佐川芳枝さんの「寿司屋のかみさん、エッセイストになる」を読みました。
『寿司屋のかみさん、エッセイストになる/佐川芳枝著(講談社文庫)』を読みました。
すでに著者の佐川芳枝さんが書かれた本については、「-寿司屋のかみさんが教える- おいしいもの、まずいもの、どうでもいいもの」をこのブログでご紹介したことがあります。
そのときに、著者・佐川芳枝さんの文について、失礼ながら初めて読んで、実に軽妙、軽快、そして寿司屋のおかみさんの話なので、お寿司やそのネタについての表現、書き方があまりにも素晴らしくて驚いたことを書きました。
今回読んだ佐川さんの本は、そんな“エッセイスト”になるまでの寿司屋のおかみさんの“奮闘”について書かれたものでした。
新聞への投稿や、いろいろな懸賞のかかった短文についての応募などをとおして、徐々に実力をつけた佐川さんが、ある人からのすすめで長篇物を書いてみては、となり、300ページの原稿を“駄目だし”をもらいつつ三回も書き直し、しかもその間“七年”!!
悩みながら、苦しみながら、だんなさんに支えてもらいながら、あきらめずに書いて、ついに一冊の本に・・というお話でした。
でも、今回もそうでしたが、その苦労をしている時期についても様々な明るくて面白いエピソードなどが散りばめられていて、読んでいるこちらはとても楽しく読むことができるのです。
これが佐川さんの書く文章のいちばんの特徴ではないでしょうか。
その後、新聞やテレビのインタビューを受けたり、「講演」の依頼を受けたり、佐川さんの本がテレビ・ドラマ化されたり、作家と出会ったり、同業の方達とも多く知り合いになったりと、めくるめく時間が過ぎていく様子も描かれていました。
佐川さんの本を「音声化」させてほしいという、いくつかの図書館からの依頼にもこころよく応えたところ、好評を得たとのことでした。
それは、佐川さんの文が音声化されても、実にわかりやすく、明快な言葉で書かれ、テンポが良いことがそうさせたのだと思います。
佐川さんの本を音声で聴いて、白い杖をついた団体が佐川さんのお店をたずねて来た話にも感動しました。
前回に続き、とてもいい本でした。
佐川さんの本については、もう一冊手に入れていますので、また読後に感想を書きたいと思います。
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