「島耕作も、楽じゃない。」を読みました。
『島耕作も、楽じゃない。/弘兼憲史著(光文社新書)』という本を読みました。
これもブックオフで見つけたものです。2016年初版発行となっていました。
著者、弘兼さんは言わずと知れた、「漫画 課長・島耕作(※やがて会長・島耕作にまで出世)」の作者です。
私もそのコミックスをお医者さんの待合室や、その他いろいろなところで読んだし、時にはブックオフで何冊か買ってきて読んだこともあります。
いわゆる会社員の“出世物語”ですが、けっこう“お色気路線”的な部分もあり(※この本を読んだら、元々は出版社側の要望でそういうものを描けということだったらしい)、また周囲の人達の人生模様も描かれ、さらにこの漫画には必須というか、悪い人が悪だくみするシーンも満載です。
そんな漫画の主人公「島耕作」の生き方を中心に『仕事・人生・経営論』という展開で書かれた本になっていました。
弘兼さんは会社員人生というか、組織での人の動き方や、内部の状況を細部に渡って描かれていて、この知識というか、経験的なものはどこから?といつも疑問に感じておりました。
読んでみたら、弘兼さん、大学卒業後に松下電器に就職され、三年間の日々を過ごされていたとのこと。わずか三年間で様々なことまで、しかも“機微にふれるところ”まで体得していたようです。もちろん、これも書かれていましたが、様々な人達への調査、インタビューなどもかなりされてきたわけですが。
この本は、弘兼さんが思う『仕事を通じた人生』を俯瞰するような形で書かれたもので、成功する人でも「実力半分、運半分」だとあらかじめ思っていた方がいいのだということも書かれていました。
後半には、世間でもよく知られている成功者と言われている人達へのインタビューも掲載されていました。
ファーストリテイリングの柳井氏や、九州旅客鉄道の唐池氏などのお話は、まさに島耕作の“リアル版”みたいでしたが、私のような人間には、その考えが遠い世界のことのようで、ただ呆然として読み進むしかありませんでした。
ようするに、私の人生には“関係ない”ことなのでした。
読んで面白い本でしたが、仕事に生きるって大変だよな、それだけで生きていたらつらいよな、と、この歳になって日々感じていることをあらためて感じさせてくれるものでした。
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