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2024/02/26

井上ひさしさんの「日本語相談」という本を読みました。

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『日本語相談/井上ひさし著(朝日文庫)』という本を読みました。
1995年第一刷発行となっています。かれこれ三十年近く前の本です。

日本語の語源や、歴史、意味、文化、風俗など、週刊朝日の読者から寄せられた疑問に回答していく、という形式で綴られたものです。

「いい」と「よい」は、どちらでもいいのか?という疑問も投げかけられていました。
私も、ブログを書いていて、いつも迷うのです。「どちらにしようか」と。

ま、どちらでもいいらしいです。でも「いい」は口語的表現で「よい」の変異形と言ってもよく、「よい」の方が素性が正しく、形容詞としての活用形を持っていると答えられています。

大筋で私が使う時の選択は間違っていないようでした。

あと、私がしょっちゅうこのブログで言う、「視線」と「目線」の違いも書かれていました。
目線はもちろん業界用語です。
だから目線にはなんとなく人工的で、計画された響きがあり、使い方によってイヤな感じがしてしまうのだ、と書かれていました。私もそう思います。

もうひとつくらい挙げておきましょうか。
「自民党さん」「総務課さん」「千葉市さん」などのように組織名に「さん」をつけて呼ぶことが多くなったとも書かれていました。

私にはなんとなく“白々しい”感じがします。
地図などに「千葉銀行さん」などと目印に書かれているのも違和感があります。
固いこというなよ、と思われるかもしれませんが、なんだかしっくりこないし、馴染めない。

などと、上記のようなことについて井上ひさしさんがかなり色々調べた上で、時には真面目に、時にはくだけた形で回答している本、楽しく読みました。

 

2024/02/25

続報!!夏井いつき・句会ライブ in 市原市民会館(^-^) 俳句を詠んでみる_0001【 ガムテープ はがして 涙 残る雪 】

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Instagram から Facebook 経由でお知らせしました、テレビ「プレバト」の俳句コーナーでお馴染みの夏井いつき先生の句会ライブの状況。
こちらブログからは詳しくお伝えいたします。

2月24日(土)に市原市民会館で行われた上記の句会ライブ。妻が新聞折込チラシで発見し、行ってみようということで、出掛けました。
会場ロビーには、いかにも俳句のお仲間らしき団体の方々がいくつものかたまりとなり、挨拶など交わしていました。“自信満々”な感じで、たじろぎました(^^;)
着物を着て“いかにも”先生のような方も。

 

 

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希望者数名が俳句づくりにチャレンジするのを観客が見守るのかと思っていたら、夏井先生から俳句の楽しさ、簡単な作り方などのお話しを聞き、そのあと全員が俳句を作るのだと知って・・逃げようかと思いました( ゚Д゚)

で、スクリーンに今日のお題として「文房具店内」の写真が映し出され、これが今日のテーマです。はいっ!5分で作ってください。・・(^-^; あわてて写真に映っている文房具類などを見て、「ええいっ!」と書き、提出。回収もあっという間でした。

その後休憩時間があり、その間に夏井先生がどんどん選別していき、いくつか面白いものを読み上げ、最終的にはスクリーンを見てください!と映し出されたのは『七句』の俳句でした。
誰が書いたものかは、絶対の秘密となり、七句それぞれに会場にマイクが渡り、観客と先生で七句への批評が行われました。

 

 

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そして、優勝はその後観客の拍手によって決まることになり・・・インスタではご報告いたしましたが、優勝は私でした(#^.^#)
「どなたが書いたの?立ち上がって」と夏井先生から言われて立ち上がったのでした。

一番驚いたのは、隣に座っていた妻でした。

『ガムテープ はがして 涙 残る雪』が優勝句です。

一番最初の写真は、その句を妻が書いてくれて、さらに工作して「千代紙」をちぎり、カレンダーにしてくれたものです。ありがとう。

 

 

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優勝賞品として、先生から松山市の施設の割引クーポン付きの名刺と一緒に最新のご著書。これには『祝・句会ライブ優勝!!』と書かれたサインも入れていただいてありました。

先生からどういう句なのかと聞かれ、

自分は東京勤務時に、いくつもイベントを開催したが、撤収するときに色々と貼ったり留めたりしていたガムテープをベリッとはがし、そのとき「はがし残し」などもある。
それを春の残り雪のようでなぞらえた。

また、剥がすときにイベントでのいくつもの失敗や、お叱りなどを思い出すとともに、同僚の女性職員二人が必死に頑張ってくれた表情も思い出し、くやしさや、辛さ、感謝の気持ち、やり遂げたうれしさなどがこみ上げて来て涙してしまったのです。

と説明しました。

観客から見た批評会のときには、

「男と別れた女性がアパートなどに引っ越し、新しい生活を始めるために引っ越しの梱包のガムテープをはがしていて、思わず涙した句ではないか」

とか ^^;

「都会に就職した若者が、引っ越し先の自分の部屋に届いた故郷の父母からの野菜などの入った梱包をバリバリと開け、そして新しい仕事への不安や、父母の心づかいに泣いてしまったところだ」

などと感想が出ていました。

 

 

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結局、私はいろいろな取り方ができるようになったけど、それもいいや、と提出したのです。
それがよかったのかも。

他の入賞六作は、俳句づくりに熟れた素晴らしいものや、取り上げた文具が面白い取り扱いをされているものなど、私にはとてもとても作れるようなものではありませんでした。

生まれて初めて書いた、ビギナーズ・ラックですが、でも自分の素直な気持ちをそのまま真っすぐに書いたことが良かったのかもしれません。

終演後、会場を出る時に何人もの人から「おめでとう!」と声をかけられ、とても幸せでした。

先生からいただいた本を読み、これからは俳句を作ってみてもいいかも、と思っているところです。

 

2024/02/23

「微視的(ちまちま)お宝鑑定団/東海林さだお」という本を読みました。

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『微視的(ちまちま)お宝鑑定団/東海林さだお著(文春文庫)』という本を古本で見つけ、読んでみました。

初出は「オール読物」2006年5月号、2007年8月号~2009年4月号で、『男の分別学』として単行本が2009年に出ています。
この本はその文庫化で、2012年に発行となっています。

なので、18年~19年前の東海林さんの文です。

東海林さんが台所用品で一般人は手に入れないような物について魅せられる話から書かれていました。
たとえば湯豆腐セット。普通の家庭では小鍋があればそれで十分ですが、あえて火鉢のような形をしていて、銅釜が入っているような凝ったものを買い、実際にはほとんど眺めて喜ぶ・・というような東海林さん独特の趣味的境地が説明されていました。

他にもラーメン屋さんなどが麺の湯切りをするあの金属の網のようなものに縦の柄がついているものにも魅力を感じ、実際に使ってみたら台所がビショビショになったなんて話も書かれていました。・・もうこの辺でわけがわからなくなる(^_^;)

お酒を燗する「ちろり」と呼ばれる錫製の入れ物も手に入れていますが、燗つけ器や、おでんの船に入れたりするもので、これもほとんど鑑賞用かと思われます。
マニアックではあるが、その境地はちょっと理解できない感じなのが東海林さんらしいところです。

また、全長が2キロメートルもある戸越銀座商店街に行って、いろいろなお店を探訪したりもしています。
ここでは、商店街の魅力を余すところなく“東海林節”で紹介していて、東海林さだおの真骨頂が示されています。読み応えあり!とにかく目の付け所が私たち凡人とは違うっ!

あの清貧電鉄「銚子電鉄」に乗って、旅にでる(距離はめっちゃ短いが)エピソードも書かれていましたが、ついでにヒゲタ醤油の工場まで行って工場見学もしたりしています。
とにかく行動力がすごいっ!考える前に足が向いてしまい、グイグイ入り込んで行きます。
ここいら辺が常人とは違うのです。

さまざまな微視的(ちまちま)探訪というか、鑑定団ぽい行動をしている様子が面白く、一気に読んでしまいました。
東海林さだお、おそるべし・・。

 

2024/02/20

「新釈・びょうき事典/渡辺淳一」という本を読みました。

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『新釈・びょうき事典/渡辺淳一著(集英社文庫)』という本を古本で見つけて読んでみました。
1996年に単行本として刊行され、のちに文庫化されたものです。

病気について、医学博士でもあり、直木賞作家でもある著者の渡辺氏が事典のようにそれぞれの病気を「身近な病気」「ガン(悪性腫瘍)」「成人病と心の病気」「女性の病気」「感染する病気」などのジャンルに分けて、それこそ“お医者さん”から視線でメディカル・エッセイとして書かれていました。

当時の感覚としては割とユーモラスな部分もあるような書きぶりなのですが、今読んでみるとけっこう真面目な印象を受けました。

いや、私が年を取り、様々な病気についてかなり神経質にドキドキしながら読んでいたから、そう感じたのかもしれませんが・・。

この歳になると、ほんとうにいろいろな病気を経験しているし、倒れたことが何度もあり、入院も何度も経験しています。
だから、読んでいるうちにちょっと恐ろしくなってくるのです。自分がこの病気に今なったらどうなってしまうのか、と。

というわけで、著者の意図するように少しはユーモアを感じつつ、かなり病気への恐怖も感じつつ、読み終えました。

結局、今、自分は病気と日々対峙して生きているような状態だとあらためて感じたのでした。

 

2024/02/17

河合薫さんの「働かないニッポン」を読みました。

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『働かないニッポン/河合薫著(日経プレミアシリーズ)』という本を読みました。
私には珍しく“新刊”です。

読んでみて、ひと言で内容を言うと、「“働き損社会”というものに慣れっこになってしまった私たち」ということに尽きると思います。

仕事って、「人生を豊かにする成長の場」っていう共通理解のようなものが昔は有ったような気がします。今の頑張りが将来的な地位と給与である程度補償されていた・・そんな感じでした。

でも、今や人口ピラミッドが変わり、年功賃金や年功序列では企業が回らなくなり、50歳過ぎたらお荷物扱いされ(私もそうだった・・トップにいるボスから直接「あなたの給料は今後退職するまで昇給しません」というメールを受け取った)、どんなに頑張ったところで見返りはなくなりました。

自由裁量や能力発揮の機会もなければ、キャリアを積んできた社員の業務上の貢献や協調性に対して敬意を示し、評価することもなくなります。

経営側は、人の可能性を信じることが大事なのに、その可能性を最大限に引き出そうとはせず、人に投資せず、可能性という目に見えない力をないがしろにしている・・読んでいて深く同感しました。

また、世の中は当事者意識を持った人が政府や企業の小手先政策を批判すると、「批判するばかり」「対案を出せ」と攻撃してきます。・・毎日そんなのを見かける。

「働く」というのは能動的ですが、「労働」は強制的・・。
今の日本で日々繰り返されているのは「労働」ではないかというのです。

最近、大きな企業で様々な「不正行為」が問題となっています。
でも、現場は一生懸命働いているのだと思います。
上の層は数字や生産性ばかりを見ているんじゃないでしょうか。

意思決定の場は例えば今の政治で言うと、あの長老たちが壁となり、結局決定権のほとんどを握っています。

変わろうとしても、長老達は、かつて自分達が排除してきたことに拘り、自分が損をすると思っています。
だから長老の顔色ばかりうかがって忖度し、責任を果たすべき人が責任を果たさない。
小手先だけの絆創膏を貼るような手だてをするだけです。
今の日本は国からしてそんな状態のように感じます。

自分が打った銃弾で血を流している人には絆創膏を貼るだけ、そして銃を打ち続け、批判されると「対案を示せ」と言い、全てが他人事になっています。

見て見ないふり、やがて「冷たい社会」となり、それが今です。

で、話は戻ってきますが、人は“働く”のではなく、“働かされる”状態であるのが悲しや今の人たちのほとんどじゃないかというのです。

そんな気がします。

読んでいて、暗くなりそうでしたが、でもそんな人たちが希望を少しでも持てるような方法も書かれていました。それはここでは書きませんが、光が見えてくるので、気になった方はぜひ読んでみてください。

 

2024/02/14

「日本語おもしろい/坪内忠太」という本を読みました。

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『日本語おもしろい/坪内忠太著(新講社)』という本を古本で見つけ読んでみました。
2010年初版の本ですが、著者は慶応大学卒業後、書籍編集のかたわら、「雑学知識」を収集、雑学や様々な謎に迫るような本を書いている方です。

下手くそな役者をなぜ「大根」というか?とか

「超ド級」の《ド》って何だろう?とか

なぜ「十八番」と書いて「おはこ」と読むか?

などなど、私が日常使っていても、その起源、語源、謂れ因縁故事来歴がわからない言葉などを解説している本でした。

「副食」のことを「おかず」というが、なぜか?
なんていうのもありました。

これは、主食につけ合わせ、何品か“数を取りそろえ”て出す、数があることを女房言葉で「おかず」といったということなんだそうです。
女房言葉は、宮中に仕える女性が使った言葉で、衣食住に関するものが大半でした。
同様の例をあげると、「おつけ」「おにぎり」「おはぎ」「おひや」などがあるそうです。

というわけで、「おかず」は女房言葉なんだそうです。

“ミュージシャン言葉”で「おかず」というと、因みに私はドラムを叩くのですが、リズムを刻みながら、時々入れる“合いの手”のようなフレーズ「タカタン・トコトン」などとタムタムを中心に叩くフレーズのことを言います。
国外のミュージシャンは「フィル・イン」などと呼んでいます。

「ズンタタ・ズンタ」などというリズムは“主食の白米”であり、「タカタカ・トコトコ」などと合いの手状態で入れるフィル・インは“おかず”というわけです(#^.^#)

おもしろいねぇ(*^^*)

きっといろいろな分野の俗な専門用語などにもこんな言葉が見つかるかもしれません。

面白い本でした。

 

2024/02/12

「上坂冬子の上機嫌 不機嫌」という本を読みました。

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『上坂冬子の上機嫌 不機嫌/上坂冬子著(海竜社)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2000年から2002年頃にかけて新聞、週刊誌、月刊誌、講演記録からの抜粋で著者・上坂さんの文をまとめたものでした。

上坂さんは、2009年に亡くなられています。ノンフィクション作家としての作品は私の勉強不足で読んだことがなく、申し訳ありませんがそのお姿は時々テレビなどでお見かけしておりました。

たまたま古本屋でこの本を見つけ、“気っ風がいい”文体が面白そうだったので買い求めました。

ズバズバと思ったことを勢いよく書かれていますが、読んでいくと、この当時の首相は小渕さんから森さん、さらに小泉首相という、あの頃はそれなりに期待されたり・・失言ばかりで物議をかもした人もいたけど・・時代と共に国民が歩んでいた感がありました。今と比べれば、ということですけど。

でも、今から振り返ってみると、あの辺りから実は日本は傾き始めていたんじゃないかと思いました。
まだ我々は東日本大震災を経験しておらず、上坂さんは原子力発電について積極的な意見を述べていたり、羽田空港が国際便を入れることになって、成田空港をもつ千葉県が羽田行きの航空機を夜間に飛ばすなと言うなんてどういう料簡だ、などという発言もされていました。

散々血の闘争をしてでもわざわざ千葉県の成田に空港を作ってしまったのに、羽田は国際空港にする!と言いだし、羽田への超低空飛行の航空機が大騒音を残して羽田に行くのを直下の千葉に住んでいる人間が怒らないはずはないのに、なんてこと言うんだろうと、今の私は思いました。

けっこう踏み込み過ぎ、勇み足的な発言も多く、時代がそうだったのかどうかわかりませんが、夫婦別姓についても現在の状況とは正反対の意見をおっしゃっていました。
こういう意見が主力だった時代もあったのだ、と参考になりましたが、読んでいてちょっと???という部分もいくつかありました。

でも、文章は読み応えがありました。
読んでみなければ、その人の考えていることはわからないので、それなりに私の中に残るものもありました。そういう本でした。

 

2024/02/11

映画「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」を見てきました。

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映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(Jeanne du Barry)/2023年 フランス 監督:マイウェン 脚本:マイウェン テディ・ルシ=モデステ ニコラ・リベッチ 出演:マイウェン、ジョニー・デップ、バンジャマン・ラベルネ』を妻と見てきました。

18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描いた作品です。

俳優マイウェンが監督・脚本・主演を務めており、ジョニー・デップがルイ15世を全編フランス語で演じています。
シャネルによる衣装提供、そしてベルサイユ宮殿での大規模撮影で、豪華絢爛なフランス宮廷の様子が再現されていて、それだけでも見どころ十分です。。

貧しい家庭の私生児として生まれた主役のジャンヌは、類まれな美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界で注目を集めるようになります。

やがて、ついに・・ベルサイユ宮殿に足を踏み入れたジャンヌ。

国王ルイ15世とまたたく間に恋に落ちる。
国王の希望の光となり、彼の公妾の座に就いてしまいます。
だが、労働者階級の庶民が国王の愛人となるのはタブー。
さらに堅苦しいマナーやルールを平然と無視するジャンヌは宮廷内で嫌われ者となってしまいます。
そんなところにお輿入れの王太子妃マリー・アントワネットも、そんな彼女を疎ましく思っている、その状況下でのジャンヌや王宮の人たちの様子が絢爛豪華な宮廷の夢のような中で繰り広げられていました。
夢の中のようでもあり、ある意味どろどろとしたリアル感も醸し出され、見ているこちらは何とも胸の中がもやもやとするのでした。

 

 

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主役のジャンヌを演じたマイウェンは、強い意志と溢れる才気を持ち不思議な魅力を感じさせ、国王が虜になってしまうのもわかるような気がしてくるのです。

マイウェンは、監督もして主役として演技もしているのですが、美人で賢くもあり、下卑たところがあるかと思えばその身のこなしが殿方を魅了したりもする不思議な魅力を感じさせ、最後まで強烈に見ている人を引き付けました。
彼女本人の魅力と、ジャンヌという歴史の裏側にいた人の魅力が“相まって”素晴らしい人物像の描き方となっていました。

ジョニー・デップは国王ルイ15世をこれまた何を考えているやらわからない、でもそれが最大の特徴であり、魅力であるキャラクターをうまく演じ、ラストシーンは凄まじい最後となっていました。

私が一番驚き、素晴らしい演技だと思ったのは、国王の従者であり、ジャンヌに付いて励ましたり、導いたり、国王にも歩むべき道を無言で示しているような立場・役割のラ・ボルドを演じたバンジャマン・ラベルネでした。

この人がこの映画のストーリー全体を回していると感じ、控え目な演技に見えるのに、映画の芯となっていたのでした。
この人がいたからこそ、この映画が成功したんじゃないかと感じました。

視覚的にも素晴らしいが、国王はじめ主役ジャンヌや、ラ・ボルドの絶妙なストーリー回しなどの内面をうまく表現した演技も見ものでした。

とてもいい映画を見た、という気がしました。

 

2024/02/08

「銀座の喫茶店ものがたり/村松友視」を読みました。

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『銀座の喫茶店ものがたり/村松友視著(文春文庫)』という本を読みました。

「銀座百点」の2009年1月号~2010年12月号に連載されたものをまとめたものです。

登場する喫茶店、45店ありますが、恥ずかしながら田舎者の私 ^_^; どこも行ったことがございませんでした。
もちろん、名前は知っているところがいくつもありましたが、やはり銀座の喫茶店というと敷居が高い・・。

有名な“贅沢な空気感”のある「資生堂パーラー」などは一度は行ってみたいと思いつつ、一度も行ったことがない。

ジョン・レノンと小野洋子が突然入ってきた「銀座 樹の花」も行きたいなぁと思いつつ、一人じゃちょっと気後れしてしまいそうで、未だうかがったことがないのです。ビートルズ・ファンなのに・・。

珈琲好きな人なら大抵の人が知っている「カフェ・ド・ランブル」も行ったことないんです(^_^;)
十年寝かせたエージング・コーヒーって、どんな味なんでしょう?今度東京に行ったときには“恐る恐る”行ってみようか、なんて思ったところです。

伊藤博文の欧州みやげだった「ベートーベンの胸像」が店内にある店や、その他お店が出来たときの物語もさかのぼって面白く、しかも村松さんの洒落た文で書かれているので、ますます銀座の喫茶店の「風格・佇まい」のようなものがよく伝わって来たのでした。

私は、日比谷へ観劇に出かけることもあるので、次回東京に出掛けた際には、この本に載っていたお店に行ってみようと決意してみたところです。
・・だれか一緒に行ってくれると心強いんですけど・・(^-^;・・ねぇ。

 

2024/02/05

椎名誠さんの「単細胞にも意地がある」を読みました。

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『 ~ナマコのからえばり10~ 単細胞にも意地がある/椎名誠著(毎日新聞社)』を古本で手に入れ、読んでみました。

「サンデー毎日」の2014年4月6日号から11月16日号にに連載されたものをまとめたものです。

これでも“かれこれ”10年も前のものになります。
椎名さんは今まで幾多の危険な旅を含めた外国への旅をしてきましたが、この本を読むと、そろそろそんな旅も難しくなってきた・・というようなことを書いていて、今までの仲間と一緒に“雑魚釣り”に出かけたりしていた、強行・怒涛の酒飲みツアーみたいなものについても考えはじめているのが感じられました。・・身体の心配もしている。

この頃は、まだ北海道に別荘を持っていて、そのことを書いたりしているし、武蔵野に三階建ての住居があり、そこでの執筆の様子も書かれています。
後に、その別荘も住居も処分することになるのですが。

書かれている内容は、それこそアイスランドの旅の話もあれば、自宅のネズミ退治の話もあったり、かつて煙草を吸っていた時代の世相にふれたり、日本じゃ当たり前のことが外国では理解不能なことであったりすることなどについても書かれています。

でも、この時期そろそろ身体のことが気になりだしている椎名さん、人間ドックに行ったときのことも書いています。
まだその結果については悪いところは無さそうですが、でも私もそうですが、とても気になりだす年齢ってやはりあります。
椎名さんの心配が少し見え隠れしているように感じました。

政治家になりたがる人についても書かれていたし、カネと政治家のことについても憤りと不可思議な部分を感じつつ書かれていて、今現在の政治家について書いているのかと思うくらいの書きぶりでした。
つまり、あの頃からあまり政治家の様子は変わっていないのだな、と思いました。

いつもながら椎名さんが元気にあちこち飛び回り、ガシガシと文を書き、あっちに行っては笑い、こっちに行っては食いまくり、呑みまくり、そっちに出掛けては怒りにふるえる、という内容の本、面白く読ませてもらいました。

まだまだストックがある椎名さんの本、また読んだらご紹介します。

 

2024/02/04

「大河の一滴/五木寛之」を読みました。

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『大河の一滴/五木寛之著(幻冬舎)』という本を古本で入手。読んでみました。

平成10年発行の本ですが、書き下ろしの「人はみな大河の一滴」と共に「プレジデント」「家の光」「別冊サライ」からの文章も同時収録、さらにNHKラジオの「ラジオ深夜便」での語りも収録されたものとなっています。

読んでみて全体の印象は、五木さんが生きてきた中で、世の中の動きやその様子というものを自分はどう理解したらよいのか、また、そんな世の中で自分はどういう存在なのか、どう行きていったらよいのか、ということが書かれていたと思います。

この本のタイトルどおり、人は滔滔と流れる大河の中のまさに水の一滴という存在ではないか、というところから始まります。
でも、たった一滴でもそれは大河の構成のひとつとなっている、それを一人一人がどう考えるか・・ということが冒頭に書かれていたのです。

私が印象の残ったのは、私たちは「地獄の中に生きている」という言葉でした。
人にとっては、日常が地獄であって、“ときとして”思いがけない小さな歓びや、友情や、見知らぬ人の善意や、奇蹟のような愛に出会うことがある。
勇気が体にあふれ、希望や夢に世界が輝いてみえるときもある・・と。

さらに人として生まれてよかった、と心から感謝するような瞬間さえある。皆とともに笑いころげるときもある。

その一瞬が極楽だというのです。私は今まで生きてきた中で上記の話に納得する部分が多いと感じました。

次に印象に残ったのは、聖徳太子が最後に残した「世間虚仮(せけんこけ)」という言葉の話です。
「虚仮」とは仏教の世界で「真実でないもの」、目に見える仮の現象的世界を言うのだそうです。

聖徳太子の本音の底に「なんとでたらめな世の中であることよ」という苦笑とも絶望ともとれるやりきれない気配が横たわっていると感じられるというのです。

この世には「真実」もあれば「虚仮」もある。人というものは、おかれた状況や立場、そのときの他者との関係の中で、あるときは善意を、あるときは悪意を露出させる不確かであやうい存在なのではあるまいか・・と五木さんに問われ・・そうかもしれないと思いました。

次に印象に残ったのは、「世の中おかしいぞ」と数年前まではだれもが事あるごとにそう思ったが、今はどんなことが起きても、そのつど大きなため息をつくだけで、嵐のとおりすぎるのを肩をすくめてやりすごしているように思える、という部分です。

まさに今がそれじゃないかと私は思いました。
そんな中、人はどういう選択をして行けばよいのか、ということが書かれていましたが、これについてもはっきりと選択を決めつけず、生きてゆけないものかということが書かれていました。
私には今の世の中のことを思うと憤りが先に来て、まだ冷静に考えられなかったのでした。

五木さんが語りかけるように書かれたこの本、二十年以上も前のものですが、私にとってとても参考になるものでした。

生きているってことは、つらいことがいっぱいで、やりきれないことがもろもろですが、でも、生きていこうと思いました。生きているだけで、それは素晴らしいことなんだと思いながら。

 

2024/02/03

『寝床で読む「論語」 -これが凡人の生きる道-/山田史生』という本を読みました。

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『寝床で読む「論語」 -これが凡人の生きる道-/山田史生著(ちくま新書)』という本を古本で手に入れ、読んでみました。

2006年初版発行となっていましたが、内容はもっともっと古い(^_^;)論語ですので、読んでみてもまったく違和感なし!(*^^*)

著者は中国哲学が専攻の大学教授です。
大学教授で“論語”となれば小難しい本なのかと思いきや、実にわかりやすく“噛んで砕いて”さらに、トンカチで粉々にしたような(^^;)私のような普通一般の凡人にも理解できるように書かれた本でした。

著者山田氏によれば、旧来の解釈の代表とされている金谷治訳のものが容易に手に入るテキストとして代表的なもののようですが、その訳の少し難しく書かれているところや、ちょっと気取ってというか、難しく訳されている部分を「実はこういうこと言ってるんじゃないの」という形で書かれていました。

すこしばかり例をあげてみると

子曰く。君子は坦(たん)たらんとして蕩蕩(とうとう)、小人は長(ちょう)たらんとして戚戚(せきせき)たり。

→先生はいわれた。教養ある人間は、おだやかに生きようとして、いつもユッタリしている。知識ある人間は、ひとの上に立とうとして、のべつアクセクしている。

・・なんかわかりますよね(^-^) 「教養」と「知識」の違いについて私はあまりよく意識していませんでしたが、少し理解できたような気がしました。

以下、訳されている簡易な部分だけをご紹介して、私の気になったものを少しご紹介します。

先生はいわれた。教養ある人間は、なにごとも自分の責任においておこなうが、知識ある人間は、しばしば他人に責任をなすりつける。

・・これも社会に出ると実体験することです。思い当たることや人の顔が浮かんできます。

先生はつぎの四つのことにつとめられた。よけいな気をまわさない。こうだと決めてかからない。かたくなに固執しない。自分をひけらかさない。

・・身の回りだけでなく、どこかの政治家に聞かせてやりたい(^_^;)

ほんとうに大切なものは、どこにあるのだろう?目を開きさえすれば、それは目のまえにある。ありふれた日々の暮らしのなかに、それはある。

・・最近、身に染みて私も感じていることです。

先生はいわれた。人間が道徳をおこなうのである。道徳が人間をつくるのではない。

・・私も日々自戒して生きていこうと思います。今、「裏金」という言葉に惑わされ、部下のせいにしている政治家や、次々と事象が露見しているタレントなどにも聞かせたいと思いました。

以上です。少し心が明るく、楽になったような気がします。

 

2024/02/02

宝塚歌劇・雪組東京公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」二度目の観劇が出来ました。

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宝塚歌劇・雪組東京公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル(Happy“NEW”Musical)/FROZEN HOLIDAY(Winter Spectacular)』二度目の観劇をしてまいりました。
男役三番手、和希そら(かずき・そら)さんの退団公演となっているのですが、再度観劇できて幸せです・・。

ミュージカルの方は、前回見たときから比べるとかなり練られていて、それぞれの役回りを演者各々が理解を深めて演じられていると感じました。

英国の雰囲気が感じられ、ファンタジーでもあり、ちょっとミステリアスでもあるストーリー、衣装も凝っているこの演目、どちらかというと月組がやりそうな感じですが、雪組も“オシャレ”に、そして数多く盛り込まれた曲を軽快に歌い、踊り、楽しめる舞台となっていました。

和希そらさんも、主人公のコナン・ドイル[役:彩風咲奈(あやかぜ・さきな)]を発掘して売れっ子作家に育て上げる編集長の役を、今までの宝塚生活で培ってきた実力を存分に発揮して演じ、安心して見ていられました。
それにしてもこの公演で退団というのは実に惜しい。

舞台は“ウケる”ところは客席が揺れるように“ウケて”いい感じに温かい空気が漂い、コロナ禍や昨年の事件などで宝塚からだいぶ離れていた私ですが、やっと以前のような気持ちで観劇することができるようになりました。“観劇リハビリ”ができたかな、と感じました。

 

 

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ショーは、前回書いたように、久しぶりの“客席降り”があったり、雪組には珍しくどんどん押し寄せるように圧倒的な群舞や、主要なメンバーのコーナーも目白押しで新年最初の宝塚観劇には持ってこいの演目となっていました。

こちらでも和希そらさんは大活躍!
そらさんのコーナーでは、より一段と盛り上がっていたと“ひいき目”抜きで感じました。
トップ彩風さんとの珍しい男役同士のデュエット・ダンスも息をのんで見ました。胸にこみあげるものがありました。

そらさんが神父となり、歌い上げるコーナーはまさに“さよなら”を組子やファンに告げているかたちで、思わず涙してしまいました。
そらさん、長い間ありがとうございました。
楽しい宝塚観劇をずっと続けてこられたのも、そらさんがいてからこそです。

この公演が終わると、私は今後宝塚をどう見ていこうか、しばらくは放心状態になってしまうかと思います。
もう一度どういうふうに宝塚歌劇を見ていくか、自分なりに考えてみたいと思います。

 

2024/02/01

聞いてみた The Beatles/1967-1970 青盤 Disc2(2023 Version)

20231125_blue_002

前回の青盤 Disc1 から、だいぶ間が空いてしまいましたが、いよいよ赤盤・青盤、最後の青盤 Disc2 です。
ホワイト・アルバム以降の“濃いめ”の曲が目白押しです^^;
聞いてみます。

 


01 BACK IN THE U.S.S.R.

2018年 ミックス

これは既出の記念盤ミックスです。
ギターのリフがとても強調されている感じ。
ポールのボーカルがダブルになる部分もかなりはっきりと強調していると思います。
ドラム(ポール)の音も割と打音がクリアに聞こえると思います。
飛行機のジェット音のサウンド・エフェクトもオリジナルよりもかなりクリア。
ピアノの音もよく聞こえている。
全体的に圧力で押してくるようなミックスになったかと思います。


02 DEAR PRUDENCE

2018年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

いきなりイントロのギターが超クリアな音です。
そしてジョンのボーカルもオリジナルよりもかなりクリア。
ポールの跳ねるようなベースのフレーズも驚くほど強調されてよく聞こえます。
そして同じくポールが叩いているであろうドラムのハイハットもはっきりと聞こえ、スネア、バスドラムなどは太く圧力のあるサウンドになっています。
全体にオリジナルよりも“力強さ”が出たと思います。
ただ、この曲が「ベスト盤」に入るべきものかは、ちょっと疑問・・。


03 WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS

2018年 ミックス

割と大人しいというか、モノラルのミックスに近いのか・・。
ポールのファズが掛かったベースも思ったほど強調されていない感じ(普通のバンドのベースよりも強調はされているけど)。
間奏に入り、エリック・クラプトンのギターソロが始まっても、左側のスピーカーから出てきていて、中央から「これでもか」と押してくる感じはありません。
ジョージのボーカルは、オリジナルよりもナチュラルな音声に聞こえます。
リズム・ギターとして弾かれているフレーズについても、もっと騒がしい感じのサウンドでも良かったんじゃないかと思いました。


04 OB_LA_DI,OB_LA_DA

2018年 ミックス

記念盤のミックスですが、イントロに入っている手拍子のタイミングがオリジナルとちょっと異なっているように思いました。
リンゴのスネア・ドラムがシャキッとキレている感じ。
ボーカルにラララと入るコーラスもとても良く聞こえる。
ベースは思ったよりも強調されておらず、全体のバランスを取っているのかもしれません。
ブラスセクションもあまりコンプレッサーが掛かっているような感じがありません。
リズムを取っているアコースティックギターは、もうちょっと大きい音でもいいかも。


05 GLASS ONION

2018年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

これもディア・プルーデンス同様、オリジナルよりも力強くミックスされています。
“ジョンらしい”といえばジョンらしい感じのサウンドです。
全体にキレが良く、弦も打楽器もアタック音が固く、シャキッとしたミックスだと思います。
この曲についても「ベスト盤」に入れるべき曲かというと・・そうでもない感じなんですが、ビートルズ・ファンとしてはアルバムに入ってる曲が増えるのはうれしい(*^-^*)


06 BLACKBIRD

2018年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

この曲についてはベスト盤に入っているのは当然というか、今までなんで入ってなかったの?という曲です。
ポールのボーカルはよりナチュラルによく聞こえます。息遣いもわかるような感じ。
アコースティックギターについても、ギターのボディーが鳴っている音まで聞こえます。
ポールの右手指が独特の弾き方をするところまで聞こえます。
足踏みしている音はオリジナルよりも控え目かも。
鳥の鳴き声エフェクトはオリジナルとちょっと異なるところに入っているか?


07 HEY BULLDOG

2023年 ニュー・ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

ジョンの曲は、どれも新しいミックスでは力強さが出ているように感じます。
ドラムの音が残響音などに変化があったり、途中全体の音がボリューム下がり気味になっているところがあるのはちょっと意味不明でした。
この曲は好きな人が多いと思いますが、でもこの曲もベスト盤に入る曲かなぁと思いました。この曲大好きな人ごめんなさい。


08 GET BACK

2015年 ステレオ・ミックス

ジョージのリズム・ギターのキレの良さが光ります。
ポールの甘い声もいい、シャウトしそうでしないあの声にこのミックスでのサウンドは合っています。
ビリー・プレストンのオルガンもとてもキレよく、クリアに聞こえます。
ジョンの間奏ギターソロの音量はもっと上げてもいいのではないかと思います。
リンゴのドラムももっとズンズンきてもいいんじゃないか・・。


09 DON'T LET ME DOWN

2021年 ミックス

オリジナルからあまり目立った感じで強調されているところは無いように感じました。
曲の良さが勝って、私が曲に没入してしまうからか、あまりミックスまで気を回せず(^_^;)「いい曲だなぁ」と頷くばかり・・。
リンゴのハイハットとスネアの音も最高だと思いました。もちろんプレイも極上のドラムプレイです。


10 THE BALLAD OF JOHN AND YOKO

2015年 ステレオ・ミックス

ジョンとポールで録った曲ですが、プライベート録音っぽいサウンドが強調されているように思います。これはこれでカッコいいです。
リンゴのドラムセットは、ふつうこんな音で鳴っているんだなと感じられるくらい、ナチュラルな音でミックスされています。
ポールが叩く「それはねぇだろう」という感じのフィル・インもご愛敬だし、逆にアマチュアバンドのドラムみたいでカッコいいです ^^;


11 OLD BROWN SHOE

2023年 ニュー・ミックス

変なところが強調されたミックスにならず、オーソドックスなミックスで好感を持ちました。
ベースをグッと強調したい部分があったかと思いますが、それも思いとどまった感じで、好結果を生んでいます。
この曲にはベスト・ミックスになっていると感じました。


12 HERE COMES THE SUN

2019年 ミックス

ジョージの名曲中の名曲。冒頭のボーカルも崇高な感じで入っていて、ボーカルのミックスとてもいい!品があります(#^.^#)
アコースティックギターの音もやわらかく、光を感じるようなサウンド。
シンセサイザーの音もいいです。ちょうどよい(*^^*)
リンゴのドラムも軽快感が出ています。
ジョージがこの曲を作ったときの様子がわかるような温かく、キラキラしたサウンドになっていて良かったと思います。


13 COME TOGETHER

2019年 ミックス

このミックスも全曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」同様に、強調し過ぎなところもなく、良いミックスだと思いました。
リンゴのドラムもタムタムもバスドラムもなかなかいい感じのミックス具合です。
間奏部分もグワングワン言わせたいところですが、抑制が効いていて良いと思いました。


14 SOMETHING

2019年 ミックス

これもジョージ屈指の名曲です。
イントロのリンゴのタムの音、裏側のヘッドの揺れまでわかるようないい音で入っています。
ジョージのボーカルは、オリジナルよりもクリアに聞こえます。ジョージの気持ちがより伝わってくるかのようです。
バックの弦楽器の音も程よく聞こえます。
サビの部分のドラムもガンガンいきたいところですが、丁度良い加減の音量にミックスされています。
ポールのベースも名演で、大きな音にしたいところですが、輪郭はハッキリとさせているものの、大げさな音量アップはしていなく、ベストだと思いました。


15 OCTOPUS'S GARDEN

2019年 ミックス

イントロのジョージのギターも、リンゴのボーカルも割と強めに入っていて、うれしい感じ(^_^)
コーラスも遠慮なく音量が上がっています。
リンゴの数少ない曲だし、このくらいやってもいいでしょう(^^♪
間奏のドラムもけっこうドンガドンガやってます・・おまけだ、これもいいっ!!
ついでにリンゴのドラムプレイは百点満点でした。


16 OH ! DARLING

2019年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

ポールのボーカルが一人スタジオで歌っているような感じが出るようなミックスとなっています。オリジナルとは異なっていると思います。
その他、ギター、コーラスなどは程よい感じ。
シャウトする部分も大げさにしたりせず、この曲全体のバランスが取れていると思いました。
今回、あらたにベスト盤に入った曲ですが、これは入れても文句なしの曲だと私も思いました。ジョンも好きな曲だったみたいだし。


17 I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)

2019年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

ジョンのボーカル、とてもクリアによく聞こえます。
ジャジーというか、ブルージーなギターもいい音色で入っています。
ポールのベースはいいプレイをしているのですが、ギターの邪魔にならぬ程度にミックスされています。
新しくベスト盤に入れる曲かどうかは・・ちょっと疑問。


18 LET IT BE

2021年 ミックス

シングル盤になったバージョンの再ミックスですが、隅々にまで気を配り、ノイズの少ない落ち着いたミックスとなっています。
全体のバランスが絶妙に取れています。
文句のつけようのないミックスでした。


19 ACROSS THE UNIVERSE

2021年 ミックス

ジョンのボーカルがひとり部屋で歌っているような感じに聞こえ、リアルな感じがします。
バックのコーラスやオーケストレーションも隈なくよく聞こえます。
オリジナルの“もやもや”とするような感じとはちょっと異なります。ハープの音までよく聞こえる。なんか昔のビージーズを聞いているみたい。
ジョンのボーカル・スピードがオリジナルと異なるような気がするのは気のせいか?!


20 I ME MINE

2021年 ミックス そして今回新たにアルバム追加された曲。

ジョージのボーカルはかなりクリアでよく聞こえます。
ギターの音ものかなり強調されている。
逆にリンゴのドラムはやや控え目にミックスされているようです。
ということで、“ドラマチックさ”はオリジナル・ミックスの方があるように思いました。
この曲も新たにベスト盤に入ったわけですが、これはいいかも!


21 THE LONG AND WINDING ROAD

2021年 ミックス

全体的に破綻の無いミックスになっています。
ポールのボーカルについては少しクリア度が増している感じ。
弦楽器の音もきれいに入っています。
特に目だったところなく、よいミックスだと思います。


22 NOW AND THEN

なんと2023年の今回のアルバムでの“新曲”!!もちろん今回新たにアルバム追加された曲です。


ヨーコから提供された古いテープにピアノと共に入っていたジョンのボーカルを現在の技術で分離できることになり、遂にリリースが実現されたものです。
そしてこのベスト盤再編集の最後に持ってきたわけです。

この楽曲そのものの出来について言及している人が多々いますが、私は聞くことが出来ただけでとてもうれしい(*^^*)
そして、他のメンバーの演奏が加えられているというだけで、もうこれでいい!と思いました。
それに別に悪い曲じゃないよ、いい曲です。
出来上がった感じも、曲としてもサウンドも、プレイもいいと思います。
ここまで持ってきてくれたポールとリンゴに感謝です。ありがとう!!

 

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