「泣いたの、バレた?/酒井順子」を読みました。
『泣いたの、バレた?/酒井順子著(講談社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2013年~2014年にかけて週刊現代に連載されたものから48本を掲載したものです。
酒井順子さんのいつもどおりの感覚で見つけたお話、体験したこと、さまざまな報道等を見聞きして感じたことなどが綴られていました。
本音で思い切って語っているところもあるし、なんだかご本人が“恥ずかしがって”いるような感じで書かれていた部分もあり、最後まで面白く読みました。
私が気になったところをいくつかご紹介します。
「泣く女」という項では、涙大賞というものがあったのならソチオリンピックの浅田真央さんにあげたいというところ。ここで書かれているのですからもう十年以上もあれから経ったのですね。
そして、ショートプログラムで大失敗をした浅田さんが、フリーで見事な滑りを見せ、滑走が終わった瞬間の万感の思いがこもった泣き顔・・私も思い出します。
そしてその直後、同じ泣き顔で強力な対抗馬があらわれた・・と書かれていて、ここからが酒井さんらしいところ。
小保方晴子さんの会見での涙を取り上げていました。
会見で流した涙と少しやつれた顔は、世の中のおじさま達のハートをグッと掴んだ、と書かれています。・・私はグっと掴まれはしませんでしたが、つい昨日までもてはやしていた人達(研究所の身内も含めて)のさあ~っという引き際に驚きました。
酒井さんはこの涙の好感度は男女差がくっきりとついたと書いています。たしかにそんな気がする。
会見時の髪型、服、ネックレスの選び方にも女性から厳しい目が向けられる要因となったとしていて、なあるほどと思いました。私はそこまでよく見ていなかった。
この本を書かれたときの酒井さんは四十代だと思いますが、その時の週刊誌業界の“セックスブーム”についてもふれていました。
そのブームは主に中高年読者に向けられている・・と書いています。
これについて、私も当時そんな感じがあると思っていました。
若い頃にネットなど存在せず、雑誌や深夜テレビなどがエロ情報の源だった世代です。
今じゃ書けない、放送できないような内容だったと思います。
逆に若者は、ネットによって“あんなことやこんなこと”まで知るに至り、ネット情報だけでお腹いっぱいだというわけです。・・そんな気もする・・。
ちょっと気になった部分にふれただけで、長くなってしまいましたが、全編酒井さんが気になったことなどがとても面白く、独特の掘り下げ方で書かれていて、あっという間に読み終えました。
面白い本でした。
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