「昭和・東京・ジャズ喫茶 昭和JAZZ文化考現学」という本を読みました。
『昭和・東京・ジャズ喫茶 昭和JAZZ文化考現学/シュート・アロー著(DU BOOKS)』という本を読みました。
2014年発行となっていますので、ほぼ十年前の本です。
この本で書かれている「ジャズ喫茶」はその時点でかなり閉店しているのですが、さらに現時点ではお店は減少しているものと思われます。
タイトルにあえて“昭和”と謳っていますので、掲載されいるジャズ喫茶、あるいはジャズバーと呼ばれているお店は、いわゆる名店・有名店・名物店が多く、著者が言うには1980年代はそんなジャズ喫茶の全盛期であったというわけです。
ただ、著者がことわりを入れているのですが、ジャズ喫茶に集まる人、お店を営む人についての“熱気”そのものは1970年代が一番“熱かった”のだと思われます。
著者は1980年代に学生時代を過ごし、大学ではジャズ研究会に所属して倶楽部活動としての演奏もされているし、様々な機会、場所で演奏をされていて、外国から来たジャズ・ミュージシャンのコンサートにも多く出掛けています。
また、学生時代から就職後にもこの本に書かれているジャズ喫茶やジャズバーに出掛けています。
私にとっては、とても貴重な記事と写真がたくさん掲載されていて、ジャズ喫茶というものがその時代にどういうものだったのかということが少なからず感じられて、感心したり、驚いたり・・という本でした。
この本にも書かれていますが、ジャズ喫茶は当初、昼日中にジャズのレコード(CD)を掛け、それを聞いてもらいながらお客さんに珈琲等飲料を提供するお店でした。
昔は、ジャズのレコード盤そのものが貴重なこともあって、皆、海外から取り寄せられた新しいジャズや名盤と言われるような貴重盤を大きな音量で聞いたりしていたのですが、次第にそれでは商売にならなくなってきて、営業時間が夕刻から夜に広がったり、移動したりして、お酒を提供し、チャージも掛かってくるようにしないと商売が出来なくなってきたとのことでした・・。
私がジャズをよく聞くようになってきた時には、ジャズ喫茶は衰退の一途という感じでした。
だから実際に行ってみたジャズ喫茶はかなり少なく、この本に載っているお店を読んでいると、タイムスリップして体験してみたくなりました。
コロナ禍に入ったときからすっかりジャズ喫茶に足を運ぶことがなくなってしまいましたが、まだ行けるお店は千葉にもありますので、この本を読んで、ジャズ喫茶参りを再開したいと思っているところです。
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