糸井重里さんへのインタビューを中心にした「すいません、ほぼ日の経営。」を読みました。
『すいません、ほぼ日の経営。/川島蓉子・聞き手 糸井重里・語り手 (日経BP社)』を読みました。ブックオフで見つけた5年ほど前の本です。
この本は、日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つジャーナリスト、川島蓉子さんが、社名を「有限会社東京糸井重里事務所」から「ほぼ日刊イトイ新聞」に変更し、2002年に株式会社化、さらに2017年には東京証券取引所ジャスダックに会社を上場した糸井重里さんにインタビューする形でまとめられたものです。
私が存じ上げているのは、糸井さんがインターネットが一般的になり始めた頃に、「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトを立ち上げ、“ほぼ日刊”どころか毎日書き始めた頃からの「ほぼ日」の活動です。
そして、一番印象に残っているのが「ほぼ日手帳」というヒット作を生み出したこと。
今や、手帳というと、「ほぼ日手帳」というひとつのジャンルみたいなものにまでなっていて、たぶん売り上げもかなりのものだろうな、と想像できるまでのところです。
会社名を「ほぼ日」にしたところまでは、そんなこともあるだろうと思いましたが、まさか株式会社化して東証上場なんて「ほぼ日」には“似合わない”と思ったのですが、この本の中でも多くの人がそう思っていたことが糸井さんへのインタビューの中でわかりました。
でも、そんな組織化をしてもなお、「誰かがこんなものが欲しいな」と思うものを見出して提供するような姿勢、さらに強くはあるがやさしい姿勢、企画書もなく、「こんなのどうでしょう」「いいね、じゃやってみようか」みたいな動き方、人事はピラミッド型でなく、人体模型図型?!、予算も組まない、部署ごとに部屋があるわけでもなく、席替えを度々して経理関係の隣に実働部隊がいたり、総務関係がいたりで、互いの仕事がどういうものかわかっている、さらに専門分野で人が固まるわけではなく、“お手伝い”として部署を飛び越えて仕事をする、・・・などなど、およそ会社組織という観念からは逸脱した形態をしている「ほぼ日」という会社のあり方に驚くのでした。
読んでいて、一般の組織が真似してもいいんじゃないかと思うこともありました。
創業者がトップの会社などによくある“トップダウン型”の命令系統が会社そのものを硬直化させている状況には、もっと“緩くて”下からもアイデアが遠慮なく飛び出すような形へのヒントが「ほぼ日」にはありました。
目標値達成のためには、無理にも無理を重ね、「一日100件、営業回って来い」的な話もよく聞きますが、それって効果があるのかな、と糸井さんも語っていました。
また人事評価のために、困難というか、果たして実際はそれがいいものなのか、会社のためになるのか、という難易度の高い目標を敢えて掲げて、部下にも無理強いしてそれを達成させる人(こういう人が“できる人”と勘違いされ、皆が結局言うことを聞くようになる)を私も自分がいた組織で何人も見ましたが、最終的には人を疲弊させ、組織も硬直化し、何より、達成した新たなシステムが使いずらく、仕事の足枷になっているという事態を生み出していました。
この本を読んでいると、近未来の日本の会社のあり方のヒントになるようなものが少しエッセンスのようにふりまかれていたように感じました。
経営者や、管理職の人が読んだらいいなぁと思いましたが、絶対に読まないだろうな、とも思いました。
以上です。
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