「夫婦という他人/下重暁子」を読みました。
『夫婦という他人/下重暁子著(講談社+α新書)』を読みました。
いつものとおりブックオフにて安価購入(#^.^#)
読書人の雑誌「本」2017~2018年に掲載されたエッセイ「その結婚、続けますか?」を書籍化し、2018年に刊行されたものです。
下重さんの著書については、このブログでも何冊か既に読後感を書いていますが、私も自分の年齢が上がれば上がるほどその内容が身に染みてまいります(^-^;
今回は、『夫婦』という人類が永年にわたり形成してしてきた形態について、いつもどおり“ガツン”と書かれています。
全編に渡り、下重さんのどちらかと言えば現在社会一般で維持されている「夫婦」という形態に疑問を投げかけている考え方が綴られているのですが、その中で私が気になった部分をご紹介します。
「結婚生活の悲劇は、相手に期待しすぎるから起きる」
というものです。
下重さんは、人に期待しない・・を基本にしています。
家族、親や子や夫・妻も自分と違う人なのだ、と考え(私も近年このような考え方が強くなっています)、期待したら裏切られるのは当たり前で、いちいち傷ついていたのでは身が持たない・・と。
思いがけず向こうが何かをしてくれると、期待していないだけに余計嬉しい・・とも(^-^)・・そうかもしれない。
後半に入ってくると、夫婦でも互いに異性の別の人といろいろな関係を持ってもいいんじゃないか、とか、夫婦という形態の間で子供が出来なくてもそれはいいのではないか、とか、子供を育てる形態についても新たな考え方を書かれていました。
今のこの時代、様々な考え方、生き方、人との関係の持ち方、異性との関係の持ち方、あるいは同性でも同様のことが考えられるし、下重さんがここで書かれていることに時代が追いついてきた感があります。
LGBT関連の法案が与野党で揉めていて、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」に変更しようとする議員などには考えも及ばない下重さんの考え方が書かれていました。
きっと、変更しようとする議員さん、「あってはならないことが起こってしまいました」という対応で差別をしても逃げてしまいたいんだろうというのが見え見えです。
そんなことがいっぱい書かれていた本ですが、NHK入局当時の一年先輩の野際陽子さんとの想い出なども書かれていました。
初めて知ることがたくさん書かれていて、驚いたり、なんだかしみじみとしたりもしました。
下重さんのかなり“力強い”語調にあふれた本、読み応えがありました。
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