「千年の読書 -人生を変える本との出会い-/三砂慶明」を読みました。
『千年の読書 -人生を変える本との出会い-/三砂慶明著(誠文堂新光社)』という本を読みました。
新聞で著者の三砂慶明(みさご・よしあき)さんを取り上げた記事を読み、大阪の梅田蔦屋書店で“本のコンシェルジュとして活躍されている三砂さんにとても興味を持ったことと、その後ラジオ・文化放送の「浜美枝のいつかあなたと」に三砂さんが出演されていた放送を聞き、三砂さんという“人”にも興味が拡がったからです。
300頁もある立派な本でしたが、実に丁寧に書かれ、静かに読める本でした。
この本は、人が本というものと付き合うことについて実に真摯に考えられ、書かれています。
三砂さんが書店に勤めてわかったこと・・。
↓
どれほど恵まれた人生を歩んでいるように見える人でも「避難所」が必要である。
そして、本は困難と向き合った人に新しい扉を開いてくれる、ということ。
私も生きて行く中でつらいことはたくさんありましたが、そのたびに「本」が助けてくれたと感じることがありました。
逆に言うと、本なんて読まない生活をしている人というのは、ある意味「幸福」なんじゃないか、とも言えるわけですが、でも、私を含め多くの人は様々な困難、悩み、辛さの中で人生を少しずつ歩んでいるわけで、そこで「本」があるか、ないか、は大きな意味があると思うのです。
この本では、人生を変える本との出会い、生きづらさへの処方箋、新しい働き方を探す、お金から見た世界、現代の食卓と料理の起源、瞑想と脳と自然、本から死を考える、など多岐にわたるテーマで、人と本の関わり方を考えています。
三砂さんが書かれているのですが、私達は千年前の本の作者や、それを読んだ人の想いに、本を通して触れることができます。
気の遠くなるような時間を超えて、生まれた場所も、年齢も、立場も関わりがなく、その人が向き合い、感じ、考えたことそのものに、本を通して出会うことができるわけです。
最近、私同様、本好きの妻ともよく話すのですが、「本があったことで、本を読むことでなんとか切り抜けることが出来たことは多かった」とあらためて感じています、この歳になって、やっとわかってきた感じです・・。
あまりの自然体な書きぶりに、読書に対する気持ちがリセットされ、これからも新鮮な気持ちで読書ができそうだとあらためて思っているところです。
« ビートルズ・メンバーそれぞれのリアルタイムでのニュー・アルバム体験 | トップページ | 高校の国語教科書に「論理国語」と「文学国語」が出来たことを知った。 »
「心と体」カテゴリの記事
- 「夫婦脳/黒川伊保子」を読みました。(2025.07.09)
- 俳句を詠んでみる_0491【 俳句知り 子供になった 夏の空 】(2025.07.09)
- 俳句を詠んでみる_0488【 竹落葉(たけおちば) 半ば死んで 生きるを知る 】(2025.07.06)
- 「どうせ、あちらへは手ぶらで行く/城山三郎」を読みました。(2025.07.05)
- 俳句を詠んでみる_0475【 夕涼の庭に降り 行く末案ず 】(2025.06.23)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0488【 竹落葉(たけおちば) 半ば死んで 生きるを知る 】(2025.07.06)
- 「どうせ、あちらへは手ぶらで行く/城山三郎」を読みました。(2025.07.05)
- 俳句を詠んでみる_0472【 炎暑に 古き職場へ 映写のよう 】(2025.06.19)
- 俳句を詠んでみる_0464【 世の不穏に 安居(あんご)し 句と対峙する 】(2025.06.11)
- 俳句を詠んでみる_0461【 風吹き 天竺牡丹に 耳寄せる 】(2025.06.07)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「徳川慶喜家の食卓/徳川慶朝」を読みました。(2025.07.16)
- 「日本列島なぞふしぎ旅 中国・四国編/山本鉱太郎」を読みました。(2025.07.14)
- 『現役引退 プロ野球選手「最後の1年」/中溝康隆』を読みました。(2025.07.12)
- 「荒木経惟の写真術」を読みました。(2025.07.10)
- 「夫婦脳/黒川伊保子」を読みました。(2025.07.09)
« ビートルズ・メンバーそれぞれのリアルタイムでのニュー・アルバム体験 | トップページ | 高校の国語教科書に「論理国語」と「文学国語」が出来たことを知った。 »
コメント