CDジャーナルのムック本「台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶」を読みました。
『台湾人ジャーナリストが見たニッポンのジャズ喫茶/周靖庭[写真・文]高智範[訳]((株)シーディージャーナル)』という本を読みました。
元々は、台湾人ジャーナリストである著者が台湾の人達に日本の「ジャズ喫茶」という独自の文化的な存在を紹介する本として出されたもので、それを日本語に訳してCDジャーナル社から“ムック”として出版されたものです。
著者は本来クラッシック・ファンとのことで、台湾大学音楽研究所を卒業され、現在はフリーランサー。オーディオ誌のコラムニストのほか、音楽サイトの編集協力などをされ、さらに音楽鑑賞講座の講師などもされているとのこと。
そして焼き肉好きで、合羽橋好き、中古CDも好きだそう・・。
でもって、この本ではジャズの魅力に深く“ハマって”いるわけです。ジャズを良い音で聞かせるジャズ喫茶という日本独自の存在が周氏にとって、よりジャズにどっぷりと浸かるきっかけとなったようです。
著者は、日本中のジャズ喫茶をめぐっていますが、それぞれの喫茶店と、そこに設えられているオーディオ・システムについても丁寧に写真を撮り、マスターと中身の濃い話をしながら“各種各様”なジャズ喫茶のたたずまい、そこで鳴っている音、マスターの考え方などを実に詳細に、またやさしい眼差しで文にされています。
日本人でもこんなしっかりした内容のジャズ喫茶本が書けるだろうか、という充実ぶりです。
読んで見て、これは「歴史的資料」としても価値のある本に仕上がっていると思いました。
ジャズ喫茶は、ジャズという音楽の“図書館”的な存在でもあり、どのマスターも「まずは実際に来て聞いてみてほしい。聞けばその魅力に気づくのだ。」ということを言っていて、多くのジャズ喫茶が大音量、あるいはとても良い音でジャズを紹介し、今どきのイヤフォンやヘッドフォン、小型のブルートゥース・スピーカーのみで音楽を聞いている人には驚きの経験をさせてくれる場所であることを愛情あふれる形で文章にされています。
「いーぐる」や、「ジニアス」、「映画館」「ちぐさ」「ジャズ・オリンパス」など名だたるジャズ喫茶が掲載されています。そして当然出てくる岩手一関の「ベイシー」。
果たしてこのジャズ喫茶という文化は今後も継承されていくのだろうか、と不安にもなるのですが、日々ジャズを聞き、今でも新たな発見をしている私としては、何が何でもジャズ喫茶という存在が継続されていくことを望みます。
この本を読んで、また強くそう思ったのでした。
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