「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら/工藤美代子」を読みました。
『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら/工藤美代子著(メディアファクトリー)』という本を読みました。
ノンフィクション作家である工藤美代子さんが書かれた、十年以上前の本です。タイトルからしていきなりセンセーショナル!
工藤さんご本人は霊感がある、という意識はあまりないようですが、ここに書かれていることは冒頭でご本人が説明していて、すべて事実であり、脚色はいっさいなされていないとのこと。
だから、ここでもう少し話を“盛れ”ば、ストーリー展開的には面白い・・ということもされていないのです。
でも、内容は“もの凄い”ことが書かれていました。
さらに、写真も添えられているのですが、文中で霊として現われたその人の生前の写真や、霊が出現したと書かれていた現場の写真、文中に出て来た物語の中心にあった品物の写真なども掲載されていて、実に“生々しい”!
一番凄い話は、著者が川端康成氏が亡くなられたあと、当時ご健在だった奥さまを訪ねて自宅に伺ったときの話でした。
川端宅をあの三島由紀夫が(もちろん割腹自殺のあと)訪ねてきた話を奥さまから聞いたのですが、あまりにも凄まじい姿だった三島氏の姿が“聞き書き”されていて、この本の最大のメインの部分なので、ぜひとも実際に読んでいただきたい。
その他にも、著者は明日、あるいは数日後に亡くなる人を見るとわかってしまう・・という能力があり、その描写を読んでいると、実は私もそのような能力があるのですが、私とまったく同じような形で見えていることに驚きました。
また、日中でも、現実世界の人通りや、建物の中などで、この世の人ではない人が歩いていたり、いつも同じ場所に同じ時間にこの世のものでない人が現われたりする現象について書かれていました。
これについても、私は今までに何度も経験しています。
身内の人などで亡くなった人が庭を歩いていたり、何かこちらに心配事があるときなど、ふっと現われて何ごとかささやいたり、心配そうな顔でこちらを見つめている、物が動いたり鳴ったりする・・などということも書かれていました。
これも度々経験していたことでした。
著者の工藤さんと共通しているな、と感じたのは、当人はいたって普通の人間だと思っていて、特に能力など有るとは思っておらず、日々淡々と過しているということです。
というわけで、特に霊能力など持っていないという感覚で書かれているだけに、よりリアルに伝わってくる霊との出会いが克明に書かれている本。これは凄い本ですよ、興味のある方は絶対に読んだ方がいいと思います。
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