「良心をもたない人たち」を読んだ。
『良心をもたない人たち/マーサ・スタウト著、木村博江訳(草思社文庫)』を読みました。
[良心をもたない人]っていうのは、いわゆる“サイコパス”と言われている人のこと。
その研究本です。
サイコパスには、
・口の達者さと表面的な魅力がある
・ふつうの人より刺激に対する欲求が強く、結果として社会的、肉体的、経済的、法的にリスクを冒すことが多くなる
・共通して病的に嘘をつき、人をだます
などという特徴があり、さらにぞっとするほどの冷たさを感じさせる
などという特徴があげられていました。
調子が良くて、人を“おだて”て自分は何もしないが、人にやらせてしまう。
リスクを恐れず、何の良心も持たないので、けっこう人生の成功者となっている人も多いというのです。・・なんだか思い当たりそうな人がいる・・あなたもそんなふうに感じる人いませんか?!
サイコパスは、愛情などというものが何であるのかなんてまったくわかりませんが、うまく立ち回るため、単なる欲望のため結婚して子をもうけたりします。
でも、配偶者にも子供にも何にも感じていません。何の感情も持ち合わせません。・・おっそろしい。
これが世界の人々の4%を占めているという話です。
努力をつづけることなんて、絶対にあり得ず、組織的に計画された仕事はいやがる。
現実世界で手っ取り早い成功を好みます。
でもって自分にしか関心がないのです。
この本を読んでいると、サイコパスの実例がいくつもあげられていますが、周囲の人はサイコパスだということに気づかずに結局最後までいってしまうことが多いようです。
まさに周囲にいる人達には“ご愁傷さま”ってことです。
「人の心の動きを理解する能力に欠けて」いて、でもだからこそ、たいていは人々を蹴落として社会的地位を得たりする人が多いんだそうです。
いやだなぁ、なんて思いつつ読んでいると、憎しみに燃えた自分の部下たちに追い詰められて失墜した独裁者のように、サイコパスはその中でも頭がいい者でさえ、近視眼的で、驚くほど世間知らずで、やがては退屈や経済的困窮や銃弾などで姿を消していく・・となっていて、少し溜飲が下がったというか、ホッとしました(^_^;)
これを読んでいて、ひょっとしてあの人は「サイコパス」か?!っていう人の顔が何人か思い浮かびました。
人生長いことやっていると、何人かは出会っていたのかもしれません。
サイコパスというものの概念が少しわかったので、これからはサイコパス的な人に近寄られたときの対応が今までよりはうまく出来そうです。
・・「良心」を持った人でありたい、とあらためて思った次第です。
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