「上坂冬子の上機嫌 不機嫌」という本を読みました。
『上坂冬子の上機嫌 不機嫌/上坂冬子著(海竜社)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2000年から2002年頃にかけて新聞、週刊誌、月刊誌、講演記録からの抜粋で著者・上坂さんの文をまとめたものでした。
上坂さんは、2009年に亡くなられています。ノンフィクション作家としての作品は私の勉強不足で読んだことがなく、申し訳ありませんがそのお姿は時々テレビなどでお見かけしておりました。
たまたま古本屋でこの本を見つけ、“気っ風がいい”文体が面白そうだったので買い求めました。
ズバズバと思ったことを勢いよく書かれていますが、読んでいくと、この当時の首相は小渕さんから森さん、さらに小泉首相という、あの頃はそれなりに期待されたり・・失言ばかりで物議をかもした人もいたけど・・時代と共に国民が歩んでいた感がありました。今と比べれば、ということですけど。
でも、今から振り返ってみると、あの辺りから実は日本は傾き始めていたんじゃないかと思いました。
まだ我々は東日本大震災を経験しておらず、上坂さんは原子力発電について積極的な意見を述べていたり、羽田空港が国際便を入れることになって、成田空港をもつ千葉県が羽田行きの航空機を夜間に飛ばすなと言うなんてどういう料簡だ、などという発言もされていました。
散々血の闘争をしてでもわざわざ千葉県の成田に空港を作ってしまったのに、羽田は国際空港にする!と言いだし、羽田への超低空飛行の航空機が大騒音を残して羽田に行くのを直下の千葉に住んでいる人間が怒らないはずはないのに、なんてこと言うんだろうと、今の私は思いました。
けっこう踏み込み過ぎ、勇み足的な発言も多く、時代がそうだったのかどうかわかりませんが、夫婦別姓についても現在の状況とは正反対の意見をおっしゃっていました。
こういう意見が主力だった時代もあったのだ、と参考になりましたが、読んでいてちょっと???という部分もいくつかありました。
でも、文章は読み応えがありました。
読んでみなければ、その人の考えていることはわからないので、それなりに私の中に残るものもありました。そういう本でした。
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