ジョン・コルトレーンの「BLUE WORLD」を聞いてみた。
前々回のブログでビートルズの「アビー・ロード」50周年記念盤の試聴感想をお伝えしましたが、そこに入っていた「セッションズ」の別CD2枚は後日試聴して、またお伝えします。
今回は、ジャズのテナーサックス奏者、「ジョン・コルトレーン」のアルバムを試聴しましたのでその感想です。
昨年、「ロスト・サウンドトラック・テープ」として発見され、発売されたジャズの巨人、ジョン・コルトレーンの「BLUE WORLD」というCDが気になり、年末に何とか捻出した予算でアビー・ロード記念盤と共に購入いたしました。
一昨年にもコルトレーンの奥さんが複製を保管していた未発表のテープが見つかり、CDとして編集され発表されましたが、二年連続で未発表音源が世に出たわけです。
今回のCDは、前回と異なり、曲としては既に録音されたことのあるものなのですが、この録音のテイクは未発表のもので、かなりマイナーでマニアックな当時の映画のために録音された未発表音源のテープなのです。
インターネットが普及し、動画サイトなどでその映画にふれることが簡単にできるようになった現在、「あれっ、この曲の録音は既発表のものとテイクが違う!?」と気づくことに時間はかからなかったようです。
そして「音源があるはず」、となり発掘されたもののようです。
1964年6月の録音で、あの名盤「至上の愛」が録音される直前のものらしいです。
メンバーは、コルトレーンと、ピアノのマッコイ・タイナー、ベースのジミー・ギャリソン、ドラムのエルヴィン・ジョーンズというコルトレーン史上最強のメンバーと言って良いでしょう。
聞いてみると、実に充実しています。
当時、このままアルバムとして出しても、かなりの評価を得られたと思います。
コルトレーンの味わい深いサックス・プレイは力感もあり、絶頂期そのものです。
しかも、映画音楽のためということもあってか、情感あふれる演奏となっています。
マッコイのピアノもうっとりするくらいの良さ、ベースのジミー・ギャリソンも独特のソロを演奏する見せ場があり、エルヴィンのドラムはまさに彼らしい様々なリズムパターンの叩き方で、コルトレーンの意図するところを汲み取った、他のドラマーにはないものを感じさせ、圧巻です。
これを新年早々からニュー・アルバムとして聞くことができることは、代え難い喜びです。
同じ曲の別テイクなども入っているのですが、それでもアルバム一枚通して聞いて、充実感、満足感の得られるいいアルバムだと思いました。
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