水木しげるさんの「悪魔くん千年王国」を読みました。
『悪魔くん千年王国/水木しげる(ちくま文庫)』を読みました。
このブログには珍しく、漫画を読んでの感想です。
水木しげる先生は、私が子供の頃から大好きな漫画家です。
週刊漫画雑誌などでも先生の漫画を読みましたし、よく巻頭特集などで、先生の「妖怪特集」を怖がりながらも、ワクワクしながら読んだものでした。
今回の「悪魔くん」はテレビで実写化されたものもありましたが、あのテレビ番組とは大きく異なる内容で、570頁以上の大作です。
しかも、内容は長篇小説と言ってもよいくらいの濃い内容でした。
小学二年生ながら驚異の頭脳を持つ(漫画中では“異能”と書かれていた)少年、悪魔くんが国境もない、差別もない、貧富の差もない、苦悩もない・・そんな千年王国を三千年も封印され閉じ込められていた悪魔を呼び出し、この現在の世界に実現させようとする物語でした。
悪魔くんの父親は大企業の社長でしたが、罠にはまり、すべてを失い、自殺しようと山中を彷徨うのですが、そのときに山の中の自然、美しい花が咲いている様子などを見てつぶやくのでした。
「自然はいいなあ。こんこな美しい花まで咲かしてくれて。」
「死を前にして、はじめて静かに自然をみた。」
「人間はみな、“生きる”という不安から、知らない間に心の病気になっているんだ。」
「こんなひったくりあう世の中でなく、もっと人間同志があたたかく生きる世の中は できないものだろうか・・。」
この悪魔くんの父親のつぶやきが、この物語のテーマと言ってもいいと思います。
でも、悪魔くんがこのような世界を創ろうと闘いをはじめると、あっちの神様、こっちのサタン、既存の世界の指導者などが参戦してきて・・結局、世界はずっとこんなことをしてきたのかもしれない・・などと、この漫画を読んだ少年は当時思ったのかもしれません。
けっこう途中で不安な気持ちになったり、重い内容のものでしたが、ラストの劇的な速い展開は“漫画ならでは”のテンポの良いもので、少年時代のドキドキ感を思い出しました。
以前、行った、水木先生のふるさと、境港市にまた行ってみたくなりました。
先生の仕事場が再現されていたっけ、懐かしい・・。
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