6.OH! DARLING(Take 4)

まだポールが喉を潰していない初期段階のもののようです。
けっこう高らかに歌ってます、ポール。聞いているところによると、何度もスタジオに通い、この曲用に喉を徐々に潰していったらしいので、ポールの“喉つぶし作戦”は結果的にこの曲にぴったりの成功だっと思いました。
ラストの方に来て、シャウトが強くなってきました。いよいよ喉を潰した方がいいのかな、などと思い始めた頃なのでしょうか。

 

 

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7.OCTPUS'S GARDEN(Take 9)

ジョージのギターフレーズは本編で聞いたことのないものも入っていて、楽しい。
ドラムの音がけっこう大きく入っていて、リンゴのハイハットやスネアの使い方もよくわかります。ジョージの笑い声になごみます。


8.YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY(Take 36)

ラウンジで演奏しているかのような、ちょっとリラックス感漂うものになっています。
リンゴのハイハット、ハーフオープンの音はドラマーの私には“極上”の音に聞こえます。
曲の骨格はもう出来上がっていて、細部をこれから詰めるような段階に聞こえます。
ここからあのような完全な状態まで持って行くのだと思うと、「やはりビートルズってすごい」とあらためて思いました。


9.HER MAJESTY(Take 1-3)

ポールの甘い声のボーカルがこんな短い曲にもよくあらわれています。
1~3までのテイクが入っていました。


10.GOLDEN SLUMBERS/CARRY THAT WEIGHT(Take 1-3)

まだオーケストラの入っていないバージョン。ピアノのイントロのあと、フール・オン・ザ・ヒルに入ったりしてふざけている様子も・・。
でも、さすがビートルズ、どんどん熱の入った演奏になってきて驚きます。


11.HERE COMES THE SUN(Take 9)

アコースティック・ギターの音がそのまんまという感じの段階。ジョージの声も生声です。
ベースとドラムがジョージの演奏に合わせて探りながら進行しています。
あいかわらず、ポールのベースフレーズは天才的にカッコイイ!
サン・サン・サンのところでのリンゴのドラムも段々出来上がっていく様子がわかります。
いやこりゃカッコイイ!!素晴らしいぞ、リンゴ'(*゚▽゚*)'


12.MAXWELL'S SILVER HAMMER(Take 12)

ポールの口で表現するドラムのリクエストに即座に応えていくリンゴのプレイがこれまた素晴らしく上手い。
ベースドラムの16分音符の入れ方も“心ニクい”、リンゴはやっぱりいいドラマーだ。
曲が進むに連れてどんどんリンゴのプレイも“ノって”きます。
で、ポールもごきげんな感じで歌い、プレイするのでした。

以上がセッションズの1枚目です。
次回は2枚目を聞いて感想をお伝えします。

 

2020/01/05

映画「だれもが愛しいチャンピオン」を見ました。

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映画『だれもが愛しいチャンピオン(Campeones)/2018年 スペイン 監督:ハビエル・フェセル 脚本:ダビド・マルケス 出演:ハビエル・グ・ティエレス』を見ました。

ストーリーは誰にでもわかり、共感が得られるような単純なものなのですが、これが逆に見ているこちらを物語の中に没入させるのです。

プロ・バスケットボールリーグの元コーチ(不祥事を起こして解任された)が主人公。
判事から、社会奉仕活動をするよう命じられ、ハンディキャップチーム「アミーゴス」の面倒をみることになったのですが・・。

知的障害を持つチームのメンバーを指導しようとしても、あまりにも自由でハチャメチャで、パスをすることを教えるだけでも気の遠くなるようなコミュニケーションが必要。

でも、彼らのふだんの仕事ぶりや、興味を持っていること、個々の性格・生活を知るに連れ、自分の中に今まで無かったものが湧きあがって来るのでした。

 

 

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チームの皆の純粋さ、情熱、ユーモア、そういうものにふれた主人公のコーチ、マルコはドタバタながらも全国大会に出場。
次第にチームとしてもまとまりはじめ、快進撃となります。

また、そのコーチ、マルコの奥さんとのすれ違い状況がチームの活躍と共に修復されていく様子もこの映画の見どころ、泣かせどころになっています。

ラストシーンは意外だが、あまりにも感動的で、不覚にも涙が頬をつたいました。

とてもいい映画、人間が好きになる映画でした。
新年早々、“おすすめ”作品です!

 

2020/01/04

【はっPのアナログ探訪_0156: LAW AND ORDER / LINDSEY BUCKINGHAM ( LP )】

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久しぶりにこの「アナログ探訪」をいたしました。
今回は、リンジー・バッキンガムの「ロー・アンド・オーダー」です。

リンジーといえば、フリートウッド・マックがアルバム「ファンタスティック・マック」、「噂」で大ヒットを飛ばし、その後もツアー、ライブ盤発売、などを経て不動の地位を占めた立役者です。
それまでの、地味なブルース・バンドのイメージをボーカルのスティーヴィー・ニックスと共に吹き飛ばし、一気にメジャーなバンドになった感があります。

このアルバムはリンジー初のソロ・アルバムとなっていますが、フリートウッド・マックでお馴染みのリンジーの雰囲気、曲調、演奏がより色濃く反映されているように感じました。

今聞いても彼のギター含めサウンド全体が非常にクリアーで明るく、ポップでもあり、ロックな“ノリ”も充分あって、とても聞き易いアルバムになっていました。

 

 

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私も何十年ぶりかで針を落としたのですが、そのフレッシュさは変わらないと思いました。

バンドがいったん大成功した後に、スティーヴィー・ニックスやミック・フリートウッドもソロ・アルバムを出しましたが、どれもそれぞれのアーティストの持ち味が存分に発揮された良いアルバムでした。
そして、このリンジーのアルバムも。

フリートウッド・マック大成功の前にバンドから離脱したボブ・ウェルチもこの頃、ソロ・アルバムを出していましたがそれも成功し(日本でもロッキン・オン読者の特に女子にウケていた)、フリートウッド・マック・ファミリーが我が世の春を謳歌していたような気がします。

“にごり”の無い、美しいボーカルとギター、テンポの良いリズムが素晴らしい好アルバムでした。

 

2020/01/03

ジョン・コルトレーンの「BLUE WORLD」を聞いてみた。

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前々回のブログでビートルズの「アビー・ロード」50周年記念盤の試聴感想をお伝えしましたが、そこに入っていた「セッションズ」の別CD2枚は後日試聴して、またお伝えします。

今回は、ジャズのテナーサックス奏者、「ジョン・コルトレーン」のアルバムを試聴しましたのでその感想です。

昨年、「ロスト・サウンドトラック・テープ」として発見され、発売されたジャズの巨人、ジョン・コルトレーンの「BLUE WORLD」というCDが気になり、年末に何とか捻出した予算でアビー・ロード記念盤と共に購入いたしました。

一昨年にもコルトレーンの奥さんが複製を保管していた未発表のテープが見つかり、CDとして編集され発表されましたが、二年連続で未発表音源が世に出たわけです。

今回のCDは、前回と異なり、曲としては既に録音されたことのあるものなのですが、この録音のテイクは未発表のもので、かなりマイナーでマニアックな当時の映画のために録音された未発表音源のテープなのです。

インターネットが普及し、動画サイトなどでその映画にふれることが簡単にできるようになった現在、「あれっ、この曲の録音は既発表のものとテイクが違う!?」と気づくことに時間はかからなかったようです。

そして「音源があるはず」、となり発掘されたもののようです。

1964年6月の録音で、あの名盤「至上の愛」が録音される直前のものらしいです。
メンバーは、コルトレーンと、ピアノのマッコイ・タイナー、ベースのジミー・ギャリソン、ドラムのエルヴィン・ジョーンズというコルトレーン史上最強のメンバーと言って良いでしょう。

聞いてみると、実に充実しています。
当時、このままアルバムとして出しても、かなりの評価を得られたと思います。

コルトレーンの味わい深いサックス・プレイは力感もあり、絶頂期そのものです。
しかも、映画音楽のためということもあってか、情感あふれる演奏となっています。

マッコイのピアノもうっとりするくらいの良さ、ベースのジミー・ギャリソンも独特のソロを演奏する見せ場があり、エルヴィンのドラムはまさに彼らしい様々なリズムパターンの叩き方で、コルトレーンの意図するところを汲み取った、他のドラマーにはないものを感じさせ、圧巻です。

これを新年早々からニュー・アルバムとして聞くことができることは、代え難い喜びです。

同じ曲の別テイクなども入っているのですが、それでもアルバム一枚通して聞いて、充実感、満足感の得られるいいアルバムだと思いました。

2020/01/02

初詣に行ってきました。

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今朝は早くに起きて家族で近くの氏神様にまずは初詣。
それから県内でも古いお寺に、毎年交通安全の祈願をしてもらっているので、お守りをいただきにあがりました。

それから、それから“隣の隣の市”にある大きな神社で妻の従兄弟が宮司をしているのでそちらにもお参りして、本堂に上がり、家族それぞれに新年のご祈祷をしていただきました。
私がお願いしたのは、『傷病平癒』でした。
昨年、突然の病に倒れましたが、何としても今年は治したいと強く願っているので。

 

 

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ご祈祷を終えて、甘酒を飲み、ほっとしたところで家族皆がおみくじをひいて喜んだり、がっかりしたりしているのを見て、それじゃあと、私もひいてみました。

結果は「末吉」でしたが、「身の煩いも散り失せ禍い事もなくなり旧の道を守って辛抱おこたらなければ幸福身にあまって家の内も明るく楽しく暮らされます。信神なさい。」
とありました。

「末吉」のわりには、とても良い内容じゃないですかd(^_^o)

[病気]の項目には、「なおる。信神せよ」とありました。
病は治りますね'(*゚▽゚*)'

【信神】します!

 

2020/01/01

新年を言祝ぎ、発売50周年記念盤「ABBEY ROAD 2019MIX」を聴いてみた。

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あけましておめでとうございます!
昨年末に“なけなし”のお小遣いから捻出して買い求めましたビートルズの「アビーロード50周年記念盤」、新年を待って聞いてみることにいたしました。
なんか、さわやかで気分良さそうじゃないですか!d(^_^o)

何の資料も読まず、私が聞いた第一印象のまんまで書いてみます。
それでは。“書き下ろし”ってやつですか?!聞きながら書いちゃいます。


1 COME TOGETHER

いきなりポールのベース音が“太い”感じになっています。
リンゴのタムタムの音が“締まって”います。
曲の印象がビシッとタイトですね。・・緩いところが無い!
前面に出てくる押し出しも強いです。ジョンのボーカルは自然な感じで、あまり強烈に強調されているようなところはありません。
ギターもあざといような強調はされていませんでした。
リズム隊を引き締めたようですね。


2 SOMETHING

ジョージのボーカルが自然な感じ。奥に引っ込んだようなところがありません。
曲の雰囲気を大切に、ジョージのギターソロも“あたり”が柔らかく、優しい印象。
バックのオーケストラも妙な強調はされていませんが、包み込むようなふわっとした感じがします。


3 MAXWELL'S SILVER HAMMER

シンバルや効果音のハンマーの音は、シャキッとしている。
ポールのボーカルはあまりエコーなどの効果に頼らず、生音に近い感じがします。
リンゴのタムはかなりヘッドの“たわみ”がわかるほどのマイクが“寄って”強調している印象です。
途中で入るバックのコーラスは、かなり“クリアー”な音でした。
ラスト近辺のシンセサイザーの音もクリアーで音量アップしていました。


4 OH! DARLING

ポールのボーカルはスタジオで歌ったときの反響音も拾っている感じ。
リンゴのドラムは相変わらずタムが強調され、この曲ではスネアも“ズサッ”と刺さるような強烈さです。
でも、もっと強調したいであろうポールのベースはそれほどの強調はありませんでした。
けっこう、オリジナルに忠実な印象でした。


5 OCTOPUS'S GARDEN

私の大好きなリンゴの曲。
ポップで明るく、軽い印象の曲なので、無用なドラムの“ドカドカ”という強調は無し。
リンゴのボーカルはなんだか生き生きした感じですよ'(*゚▽゚*)'
曲調を崩すことなく、ポップで楽しいミックスだと思います。
生き生きしたリンゴの声に・・涙が出てしまいました(T_T)


6 I WANT YOU(She's so heavy)

ジョンのボーカルがこれまた自然。
キーボードも“ガツン”と強烈にするのかと思いきや、そんなこともなくニュートラルなまま。
ジョンのボーカルを生かして、全体の過激な感じはむしろ引っ込めているように感じます。
バックのコーラスもそんな感じ。しかもよく聞こえます。
ジャジーなギターソロも“ぬめっ”とした音で、尖った感じはしません。
この曲ではリンゴのタムタムの音も、他の曲と異なり、やや柔らかめな音で、アタック音の強調はありません。
ジョンのシャウトは、生音に近い感じで、あくまでそのボーカルを生かして聞かせるようにしていると思いました。
最後のホワイト・ノイズの“砂嵐”音は、レコードよりも耳障りが優しい感じに聞こえました。だから逆に、この曲の持ち味となっていた、気が変になるような殺気だった音とまでは聞いていて感じませんでした。(^_^;)


7 HERE COMES THE SUN

この曲も柔らかくて優しい感じになっています。
シンセサイザーの音もキンキンしていない。
ギターの音も美しい!
サン・サン・サン・・の繰り返し部分のドラムは、思わずドカドカ行きたいところですが、見事に抑制が効いています。
暖かい陽射しのような感じが良く出ていると思いました。


8 BECAUSE

冒頭のキーボードとギターは、オリジナルよりもキンキンしていない。
美しいコーラスもよりやわらかくて聞き易くなっていると思います。
でも、逆にひんやりとしたオリジナルの感じは薄くなっているかも。


9 YOU NEVER GIVE YOUR MONEY

イントロのピアノは自然な音。ポールのボーカルもあまり“いじって”いないように思います。
ベースの音はふくらみよりも、アタック音を生かしています。
リンゴのハイハットのオープン音は、非常にシャープ。リズムを刻むシンバルのピング音はやや控えめです。
タムタムはそんなに増幅されていないようです。スネアはタイト。
バックコーラスはよく歌詞が聞き取れて、素直なミックスに。


10 SUN KING

イントロのギターの音は、深みが出ています。スタジオでアンプから出ている音を聞いているよう。
コーラス含むジョンのボーカルは、ここでもやさしい感じです。
もともとふわふわとした曲ですが、それをうまく利用してミックスしている印象です。
ポールのベースも芯を抜いた感じで、柔らかめ。


11 MEAN MR MUSTARD

ボーカル、コーラスをよく聞こえるようにして、曲全体のテンポの良さを生かし、ワイルドな感じをよく抑えていると感じました。


12 POYTHENE PAM

これこそ、タムタムやスネアを“ドンスカ”やるのかと思っていたらそうでもないです。
生ギターも“ガンガン”とはやっていない (・_・;
もっと、ドタバタ騒々しくやった方がよかったと思うんだけど・・。


13 SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW

全曲から続きなので、似たような印象のミックス。
もっとタムの音をヘッドが震えるのを感じるくらいにしてもいいんじゃないのかな。
よく言えば理性が効いているが、悪く言えば、度胸が無い(^^;)


14 GOLDEN SLUMBERS

ポールのボーカルが美しい。ポール好みのナチュラルな音。
全体にきれいな曲に仕上げようとしていると感じました。


15 CARRY THAT WEIGHT

おぉっ、ここではリンゴのドラムが“ズコズコ”いっているじゃありませんか。
オーケストラは、ややエコーを効かせています。
ギターも強調気味。
ラストに向けてちょっとミックスしている側も気合いが入ったか?!
・・と、最後の強力なコーラスを聞いていて、涙がまた・・。


16 THE END

もちろん、リンゴの一世一代のドラム・ソロは、タムのヘッドが“ゆるゆる”と震えるのを感じるくらいの強調ミックスでした。右スピーカーが“ぶわんぶわん”いっとるぞ!
三人のギター・ソロ合戦は、強調するよりも、丁寧にギターの音そのものを生かしている感じでした。
最後の最後のコーラスもやさしい感じでした。


HER MAJESTY

これはまあ、普通かな(*^_^*)くらべるっていってもね・・。

というわけで、ニューミックス盤はここまで。次回は一緒に入っていた「セッションズ」の2枚についても取り上げる予定ですが、その前にジャズの「ジョン・コルトレーン」の録音で昨年発見された未発表テイク集のアルバムについてやるかも。・・それじゃまた。

 

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