大林宣彦監督が亡くなられた
映画監督の大林宣彦さんが亡くなられました。
大林監督作品で真っ先に思い出すのは、原田知世さん主演の「時をかける少女」。
SF作品なのに、日本人がもつ大切な心のようなものが胸にキュンキュンと迫ってくる作品でした。
尾道という大林監督の出身地であるロケ地の美しさ、そしてなぜか儚い印象のある素敵な場所。尾道三部作といわれる代表三作もこの地で撮られ、私は当時一気に作品と尾道の「虜」となり、後に現地へと出掛けてみました。
坂道だらけ、そして海の見えるあの風景は忘れられません。
冒頭のスキー場のシーンから一変して「時をかける・・」のテーマが流れる中、町の様子が映像として流れたときには体が震えるような不思議な感動がありました。
その後の大林作品も、どれもが人の心の中にある“さびしさ”や“愛おしさ”“よろこび”などをふと感じさせるものが多く、大好きな監督でした。
私も妻も森村桂さんの著書「天国にいちばん近い島」が好きだったのですが、大林監督はそれも映画にされました。
映画化されたこともきっかけとなり、森村さんが軽井沢につくった「アリスの丘のティールーム」に妻と出掛けたことを思い出します。
その日森村さんは不在でしたが、お店の若い方に「天国にいちばん近い島以来の森村さんの多数の著書のファンです」とメモを渡しておいたら、森村さんご自身から妻に電話をいただいた思い出もあります。
大林監督の「こころ」を大切にする作風が、こんな出来事に結びつけてくれたのかもしれません。
どんな人にもやさしく、おおらかで、はげましてくれ、作品も心温まるものばかりだった大林監督。
映画監督の中で一番好きな人でした。
ご冥福をお祈りします。
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