谷川俊太郎の「ひとり暮らし」を読んだ。
『ひとり暮らし/谷川俊太郎著(新潮文庫)』という本を読みました。
ブックオフにて安価購入。
もともとは、平成13年12月に草思社より刊行されたものの文庫化です。
60代半ばになった頃の谷川さんが、ひとり暮しの日々と、さまざまなことを思うさまを書き綴ったものという印象でした。
文中に、老いることへの不安が少しは見えていますが、でも自ら決意表明的に現在の生活と周囲との関係などをはっきりと書き、生きて行くことのたのしみのようなものが淡々と綴られていました。
こういう境地に至る人は現在の欲望と不可思議なIT環境に取り巻かれている世の中では、なかなか難しいことだと思います。しかも男性では・・。
勝新太郎さんの
「おれっていう人間とつきあうのは、おれだって大変だよ。でも、おれがつきあいやすい人間になっちゃったら、まずはおれがつまらない。」
という発言を例に挙げ、誰でも自分とつきあうのは大変なんじゃないか、ただ大変なのを自分じゃなく、他人のせいにしているだけじゃないか。
大変な自分と出会うまでは、ほんとに自分と出会ったことにならないんじゃないか。
・・・上手に自分と出会うのを避けていくのも、ひとつの生き方かもしれないけど。
と、書かれていて、これは“響き”ました。
そうなのかもしれないと思いました。
自分とつきあうのは大変だけど、でもつきあうことが出来れば、それはある境地に達しているのではないかと思いました。
・・人のせいにして自分と対峙するのを避けている人が世の中ほとんどかもしれませんが。
というわけで、書かれている文章は平易で、しかも淡々としていますが、中身は“深い”、そんな本でした。
言葉のひとつひとつが“刺さったり”“沁みてきたり”するのでした。
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