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2021/09/21

【仕事での人生上、いちばん悲しかった日/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №49】

20210919_meeting_room_001

過去に会った人、あった出来事についての回顧文シリーズ。
情報部門にいたときの悪魔のような上司が異動でいなくなり、でも大番頭の小魔王が昇格してあとに残ってからの話です。

私の仕事はいよいよ佳境に入り、本庁から各出先機関、施設、学校等を繋ぐネットワークの再構築、そして様々な回線を利用しているそのときの現状ネットワークを業務系のものも含めて統合し、バックアップ回線も整備する。
そのバックアップ回線の空きを利用し、VoIPを使い、新しいネットワーク上に音声を流し、主な出先との内線電話をネット上で繋いで無料化する。
さらに職員8千人以上が日常業務で使っているシステムと端末を新しいものに作り替えて、その操作研修を職員に対して行う。
さらにその運営上の要綱・要領の整備。また、新しいネットワーク及び端末上で所管課が現在動かしている約150のシステムを今までどおり稼働させる。大雑把に言ってこれがメインで進める仕事でした。

3月に人事異動の内示があり、私の班のメンバーも固まったことから班員を集め、それぞれに役割を振り、皆で「頑張るぞ~!」って集まって気合いを入れていた日のことでした。

夕方、5時間際だったかと思います。
大魔王の大番頭だった小魔王が私を会議室に呼び込みました。
そして、このあと長時間に渡って「監禁」。

私の仕事人生でも一番の悲しい出来事がこのあと起こりました。会議室には小魔王と二人きりです。

小魔王:「この4月からの一年、遊んで過さない?」

私:「えっ、どういうこと?」

小魔王:「あなたは名前だけネットワークシステムの長になって、仕事は私がやる。一年間、なんでもいいや、ヘルプデスクの女性を一人預けるから、パソコンいじって一年過してよ。それで給料貰えるなら“いい話”でしょ。」

私:・・・・無言。

(私の心の中 → 大魔王からの遠隔指令か?!懐刀(ふところがたな)のこの男を出世させたいんだろうな。 それにあの人、私のこと大嫌いだったもんな。 私が大きな仕事をするだけで許せないんだろうな。 断るのが普通だけど、このあとどんな嫌がらせをされ、一年間どんなひどい目に遭わされるかもわかったもんじゃない。話を飲むか・・。その方が心臓手術で痛めた身体にもいいかもしれない。)

すると・・

小魔王:「ちょっと待ってて、今からあなたの部下があなたにひと言あるっていうから一人ずつ入れるからね。」

で、ひとりずつ入ってきては入れ替わりに私に言葉をかけます。

私の班員A:「失礼します。〇〇さん、あなたの実力では、この事業は完遂出来ません。この仕事から降りてください。」

私:「ちょっと・・何言ってんだよ。さっき、皆で頑張ろうって話し合ったばかりじゃないの。」

私の班員B:「失礼します。無能な〇〇さん、あなたなんかにこの仕事は無理です。早くあきらめてください。以上です。」

私:「・・・・・。」

私の班員C:「実力不足の〇〇さん、誰もあなたにこの仕事が出来るなんて思っていませんよ。もう辞めてください。」

私:・・・胸が苦しくなり、悪寒がして体が震えだした・・・。

私の班員D:(もう、目を伏せていて私と目を合せない)「楽になった方がいいですよ。出来ないことはやらない方がいい。」

私:?!?!?!?!・・・・ははぁん・・。わかりました。私と班員との打ち合わせ後に私の班員のうち中心的な者を集めてこうしろとセリフを一人ずつ覚えさせたのね。

怒りがふつふつと湧き上がり、忍耐の限界を超え、腹が据わりました。

小魔王:「わかった?じゃこの話は飲むよね。」

私:「部下が入ってくるまでは、仕方ないから飲もうと思っていましたが、こんなことされて飲めるか。死んでも仕事はやる。私をこの部屋から出してくれ。」

小魔王:「そんなこと言えるのか。では、班員を二人減らすよ。そして、〇〇課で抱えて頓挫している新しいシステムの構築の仕事をもらったうえで増やす。たぶん仕事量は三・四倍になるぞ。それでもまだ断れるかな?」

私:「ありがとうございます。仕事が増えてやり甲斐が出来ましたよ。」

小魔王:「どんなことになっても知らんぞ。」

・・で、解放。

私が班員皆のところに戻り、

「仕事は降りない。断ってきた。班員は二人減らされ、仕事も増えるが、私は全力で頑張る。ついてきて欲しい。」

さっきの班員達:「申しわけありませんでした。あのセリフは全部あの人に覚えさせられ、言わされました。言うことをきかないとどうなるかわかってるか、と言われたもので。ほんとうにごめんない。」

私:「途中でわかったよ。もう、いいよ。明日から頑張ろう。」

というわけで、このあと一年は、大変な仕事量にもなり、様々な困難もあり、さらに小魔王の妨害工作を何度も受けながらも、事業は成し遂げました。

それについては、また書ければ書こうと思っています。

あらためて思うのは、そもそも大きな仕事を自分の手柄にしたいため、そして私個人への前の上司からの私怨のために、職員8千数百人、そして様々な関わりを持ってくる方々、数十万人が不便・支障を来すかもしれないような妨害をするって・・仕事をする者として、社会人として、人として、してはならないことです。

でも、世の中っていうのは、こういうことの中で回っているのだな、とあらためて深く感じました。

男って「“敵”を仕事上で殺しながら」生きていきます。また人の下に“ずる賢く”入り込んで自分の出番を秘かに待っていたりします。

そして、突然裏切って平気です。

私はどちらかというと、そういう男の闘いの場にも入っていない“雑魚(ざこ)”の部類です。
“こんなヤツ”ひねり潰しておくか、程度のものだったのでしょう。

「こんなことされて飲めるか。死んでも仕事はやる。」
私の言葉を聞いて相手は驚いたと思います。私は臆病で、言いたいことも言えない虫けらのような男だと思っていたと思います。

この言葉が出るまでの、部下からのひどい言葉を受けた気持ちなど、この相手には一生分らないでしょう。人にはそれぞれ心があり、家族もいて、日々細々と生活しているのだ、という想像も出来ないのだと思います。
自分が出世レースの真っ只中に常にいる人には、そんなことゴミのようなものでしょう。

こういう人がどんどんのし上がっていくのを、そのあとも私は見続けました。
今回私にこんなことをした人も、たいそうエラくなりました。

以上、思い出しただけでも悲しみと、怒りに震えますが、本日は、これにて。

 

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