磯田道史さんの「日本史を暴く」を読みました。
『日本史を暴く -戦国の怪物から幕末の闇まで-/磯田道史著(中公新書)』を読みました。
前回のこのブログでお伝えしたとおり、またもや新刊です。私にしては珍しい(*^^*)
相変わらずですが、著者・磯田道史さんの歴史の裏側への探求力と意欲には驚きます。
あれが気になる・・と思ったらすぐに古書店などに赴き、資料となる古文書を探し出します。
そういうものが残っているんだ・・というような内部的な文書や、組織末端に居た人が残したものなど、“誰かが何処かに”保存しているものです。
磯田さんも文中で書かれていますが、それが今はインターネット上に残る文になっているわけで、貴重な歴史的資料となっているんだと感じました。
前にもこのブログに書いたことがあるのですが、私もそんな気持ちで世間で起こった出来事についてどう思ったかなどをここに書き記しています。
その時代の庶民はあの事件のときにこんなことを思っていたのか・・と、いつの日か誰かが見てくれるんじゃないかと思って・・。
この本の中では、信長の遺体の行方について考察する資料となる文がいくつか紹介されていました。
決定的なものとなるものはありませんでしたが、それでも灰の中から遺骨を探す様子が書かれていたものや、信長自らが首を取られたり、遺骨を探し当てられたりされないようにしたこと、その他、多方面の“遺骨の行方”についてヒントとなる文書が存在することを知りました。
それらを併せて眺め読んでみても様々な考察が出来て興味深いものです。
忍者の教科書的な文書が発見され、読んでみると、意外や潜入に失敗して周囲を包囲され、絶体絶命のピンチに立ったときの対処方法などに重点が置かれていたり、面白いのです。
最後の女性天皇の「譲位」の様子がつぶさに記されている文書もありました。
孝明天皇の病床記録も残されていて、最後の数日に食べたものと、その量、さらに便がその都度どのようなものであったか、までが書かれていました。
疱瘡にかかり、いったんは食欲が戻り、便通も通常であったのにわずか一日二日で食べた量が少なくなった様子や、吐くものもないのにえずいた様子、便も少なくなり・・と、ひょっとして一時は回復したのにその後毒殺?!と思われるようなことも書かれていました。
文書にして残される記録というものは、実に貴重だし、歴史の証拠となるし、“改竄”などもってのほかだと感じました。
今やその貴重な公的文書まで改竄、廃棄などを平気でするような役人や暗躍する国会議員がいるようですが、それは自らの立場を危うくし、やがては国自体を滅ぼすことになるということがわからぬような輩のすることです。
磯田道史さんの本は、まだ何冊か手に入れているので、また読みましたら読後感をここに書こうと思います。
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