忘れかけていたこと
岸田さんが首相になり、「あっそうだった」と忘れかけていたことを思い出しました。
記者から質問が出ると、そちらを向いて話を聞いています。
そして、いくつか質問を受けると、それらには答えています。質問をもらさないようにメモを取っているのも見ました。わざともらしてすっとぼけることもありません。
安倍さん、菅さんと長い長い期間私たち国民は付き合ってきて、首相というものは、追いすがってくる記者を無視し、虫けらのように扱うものだと“刷り込み”をされてきたのだと気が付きました。そういう光景しか思い出せない。
質問には答えない、目は記者を見ずにどこか中空を見ていて視線が定まらないのが首相かと思い込んでいました。特に安倍さん、菅さんしか首相を見たことのない子供達は首相とはそういうものだと思っていたことでしょう。
岸田さんがどういう首相になるのかわかりませんし、記者の質問に対する答えもいろいろと問題があるかもしれませんが、でも新鮮です。だって人の声掛けに反応する首相を見たのは何年ぶりでしょう。
あの夜に起きた千葉・東京・埼玉での大きな地震の時にも、官邸に入る時に目を合せて自分の言葉でしゃべっていました。そのとき原稿も無かったようで(^^;)、誰かさんのように覚えてきたことを話す感じじゃなかったのも新鮮でした。
所信表明演説も、野党からは厳しい批判を受けていますが、力が入っていたことは感じました。力のない棒読み、1ページ“読み飛ばし”なども無く(^_^;)、前が悪すぎたからかもしれませんが、少し安心するような気持ちになりました。
昨日は、コロナに対応している医療関係者と話をしているのがニュースで流れていましたが、えらそうに施設を見学して「体制は万全であると確認できた」などという発言をしていた前首相とは異なっていることはわかりました。
「森友学園」をめぐる財務省の公文書改ざん問題で自殺した近畿財務局職員の赤木さんの奥さんが首相宛てに送った手紙については読んだとのことです。
問題の再調査については、話っぷりからすると期待を持てるかというと、難しそうですが、前財務大臣のようにまるで“他人事”、さらに記者に逆ギレするようなこともなく、人の心は残っている方だということはわかりました。
なんだよ、いつもの“辛口”な感じがないよ、と言われそうですが、前の二人のお方がお方だっただけに、すっかりかしこまって座っていたが、立ち上がってしびれているような心の状態です。
今、もとに戻りつつある心が、今の気持ちを表現したのでした。
しびれが消えたら、また今までどおりの目で新しい政府のなすことをきちんと見たいと思います。
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