香山リカさんの『いまどきの「常識」』を読みました。
『いまどきの「常識」/香山リカ著(岩波新書)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2005年第一刷発行となっていました。
約二十年前のものですが、読んでみると、もうこの頃からこんな現象が出ていたのか、というようなことが書かれていました。
たとえば、「泣くと決めて観る映画」なんてフレーズが週刊誌はじめ、けっこう流布していたことがわかりました。それは今も変わっていないみたい。
現実離れしていようが、内容はさほどたいしたものでなくても、困難や、恋愛、難病などを表面的に描いただけのドラマなどについて「泣けたよね~」「超感動」などというフレーズで当時の人が夢中になっている様子がわかりました。
その他にも、「あの人はバカ」と先に言ってしまえば自分はバカじゃないと思う人。
すべてお金が人生・生活の基本となっている人、現実がいかに捻じ曲がっていても、その現実には従うしかないという人、いつもゆっくりしたい、ラクしたいと言っている人、男は男らしく、女は女らしくというが大前提の人、すべてを自己責任という言葉で片付ける人、外国人はとにかく危険という人、平和・反戦にとらわれるのは頭が古いという人、何よりも人権よりも国益優先という人、戦争にならぬよう外交努力をするよりも軍隊を持ってこその普通の国だという人、ナショナリズムは普通で健全で自然・・という人などなど・・(^_^;)
二十年前から変わっていない・・というよりも悪化しているのが現在じゃないかと思いました。
そして、今まさにその“膿”が出始めたところなんじゃないでしょうか。
でも、“膿”は出たがらないねぇ(^-^;
どなたかが「X(Twitter)」で書かれていましたが、脱税している奴らが納税を訴え、法律を守らない奴らが憲法改正を叫び、戦争へ行かない奴らが戦争の準備をしている・・。
そんな膿が今、果たして出切るのか・・と思いつつ読了いたしました。
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