「居酒屋へ行こう。/太田和彦」を読みました。
『居酒屋へ行こう。/太田和彦著(ポプラ新書)』を読みました。
古本で買いましたが、2018年発行となっていますので、そんなに古い情報が載った本ではなさそうでした。
太田さんは言わずと知れた“居酒屋の達人”です。
全国各地の実際に太田さんが行ってみて、飲んで食べて来たお店や、その地域、店、人にまつわるエピソードなども添えられていて、いつもどおり安心して、心穏やかに読める本でした。
特に行ってみたいなと思ったのは、新潟長岡の『魚仙』。
太田さんが言う“キング・オブ・なめろう”・・「ブリのなめろう」はぜひ味わってみたい。
さらに俳優・角野卓造さんに似た店主が探し出してきた「特製油揚げ」は、山の中で若者がひとり、薪で焚く油釜で高音で二十分、低音で二十分かけて揚げる、彼の仕事は薪割りでほとんど一日の仕事になってしまうという・・そんな油揚げは“異常的にうまい”らしいです。
鹿児島の「菜菜かまど」というお店の“つけあげ”は20~30分かけて揚げるテニスボールよりはやや小さい真円球の名付けて『爆弾さつま』という・・。
焼酎と一緒にぜひ食べてみたいと思いました。
終盤では、作家・角田光代さんと居酒屋で飲む様子が書かれていましたが、私の大好きな角田さんの作品『センセイの鞄』には、居酒屋での七十代の男性と、三十代後半の女性の不思議で自然体な恋愛が描かれていて、その居酒屋での風景というか二人の様子が実にうまく描かれているし、注文する肴も絶妙なのでした。
これは居酒屋の達人でなければ書けないな、と思っていましたが、太田さんも同様の感想をお持ちだったようです。
なんだかうれしくなっちゃいました。
相変わらずの「居酒屋本」楽しく読みました。
太田さんの本は、まだストックがあるので、また読みましたら感想を載せるつもりです。
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