「帰りたくない!/茶木則雄」を読みました。
『帰りたくない!/茶木則雄著(本の雑誌社)』という本を読みました。
初出誌の「本の雑誌」と「週刊新刊全点案内」に掲載されたのが1992年~1997年ということで、30年も前の本になります。
ブックオフで200円にて手に入れたものですが、主に当時「本の雑誌」に連載されていたものだったということで、私は当時読んでいたかもしれないが・・覚えがない。
帯にも書かれていますが、本人は・・
家庭より遊びが大事と思いたい!
自他共に認める“ろくでなし”
酒も博打も大いにたしなむ できれば若い娘さんも、たまにはたしなんでみたい
家庭の団らんより、つねに遊びを優先させてきた
家族より自分が大事と公言してはばからない私である
・・などと言いたい放題で、行動はやりたい放題な著者でありました。
読んでいて最初は読者を笑わせようとしてほとんど“つくり話”なんだろうと思っていましたが、この本の途中で「そう思っている読者がいるかもしれないが、内容は“九分九厘”真実である!と、ご本人力強く宣言されております・・。ほんと、ろくでもない人なんだな、と思いました(^_^;)
義父が入院したとのことで、奥さんと現地病院で待ち合わせ、30分早く着いてしまったので財布には当時のパッキーカードが有り、残額も少しなので時間つぶしにとパチンコ屋に入り三時間以上もやってしまい、奥さんは怒りを爆発させます。
麻雀やって負け続け、金が無くとも誘いがかかれば徹夜で勝負。挙句に負けたうえに、帰りの電車で寝てしまい、その路線を寝たまま“三往復”する。
子供の楽器購入のために奥さんが下ろしてきたお金を、留守の間に“ねこばば”し、それでまたギャンブルに行く。そして負ける・・。
子供は泣くし、奥さんは怒り狂うしで最悪の状態。
などなど上記はまだまだ“軽い方”かもしれません。
家族には散々迷惑をかけていますが、そんなことほとんど何とも思っていません。
時代が時代なだけに、私が就職して初めての職場などにも茶木さんのような人はたくさんいました。
職場では、昼日中っから競馬や麻雀の話をしている先輩がいっぱいいた。
当時は土曜日勤務で、土曜日は競馬の話で仕事になんかならないような状況でした。
新人だった私は、「こいつら、どうしようもない」と思いましたが、先輩の命令とあらば、たいがいの言うことはききました。
そうでもしなけりゃ生きていけないような感じだった。
いい時代といえばいい時代なのかもしれないが、やる気はどんどん無くなりました。
あまり思い出したくない。
おっといけない、私の過去の職場はさておき、この最悪な人のお話しは、実に最低最悪の人間の話を本人が書いているわけですが、読者としては笑ってしまいます。
必ず失敗するのに、それに向かってどんどん行ってしまう、こういう人たちはそういうものなんですよね、私もそんな人たちを何人も何十人も何百人も見てきたのでよくわかります。
一番のハイライトは、奥さんの怒り爆発と著者茶木さんに与える懲罰です(^^;)
その罵詈雑言ぶりと、閻魔様に匹敵する懲罰の与え方も、あまりにも素晴らしいので、どうしようもない男どもにもぜひ読んでもらいたいと思いました。
以上です。
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