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2022/04/19

サヘル・ローズさんの「言葉の花束」を読みました。

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『言葉の花束 -困難を乗り切るための“自分育て”-/サヘル・ローズ著(講談社)』を読みました。

きっかけは、ラジオ・文化放送「浜美枝のいつかあなたと」という番組にサヘルさんが出演され、この著書について浜さんからインタビューを受けていたのを聞いたからです。

もう浜さんの声の調子がほんとうにこの本を読んで、大きな衝撃を受け、感動したことがわかりました。
また、サヘルさんのあまりにも“まっすぐ”で真摯で、優しい受け答えに私自身も「ぜひ、この本を読んでみたい」と思ったのです。

イラン生まれのサヘル・ローズさんは、幼少時代を孤児院で生活し、養母となったフローラ・ジャスミンさんに7歳のときに引き取られます。

8歳でその養母と共に来日。
孤児、養子縁組、貧困、差別・・そのほかにもつらいことや、悲しいこと、さまざまな事実がたくさん綴られていました。

お義母さんとの暮しは貧困に加速がついたように、公園で生活するようになり、冬は図書館で閉館までの時間、暖を取り、その後はスーパーで安いものを見つけたり、試食品を食べたりして暮らしていて、着替えもなく、風呂もなく、公園から学校に行く生活、お義母さんは、きつい仕事をサヘルさんのためにして、もう考えられない環境の中、サヘルさんは“いじめ”にも遭ってしまう・・。

でも、親子二人で実の親子のようになんとか光を見出すように生きて行く姿に、私は何度も涙しました。

目の前にいる相手を、どう感じられるかがとても大切だというサヘルさん。
その感情を教えてくれたのが義母のフローラさんです。
自分を見つけてくれ、もう一度生きる感情をもらったとおっしゃっています。
お義母さんのフローラさんの瞳に映る私が本当のサヘル・ローズだと信じています、と静かな調子で書かれていました。

相手の目を見るなんて、今の時代にはなくなってしまいました。
携帯の画面ばかり見ている人たち・・が、ほとんど。
そこには人は存在していないのです。

サヘルさんは、イラン・イラク戦争で孤児となり、自分の名も知らず、縁者はひとりもいなくなり、孤児院で幼少期を過したのですが、お義母さんのフローラさんは、「絶対にイラクを憎んでは駄目。大人になったらイラクに行って、彼らの生活を見て来なさい」と言います。
「戦争によって孤児になってしまった人たちに会ってきなさい」と。

戦争は誰かを敵にして、見方を作ろうとする。
でも、戦争は全員が被害者。
敵も味方もない、みんなが犠牲になっているだけ。
いつも犠牲になっていくのは一般市民。
そして時代に翻弄されていくのも生き延びた子ども達。

「憎む感情を捨て、人を許すことを学びなさい」・・この言葉は重い。特に今のこの世界の状況下では、心引き裂かれるような思いで読みました。

サヘルさんは、ほんとうに2019年にイラクへ行きます。
イラン・イラク戦争の兵士とも奇跡的な出会いをしています。

相手を殺したくないのに、知らない相手に銃を向けている恐怖。

戦いたくて戦ったわけではないのに、でも、大事な家族のために、戦争へ行くしかなかったと涙を流すイラク兵だった人。

ほんとうに、今のウクライナとロシアのこのような状況下では、あまりにも重く、そして心身に響く言葉です。

泣きながら、そして希望を見出した部分では、泣き笑いしながら読みました。

つらいと思ったとき、泣きたくなったとき、死にたいと思ったときにまた読むことになる本だと思いました。

サヘルさんの生き方に大きな衝撃を受け、私も少しでも近づいて、強く、やさしい心を持とうと思いました。

 

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