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2024/04/30

「にょにょにょっ記/穂村弘」を読みました。

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『にょにょにょっ記/穂村弘著・フジモトマサル挿絵(文春文庫)』を読みました。
別冊文藝春秋の連載に加筆修正し、2015年に単行本化され、2018年に文庫版となったものです。

穂村さんのこのシリーズ本については、すでにこのブログで「にょっ記」をご紹介したことがありますが、まあだいたい似たような感じの本です(^^;)

目のつけどころが面白いというのが、この“にょっ記”シリーズですが、でも読んでいるこちらとチャンネルが違ってしまったりすると、「ちぃとも面白くない」ような文が続くことになります。
それがつらい・・(^_^;)

でも、この本に書かれていることくらい日常に感じている些細なことに興味を示したり、面白がったりしないと「短歌」なんか詠めないんだと思います。

私は、俳句も短歌も好きですが、短歌は面白いものはとてもいいのに、一旦「そんなことどうでもいいでしょ」と思ってしまうと「ちょっとやりすぎ、自分の感覚を押しつけ過ぎ」なんて思ってしまいます。
まさにこの本についてもそんな感じでした。

面白いところはメッチャ面白いんだけど、自分の感覚とあまりにもかけ離れているとまったく面白くない ^^;

というわけで、面白いところと面白くないところの比率は4対6となりました。

 

俳句を詠んでみる_0081【 野を坂を 歩み這い出(い)で 薊(あざみ)原 】

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前回アップした俳句に続いて、また子供の頃に野山を歩いたときのことを詠みました。

【 野を坂を 歩み這い出(い)で 薊(あざみ)原 】

《背景》季語:薊[春]
小学生の頃、日曜の午前中に近くの山の中を歩くのが楽しみだった。
いつもは行かぬ野の中を抜け、細い急な坂道をハアハアいいながら這うように登ってみた。
坂道の途中では清水も湧いていた。
登り切ったそこは広い原っぱになっていて、一面、薊(あざみ)の原だった。
夢を見ているようだった。

 

2024/04/29

「2択で学ぶ 赤ペン 俳句教室/夏井いつき」を読み・・勉強しました。

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『2択で学ぶ 赤ペン 俳句教室/夏井いつき(ヨシモトブックス)』をブックオフで買っておいたのですが、体が俳句に慣れてきたので「もういいだろう」と読みながら勉強しました。

三月初め頃からこのブログに自作俳句を掲載してまいりました。
ついにその数は80句を超えました。
体がやっと俳句をつくることに慣れてきたようです。
その勢いで、表題の夏井いつき先生の本を読みながら「2択問題が並ぶ」形式のこのテキスト本、考えながらやってみました。

多くの頁は、ふたつの句が並べられ、これこれこういうポイントで二句を読んで、どちらが良い例か、どちらが悪い例か当ててみよ、というのです。

わかりそうだな、と思いながら二句を比べてみたのですが、けっこう高い確率で悪い例の方を「こっちがいいな」と選んでしまいました。ちょっとショック ^_^;

でも、よくよく夏井先生の解説を読んでみると、「なるほど」と納得することばかりで、まだまだ修行が足りない、と反省しました。

全体に目配りが出来ていなく、自分の感覚的なものに頼り過ぎていることがわかりました。
細かい技術的なものについても知らないことが多い・・。

また、この本ではテレビ番組の「プレバト・俳句コーナー」がどのようにして始められ、どんな苦労があって、今に至ったのかということも書かれていました。

最初はスタッフ自体が俳句のことをよくわからず、夏井先生の怒りがおさまらないようなこともあったようです。
でも、スタッフも番組出演者も俳句のことを勉強して、本気でやり始めるとあっという間にあのように優れた内容になったとのこと。

その過程を読んでいるだけで、番組傍観者だった私もすっかりその輪の中に入ったような気分になり、よかったよかった(#^.^#)とうれしくなりました。

読み進んでいくだけでかなりの勉強になる本でした。
まだ俳句の教則本的なものを古本で見つけてきたので、また読みましたらその感想をアップいたします。

 

「大晩年/永六輔」を読みました。

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『大晩年/永六輔著(中央公論新社)』という本を古本で読みました。

2014年初版発行となっていますが、内容としては婦人公論、週刊文春、中央公論などに掲載された2011年から2013年の永さんの文や対談をまとめたものです。

文中で話題となっているのが、46年間続いた永さんのラジオ番組で話の聞き役となったアナウンサー遠藤泰子さんとの対談です。
遠藤さん、今でも朝のニュース番組に森本毅郎さんと毎日出ています。言葉少なで、でもビシッと締めています。

遠藤さんでなければ、永さんと数十年も番組を付き合うことなど出来なかったでしょう。
そして、その後のラジオ番組では、外山惠理さんと組んだわけですが、“介護”込みの面倒見の良さが光っていました。

永さんは、六十代から「大往生」などの本を書かれていますが、この本を読むと、そのときはまだ死に対する恐怖感があったようです。
でも、奥さんと死に別れ、盟友の小沢昭一さんとも別れ、かつてご自身と関わって様々な仕事を一緒にしてきた方達も亡くなられて、「あの人たちに会いに行ける」という気持ちも出てきて、それほど死を怖れなくなったと書かれています。

そしてパーキンソン病とガンという病気にもなって、今まで信じてもいなかったお医者さんと仲良くなり、話をして病気に関する知識も得て、さらに人はどうやって死ぬことに対して準備していくか、などを日々考えるようになり、この本ではそれを余すところなく書かれ、そして対談でもわかりやすくお話しされていました。

私自身にも参考になりました。
やはり、命にかかわる病気などをしないとその領域まで心が追いつかないのだと思いました。
せっかく助かった命、もったいないことなので、私も生かしていきたいと思います。

 

俳句を詠んでみる_0080【 朝涼(あさすず)に 釣糸垂れる 少年期 】

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小学生の頃、休日の朝早くにフナ釣りに行った思い出を句にしました。

【 朝涼(あさすず)に 釣糸垂れる 少年期 】

《背景》季語:朝涼[夏]
少年期、夏の朝、まだちょっと涼しさを感じる早朝から家を出て近くの池に向かう。
池に着くと、もう大人の先客がいる。
先を越されたと思いながら、前夜に準備した釣り竿にエサをつけて投げ入れる。
日曜日、休みの朝のわくわくとするひとときだった。

 

2024/04/28

俳句を詠んでみる_0079【 検査値は 春のかたみか 基準超え 】

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調子に乗り過ぎた四月を反省するような句を詠んでみました。

【 検査値は 春のかたみか 基準超え 】

《背景》季語:春のかたみ[春]
コロナ禍以前の四月は歓送迎会やその他飲み会が多く、連夜帰宅も遅くなった。
かかりつけ医で検査をしたら・・基準値超えがちらほら・・。
まさに“春のかたみ”か!晩春の想いを詠んだ。

 

「句集 一人十色/梅沢富美男」を読みました。

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『句集 一人十色/梅沢富美男・夏井いつき監修(ヨシモトブックス)』を読みました。
読みたいと思っていたけど、ついに読みました。

テレビ番組の「プレバト」をご覧になっている方には、すでにご存知かと思いますが、梅沢富美男さんが番組の中で傑作句50句に達し、めでたく句集が出ることとなり、この本が刊行されたものです。

番組内でも梅沢さんの句は、私がとても好きな句が多く、わがことのようにうれしいです(#^.^#)

至極の50句は、美しいものが多く、品もあります。そしてちょっと意外というか、ああそういうことを詠んだのか、それもいいなあと思うようなものもありました。
思っていたとおりの良い句ばかりで、私もうれしい気持ちでいっぱいになりました。

また、後半は夏井いつき先生と梅沢さんの対談も載せられていて、梅沢さんの俳句に対する最初の頃の感覚から、徐々にその世界に深く入っていって、悩んだり、苦しんだりもしながら句を生み出すときのよろこびのようなものまで伝わってくる素晴らしい対談でした。
夏井先生から梅沢さんの努力、勉強を怠らない姿勢への賛辞もありました。

番組の中でのお二人の丁々発止のやり取りが「台本」があるように思っているファンがいるというお話しも書かれていましたが、もちろんお二人がアドリブでやっていて、あれも番組の名物というか、あれがなければ始まらない感じがいいと、いつも思っています。

終盤は、梅沢さんの句に対して夏井先生が朱書きで訂正を加えた作品に関しての解説もありました。
これが、句を必死で書いている今の私にとって、とても参考になりました。
なかなか一人でやっていると気づかないことが多いのです。

最後に、この本を読んで、ますます私も今後句を作り続けたいと思いました。
私のこのブログを読んで、「いったいどうしちゃったんだろう」と俳句ばかり詠んでいる状態を見て思っていらっしゃる方も多かろうと思います。
でも、何か、もうひとつ人生の扉が開いたような気になっているのです。

だから、続けます。
3月3日から詠み始めて現在このブログにアップした俳句はすでに78句になりました。
本日は79句目を挙げる予定です。

 

2024/04/27

内館牧子さんの「女の無作法」を読みました。

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『女の無作法/内館牧子著(GS幻冬舎新書)』という本を読みました。
2018年第一刷発行となっています。

内館さんが仕事やその他いろいろな付き合いの中で、「こんなときにはこう振舞った方がいい」とか「そんなこと言うと誤解されるよ」とか「あの言動は我ながら失敗だった」というようなことが数々書かれていました。

若い人が喋っている会話そのものが何と発音しているのかわからない、というエピソードも書かれていましたが、私もそうだし、いわゆるJPOPで歌われている歌詞は日本語であるのに歌詞カードを見なければほぼ理解できない状況にいるのが私です。
なんとかして英語に聞こえるように日本語を妙な発音にしていると思われますが、はっきり言ってみっともないと思っているところです。

内館さんが委員として出席している会議の中で、やたらカタカナ語が使われていることも指摘されていました。

センター・オブ・センター、ワイズ・スペンディング、アウフヘーベン、ダイバーシティ、オーラル・フレイル、エンゲージメント、イノベーション、アジェンダ、イシュー、ステルス、マスト・アイテム・・・(^^;)などなど、どんどんわからなくなっていくばかりです。
私が感じていることを言わせてもらうと、論点やほんとうのことを“ごまかそう”としているときにあやしいカタカタ語が使われているんじゃないか・・と。

若い人の「ヤバイ」「無理」「受けるゥ」も、ほとんど会話のときにこの三語で済まそうとしているのではないか、と内館さんは疑っていますが、他に語彙が無いんでしょう、たぶん。

若い人に負けず劣らず、国会議員の皆さんにおかれましても、仕事上の失態や不倫の釈明も、だいたいが「誤解を招くことをしてしまった」という言い訳にもならない説明をしています。
誤解しているのはお前だけだ!と言い返してやりたいっ!
誤解じゃない、あの失態や失言はまさにお前がやったこと、言ったことだ、誤解のしようがないぞ。
二人でホテルに入り、一晩経って二人で出てくるところまで写真に撮られても、それでも誤解を招くことをしてしまったと言っている・・、二人でトランプでもやっていたんでしょうね ^_^;

この本に書かれていたのは、内館さんの仕事での相手方や私事で付き合いのあった人とのいろいろなトラブルのようなことがたくさんありましたが、それは今回は割愛いたします。
けっこうすごい内容なので、実際のこの本を読んで「ああ、なるほどそうなっちゃうのね」と感心することしきりなのでぜひ本屋さんで手に取ってみていただきたいです。

今回の読後感はここまで。

 

俳句を詠んでみる_0078【 長夜(ちょうや) 返らぬレコードの音 聞こゆ 】

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学生時代の“貸したままのレコード盤”について詠んでみた。

【 長夜(ちょうや) 返らぬレコードの音 聞こゆ 】

《背景》季語:長夜[秋]
たいていは貸したレコード、本の類は返ってこない。
秋の夜長にそんなレコードのことを思い出す。
「あのアルバム、一曲目はあれだったな」などと心の中で楽曲が再生されていることに気づく。

 

2024/04/26

俳句を詠んでみる_0077【 秋の蝶 そっと引く 彼の妻の掌(て) 】

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今回はちょっと雰囲気を創作して詠んでみました。

【 秋の蝶 そっと引く 彼の妻の掌(て) 】

《背景》季語:秋の蝶[秋]
秋の蝶は、夏の終わりに羽化したものが傷ついて弱々しく飛んでいる姿。
今までは互いの気持ちを隠し明るく振舞っていた二人だが、秋の蝶のような弱々しい姿を垣間見た瞬間、思わず掌を握り、引き寄せた。
そんなシーンを描いてみました。
妄想編・・・。

 

俳句を詠んでみる_0076【 白シャツ 雲 ビル ニコライそびえ立つ 】

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暑い日が続きます。ということで夏の季語「白シャツ」で印象に残っている光景を詠んでみました。

【 白シャツ 雲 ビル ニコライそびえ立つ 】

《背景》季語:白シャツ[夏]
お茶の水駅を降り、ニコライ堂まで歩く。
夏の青空にぽっかりと雲が浮かび、その下では白シャツの勤め人が行き交う。
高層ビルが立ち並ぶ都会の風景にニコライ堂がすっくとそびえ立っている。

 

2024/04/25

俳句を詠んでみる_0075【 バス停 ひとり待つ始発 冬の朝 】

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始発に乗って通勤していた頃を詠みました。

【 バス停 ひとり待つ始発 冬の朝 】

《背景》季語:冬の朝[冬]
東京勤務だった頃、情報収集のため、7時半から行われる情報入手先機関の会議に合わせて早朝出勤した。
その頃のバス停付近には草が伸びた原っぱ以外何も無かった。
寒いし、さびしいし、つらいし、眠いしの大変な思いでバスを待った。

 

「車のある風景/松任谷正隆」を読みました。

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『車のある風景/松任谷正隆著(JAFMateBooks)』という本を読みました。
これも珍しく新刊です。

「JAF Mate」に掲載された松任谷さんのクルマに関する文(2018年~2023年)をまとめたものでした。

松任谷さんと言えば、カーグラフィックTVで進行役をされていることで私も知る“クルマ好き”です。
この本の中に書かれている文章は、どれもこれもクルマ好きがかつて通ってきた道が描かれているように思いました。

つまり・・けっこう運転が未熟で恥ずかしかった頃の話や、最初にクルマを手に入れたときのワクワク感や、カッコつけて失敗した話、同じくクルマ好きな友人や知人とのエピソードなどが書かれていて、まあ飽きることはありません。

奥さんの荒井由美さんと結婚する前にドライブした話なども載っていましたが、まあ失敗の連続というか、すでにユーミンは当時もう売れっ子だったであろうに、その失敗談があまりにも私たちと変わらないもので、とても身近に感じるとともに、正隆さんはけっこう我儘で気が短く、しかも道がよくわからない土地に行った時などに「ええい、ままよ」と“一か八か”みたいなことをする人だとわかって・・想像と全然ちがう人だった、と驚きました。

一番すごい失敗談は、まだお二人が結婚する前、当時は「納豆スパゲティ」というものが渋谷の「壁の穴」で出始めて、ユーミンが納豆とスパゲティをタッパに分けて持ってきて、二人でクルマを停められるところまで行き、真っ暗なところで混ぜようとして落としてしまい・・センターコンソールとシートの間に納豆がぬるぬると流れ込んでしまった話。

少しは手ですくい取ったが、クルマの中の匂いは強烈で窓を開けて走ってもたまらないものだったという・・(^^;)・・えっ、あのユーミンが!と思うような話まで書かれていました。

クルマに関しては、やはり外車の話が中心となっていましたが、登場人物の中には、亡くなった高橋幸宏さんもいて、松任谷さんとの仲がいいんだか、悪いんだかわからない、エピソードも書かれていました。高橋さんのちょっとスカした、そしてオシャレな感じが伝わる面白い話でした。

というわけで、300頁近いものでしたが、あっという間に読み終えました。
クルマ好きには“おやつ”代わりにおいしい本でした。

 

俳句を詠んでみる_0074【 スコッチでハイボール 立夏 喉に沁む 】

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暑い日になりそうです。そんな日のことを思った句のストックがありましたのでアップいたします。

【 スコッチでハイボール 立夏 喉に沁む 】

《背景》季語:立夏[夏]
春から夏へ、夏の気の立つような日、すこし奢ってスコッチを使ってハイボールを作ってみた。
夏の始まり、スコッチと炭酸が喉に沁みた。

 

2024/04/24

俳句を詠んでみる_0073【 足早き 白魚の如し 手も触れず 】

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白魚のごとき人を詠んでみた。

【 足早き 白魚の如し 手も触れず 】

《背景》季語:白魚[春]
白魚は、あまり日常出会うこともなく、足も早そう。
やっと巡り合ったあの彼女が「あっ、もうこんな時間。私は〇〇線だからあっちです。じゃあまた」と去って行く・・。

 

俳句を詠んでみる_0072【 冬の星 血中濃度 見て祈る 】

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以前倒れて、集中治療室入り直前までになった時の様子で一句。

【 冬の星 血中濃度 見て祈る 】

《背景》季語:冬の星[冬]
数年前に倒れ、病院に運ばれ、胸や手に様々なセンサーが装着され、ナースセンターに刻々とデータが送られていた。
自分にも脈拍や血中酸素濃度の数値などがモニターから見て取れる。
病室の窓から見える冬の澄み切った空に浮かぶ星に祈るような気持ちになった。

 

2024/04/23

俳句を詠んでみる_0071【 木の撥(ばち)で シンバル叩く音 冷たし 】

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また楽器のことで一句、高校生の頃を思い出して詠みました。

【 木の撥(ばち)で シンバル叩く音 冷たし 】

《背景》季語:冷たし[冬]
高校の頃からバンドを作り、楽器はドラムだった。
冬の寒い部屋での練習、木製スティックのチップ(先の丸くなっている部分)が金属製のシンバルに当たる音は、木と金属のぶつかるカツーン・カツーンという、叩いている者だけが聞くことの出来る冷たい音だった。

 

俳句を詠んでみる_0070【 窓に夕焼け 地下鉄 地上に出る 】

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地下鉄が地上に出たときの瞬間の感覚で一句詠みました。

【 窓に夕焼け 地下鉄 地上に出る 】

《背景》季語:夕焼け[夏]
東京に通勤していた頃。
夏の日は長く、帰宅の地下鉄が乗り換え駅の新木場に近づくと地上に出てくる。
さっきまでの夏の午後の風景が夕景に変わっていた。

 

2024/04/22

俳句を詠んでみる_0069【 音ハズれ 色なき風に 乗るギター 】

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昨年、年寄りの手習いで買ったギター、その練習風景で一句。

【 音ハズれ 色なき風に 乗るギター 】

《背景》季語:色なき風[秋]
昨年、秋口に買ったギター。
少しずつコードを覚え、鳴らしてみるが、音はハズれている。
色のない様な透明感ある秋風に色が付くようにギターの音が乗ってゆく。

 

「某飲某食 デパ地下絵日記/東海林さだお」を読みました。

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『某飲某食 デパ地下絵日記/東海林さだお[文・絵](文春文庫)』を古本で読みました、というか絵と写真とともに楽しませてもらいました。

1999年に単行本化され、この文庫は2003年に第一刷が発行されていました。
読んでみると、もともとは、毎日新聞の読者向けに小田急百貨店の新聞広告をシリーズ化したものだそうです。

著者・東海林さだおさんに毎月一点、食品売り場で選んだ商品をテーマに漫画と文章を書きおろしてもらうという・・すごいこと考えたなぁという企画ものなのでした。

文章は活字化せずに、東海林さんが手書きしたものを載せていて、それも対象が食品なだけに美味しそうに感じられてよいと思いました。
さらに東海林さんの漫画がくっついてくるわけで、そのページをさらにめくると、写真で商品が紹介されています。ぜったいに効果抜群だったのではないかと当時の様子を推察いたします。

朝採りアスパラガスや、黒ごまトースト、越冬雪人参、でんすけすいか、大根もちなどなど(#^.^#)東海林さんの名調子と思わず“ぷっ”と吹き出しそうな漫画がついての紹介です。
面白くないはずがない。

というわけで、あっという間に「キッチン飛騨 焼肉セット」の写真などをみながら「いいなぁ」と言いつつ読了いたしました。

 

俳句を詠んでみる_0068【 かかりつけの 漢方苦し 春の泥 】

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現在、かかりつけ医は漢方内科の先生です。漢方中心にしてから調子がいい!そこで一句詠みました。

【 かかりつけの 漢方苦し 春の泥 】

《背景》季語:春の泥[春]
春先のぬかるんだ道での歩きに難儀するように、かかりつけ医から新たに処方された漢方の苦さにはなかなか慣れない。

 

2024/04/21

俳句を詠んでみる_0067【 秋深し オープンリールで 耳コピー 】

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日々書いている俳句のストック分を毎日二作アップして解放しています。
本日二作目は学生の頃やっていたバンドで楽曲をコピーする様子です。

【 秋深し オープンリールで 耳コピー 】

《背景》季語:秋深し[秋]
私が高校生の頃、秋も深まると学園祭が迫ってきて、バンド演奏で出演するための練習が佳境となる。
メンバーが皆、それぞれに自宅で自分の楽器のパートをオープンリールのテープレコーダーで何度も何度も繰り返し聴き“耳”でコピーするのが当り前の時代だった。
それで教室での練習に集まれば、けっこう“イケてる”演奏が出来るのだった。

 

「天気でよみとく名画/長谷部愛」を読みました。

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私にしては珍しく新刊本です。
『天気でよみとく名画/長谷部愛著(中公新書ラクレ)』を読みました。
今年の2月に発行されたばかりです。

著者の長谷部愛さんは、気象予報士で東京造形大学特任教授、そして私にはラジオの天気予報でよくお声を耳にする方です。
アナウンサーやパーソナリティの会話をよく聞いていて、そこからネタを拾い上げておいて、ご自分の天気予報時には、その話題と天気を“ダジャレ”にして思わず「ウマいっ!」ということがよくある、とても頭の回転が素晴らしい方です。

で、今回読んだきっかけは、新聞の書評でした。
海外、国内の名画に描かれている空、雲、など天候の様子について、気象予報士の専門的な視線であらためて「名画鑑賞」してみる・・というような内容で、実に興味深く面白い取り上げ方でした。

読んでいくと、それこそ実に写実的に空・雲の様子などを描いている画家の話や、イギリスやフランスなどの気候の特徴がよく出ている絵画なども取り上げられていて、今まで気づかなかった鑑賞の仕方が実に新鮮でした。

また、湿気の多いイギリスと昔の日本の共通点などにふれていましたが、統計的数値でいくと、過去には多かった東京の「霧」は激減しているとのこと。
コンクリート・ジャングルと化した東京は、かつての江戸とはかけ離れた様相を呈していることもわかりました。

洋画だけでなく、浮世絵にも「そうだったよな」とあらためて思い出すその地方特有の気象現象などが描かれているものがあって、頁をめくるたびに“目から鱗”です。

雪の結晶なども観察されて、浮世絵の着物の柄に雪の結晶が散りばめられたものがあったりしたのも驚きでした。昔の人たちの観察眼は鋭いっ!

最初は誰もが思い浮かべることができる「フェルメール」の絵から気象との結びつきについて書かれているので、取っつきやすい本でした。
かなりなおススメ本です。

 

俳句を詠んでみる_0066【 恋の果て 極月(ごくげつ)の屍(かばね) 愛の果て 】

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瀬戸内寂聴さんや水木しげるさん、ほかのいろいろな本を読んで辿り着いた感覚を詠んでみました。

【 恋の果て 極月(ごくげつ)の屍(かばね) 愛の果て 】

《背景》季語:極月[冬]
晩年の瀬戸内寂聴さんの言葉を思い出した。
激しい恋の果てに、やがて肉体を超えた愛に至る。
そして烈しく愛した生涯のあとに、悔いなくおだやかな死を迎えると。
人生の極月を想い、屍となった自分を想像した。
人は生きているか、死んでいるかの二つしかないのだという、水木しげるさんの言葉も思い出した。

 

2024/04/20

俳句を詠んでみる_0065【 春の風 恋文代わりの 花林糖 】

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今回は「花林糖」をつかって詠んでみました。

【 春の風 恋文代わりの 花林糖 】

《背景》季語:春の風[春]
「誰々も来ますよ、出てこれますか?」と春の風のようにお誘いの連絡がきた。
そして集まった場で、「あ そうだ そうだ」とバッグの中から出てきたのは“恋文”ならぬ“ちょっぴり塩味”赤穂の天塩がかかった塩対応の花林糖。
彼女の心は読めぬまま・・・。

 

俳句を詠んでみる_0064【 朝霞 エイトビートで 歩く道 】

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春の朝霞が出ている外に出て、歩き出したときの一句。

【 朝霞 エイトビートで 歩く道 】

《背景》季語:朝霞[春]
春の朝、玄関を開けて外を見ると霞がかかっているが、気持ちの良さそうな空気が漂っている。
ちょっとそこまで歩いてみる。
ワン・ツー・スリー・フォー・・・セブン・エイト、軽快なエイトビートのリズムで少し遠くまで歩いてしまった。

 

2024/04/19

映画「パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~」を見てきました。

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映画『パリ・ブレスト ~夢をかなえたスイーツ~(A La Belle Etoile)/2023年 フランス 監督:セバスチャン・テュラール 脚本:セドリック・イド 出演:リアド・ベライシュ、ルブナ・アビダル、クリスティーヌ・シティ、パトリック・ダスマサオ、フェニックス・ブロサール、リカ・ミナモト』を妻と見てきました。

この映画は、それこそどん底の“どん底”にまで落ちてしまった若者がパティシエの頂点、しかも世界の頂点目指して這いあがり、苦難も困難もどうにかこうにか突破していく過程を描いたものでした。

子供の時分には、親がほとんど面倒を見てくれず叔父や叔母の世話にもなるが、それでも様々なことがあって施設のようなところに入り、そこでもトラブル続き、なんとかパティシエ見習いとして入れたレストランでもせっかく才能の芽が伸びてきたところでトラブルや嫌がらせなどで職をクビになり、さらにまた同様のことが起きたりして挙句には、住む家も無くなり、野宿しながらお店に勤め、夜中にこっそり腕を磨くような状況が、こちらの胸が痛くなるような場面の連続で繰り広げられました。

それでも、一流のシェフなどに認められつつ成長していく様子にはほっとしたり、胸がワクワクもしました。
さらに、スイーツを作る過程の映像が実に美しくて見惚れました。

物語は実の親の病気なども最後に知らされたり、ラスト近辺までハラハラしましたが、結果としては痛快なものでした。

スイーツの映像だけ見ても素晴らしいので、この映画“おすすめ”です。
午後のひとときをスイーツの香りがするようなスクリーンの前で過ごせて楽しく、幸せでした。

 

俳句を詠んでみる_0063【 月光に 互い求める 影法師(シルエット) 】

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以前に詠んだ句の続編を書いてみることに挑戦してみました。

【 月光に 互い求める 影法師(シルエット) 】

《背景》季語:月光[秋]
2024.3.30 №0028 で、このブログにUPした『掌(て)を握り 嬬戀(つまごい)坂 二人 冬の星』の続編として詠んだ。
ならぬ恋に月明りを透して互いを求める二人のシルエットが浮かぶ。

 

俳句を詠んでみる_0062【 (我が家の猫、マロンに代わって詠む) カツブシが 入って今日も 春まつり 】

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いつも俳句を捻っているときに横に座って見てくれている猫のマロンに代わって詠んでみました。

【 (我が家の猫、マロンに代わって詠む) カツブシが 入って今日も 春まつり 】

《背景》季語:春まつり[春]
いつも私が句を考えて机上に歳時記などを広げていると、隣に座って一緒に考えているように見える我が家の猫、マロン。
長女がそれを見ていて「マロンに代わって一句詠んであげてよ」と言ったので、私、マロンに代わり詠みました。
毎朝、カツブシのトッピングをねだるマロンの様子を詠みました。

 

2024/04/18

瀬戸内寂聴さんの「愛することば あなたへ」を読みました。

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『愛することば あなたへ/瀬戸内寂聴著(光文社)』という本を古本で読みました。
2018年発行のものですが、出展一覧を見ると書籍、新聞、雑誌など約30誌ほどありました。
瀬戸内さんの光る言葉、ぐっとくる言葉がたくさん集められていました。

私の心に入ってきたものをすこし挙げてみます。

一度も失恋したことのない人は、失恋した人の悲しみや苦しみがわかりません。
一度も貧しい思いをしたことのない人は、ほんとうにお金がなくて苦しんでいる人の辛さがわかりません。(※国会議員に聞かせてやりたい)
健康そのものの人は・・・体の弱い人の苦しみを想像できません。

さらに読んでいくと・・たくさん苦しみ、たくさん悩み、たくさん涙を流した人は、人の悲しみ苦しみに同情することができます。
その人は、人に対して優しくなります。(※ああ、これも国会議員に聞かせてやりたい)

憎いという気持ちは相手に必ず通じるのだということも書かれていました。
そしてその毒に自分も冒されると。
おおらかな気もちで包んであげよう、いつしか自分も温かい気持ちに自然になるとも。
(※肝に銘じます)

生きている以上はたくさん人を愛し、愛することは苦しみを伴う。
不幸、理不尽な経験をするが、それでも生き続けるのだ。
自分が死ぬときに、私はこう生きたと振り返る際に何の苦しみも知らず、だれの苦しみにも無関心なままで、それで人生を生きたといえるかしら。ともおっしゃっています。
そんな人生は、つまらないと思いますよ・・って。(※若いときはそんなふうになかなか思えなかった自分を思い出しました)

政官財の腐敗、子供の心の荒廃を考えるとき、今の日本ではほとんどの人が自分以外の何か大いなるものの存在を信じなくなって、目に見えない聖なるものへの畏怖の念を全く失っているのではないか、ともおっしゃっていました。

目に見えない聖なるものに、常に自分の心のあり方や行いのすべてが見つめられているのだという、心の慎ましさを失っている・・と。

私自身も戒めねばなりませんが、「心の慎ましさ」・・失っている人があまりにも多すぎる。

そんなふうに思いながら読了いたしました。
少し元気になったように思います。

 

俳句を詠んでみる_0061【 秋天に 登るベタ踏み 神近し 】

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昨年、出雲方面の旅に出て、あの“ベタ踏み坂”に差し掛かったところでの一句。

【 秋天に 登るベタ踏み 神近し 】

《背景》季語:秋天[秋]
秋の空が高く澄んで美しい。
まるでその空を目指すような急坂、島根の江島と鳥取の境港を結ぶ、通称“ベタ踏み坂”を登るレンタカー。
有名な古社・美保関神社がもうすぐだ。

 

俳句を詠んでみる_0060【 風涼し シーグラス求め 保田の浜 】

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ある日知ったシーグラスの存在、家族で海に探しに出たときの一句。

【 風涼し シーグラス求め 保田の浜 】

《背景》季語:風涼し[夏]
ビンなどのガラスの破片が波に洗われ、角が取れ、素朴な宝石のような輝きを持つものになって海岸に流れ着くシーグラス。
器に入れてもきれいだが、それを使ってちょっとした芸術的な作品にもなる。
妻、長女と鋸南町の保田海岸に出掛けた。
暑い日だったが、海からの風は一瞬暑さを忘れるような爽快感がある。
家族三人、色とりどりのシーグラスを集めた。

 

 

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2024/04/17

俳句を詠んでみる_0059【 秋燈下 ひとり 対話会の片付け 】

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十年以上前の苦労していた頃、頑張っていた頃の仕事で一句

【 秋燈下 ひとり 対話会の片付け 】

《背景》季語:秋燈[秋]
ずっと以前、仕事を必死にしていた頃、その仕事上で地域住民との対話会をすることになり、相手先まで出掛け、相手の都合に合わせ夜間に行うという考えで事を進めた。
準備、計画、設営、運営を残業代が付かない立場なので部下は使わず全て一人でやるということになっていく・・。
こちら側の対話会出席者も、機材も乗せ、運び、現地で設営、運営、そして撤収もして、えらい人を駅まで送り、その後職場に機材を持ち帰り、倉庫に片付けまで一人で行った。
まさに“秋燈下”。
体の芯まで疲れ果て、泥のようになって帰宅した。

 

俳句を詠んでみる_0058【 春祭 鈴の音高く 少女(こ)らが舞う 】

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インスタでも facebook 経由でご紹介していますが、上総一ノ宮・玉前神社での春の大祭の様子、俳句も詠んでみました。

【 春祭 鈴の音高く 少女(こ)らが舞う 】

《背景》季語:春祭[春]
上総一ノ宮の玉前神社、春の大祭に妻と出掛けた。
神主、地元の方々と共に御祓いを受けた四人の少女が本殿に上がり、祝詞と共に扇を用いたり、鈴を鳴らして優雅な舞いを見せてくれた。
境内で見ている人も息を呑んで見つめていた。

 

 

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2024/04/16

俳句を詠んでみる_0057【 冷やしうどん 胡瓜(きゅうり) 蒲鉾(かまぼこ) 揚げ玉おどる 】

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このところ暑い日が続いたので、冷やしうどんで詠んだ句のストックがありましたので、それを挙げます。

【 冷やしうどん 胡瓜(きゅうり) 蒲鉾(かまぼこ) 揚げ玉おどる 】

《背景》季語:胡瓜[夏]
夏の暑い昼さがり。
昼食は冷やしうどんを注文。
胡瓜(きゅうり)や蒲鉾(かまぼこ)、揚げ玉などの具が割り箸でまぜると踊り出すよう。

 

水木しげる先生の「ほんまにオレはアホやろか」を読みました。

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『ほんまにオレはアホやろか/水木しげる著(新潮文庫)』という本を古本で読みました。
1978年にポプラ社から、1998年には社会批評社から刊行されたもので、2002年に文庫化されました。

水木先生の一代記という感じです。
幼い頃からの、人からは“出来の悪い子”と見られていた時分の昆虫などに夢中になる様子も何の誇張もなく素直に書かれていて、水木先生そのものがもうそこにいました。

学校では成績が悪く、その後も次々といったい何回様々な学校に通ったのか、数えるのも大変なくらいですが、そこでの苦労や、仕事にありつくための苦労、ありついたがロクでもない仕事だったりと散々なことが書かれていますが、ご本人はいたって平然というか、挫けることがない・・。

そして、片腕を失うことになった戦争で、ラバウルに行った話には、読んでいるこちらが倒れそうになるくらいの苛烈な状況が書かれていました。
そんな時でも現地人と仲良くなり、友情を築いていく水木先生・・すごい。
その楽園のようなところに住んでいた現地人の方とは、「7年後に来るよ」という約束は果たせず、数十年の年月を経て再訪するのですが、“大歓待”を受けます。
そんな話も淡々と書かれていて、水木先生ってほんとうにすごい人だとあらためて思ったのでした。

水木先生が紙芝居作家からやがて漫画家になっていく「超・苦労話」も書かれていました。
常人では、くじけてしまって、不幸なことになりそうなのに、それでも生き生きと、淡々と生きていく姿に感銘も受けました。

私も先生の「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」などには大変大きな影響を受けましたし、もう夢中で読んでいたものでした。
それぞれにテレビ化されたものについても実に面白かった。

今回、ある程度事前には色々なところで得た知識で、存じ上げていたこともありましたが、でもここに書かれているような過酷な状況についてはあまり詳しくありませんでした。
ご本人が書かれたリアルな生き方に激しく動揺しつつ読ませてもらい、あらためて水木先生の偉大なことがわかりました。

一度境港にある先生の記念館を訪れたことがあるのですが、また出雲にお参りに行く際には、足を延ばしてもう一度行ってみようと思います。

 

俳句を詠んでみる_0056【 夏の空 スカイツリーと傳法院 】

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浅草寺すぐ隣にある日本庭園からの光景が、新旧・面白い取り合わせだったことで一句詠みました。

【 夏の空 スカイツリーと傳法院 】

《背景》季語:夏の空[夏]
以前、浅草・傳法院の一般立ち入り解禁日にたまたまあたり、入場することが出来た。
立派な庭園、大きな池のある貴重な場所であることを知り、驚き、うれしくなった。
茶も振舞われ、のんびりした気分で池の向こう側に回り、庭園と傳法院を見ると、その背景にはスカイツリーがそびえ立っていた。
過去と未来が同時に存在しているようで、不思議な気分になり、胸中感動が湧いてきた。

 

2024/04/15

俳句を詠んでみる_0055【 風光る きょうの日に生まれたあなた 】

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誕生日に因んだ句を詠んでみることにしました。

【 風光る きょうの日に生まれたあなた 】

《背景》季語:風光る[春]
私にとって、人生の中で出会えて良かったと思える人のうちの一人。
その人の誕生日が今日だ。
春光あふれる中、風が吹くさわやかな今日のような日に生を受けたのだろうなあと思う。

 

俳句を詠んでみる_0054【 夏めく犬吠 白き灯台 白きポスト 】

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以前出かけた銚子の犬吠埼灯台の白さで一句詠みました。

【 夏めく犬吠 白き灯台 白きポスト 】

《背景》季語:夏めく[夏]
いよいよ夏めいてきたある日、犬吠埼灯台を訪れた。
高台に立つ真っ白な灯台が印象的。
灯台見学の入口には、灯台の色に合わせたやはり白いポストが灯台に並ぶように立っていた。

 

2024/04/14

俳句を詠んでみる_0053【 草刈りを 見つけた鳥に 囲まれる 】

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草刈りをしていると起こる現象について詠んでみた。

【 草刈りを 見つけた鳥に 囲まれる 】

《背景》季語:草刈り[夏]
あっという間に草が伸び出し、草刈機を出してエンジン音高らかに草を刈り始めた。
気づくと、5羽、6羽 と自分の周りを鳥(コアジサシか)達が囲んでいる。
刈ったところから虫やミミズを食べていて、「早く刈れっ、エサがあるんだから」とばかりにジィ~ッと数羽の鳥に見つめられながら作業するのであった。

 

「とにかく散歩いたしましょう/小川洋子」を読みました。

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『とにかく散歩いたしましょう/小川洋子著(文春文庫)』を古本で読みました。
毎日新聞に2008年~2012年にかけて連載された「楽あれば苦あり」を改題して2012年に単行本となったものの、さらに文庫化(2015年)されたものです。

新聞に連載されたエッセイということですが、話題と視点はものすごい広がりで、著者・小川洋子さんの興味の対象、発想の奇想天外さにも驚きました。
あまりにもその範囲が広いので、私にはついていけない話題も多く、読むのに難儀したエピソードもありました。

私が面白いと思ったのは、かつて学生時代など過去に読んだ本のストーリーが、大人になって読んでみると“まったく記憶と違っていた”という話でした。

そうかもしれない・・。
人の死などの辛い結末だと思っていた物語が案外ハッピーエンドだったり、こいつは悪いヤツだったという記憶のある登場人物がそうではなかったりすることが私にもあります。

いったいどういう思い込みなんだと思いますが、長い年月を経るうちにどんどん記憶は歪められてしまうようです。

このブログでも、自分の記憶にある小中学生時代の出来事などを書くと、「それはあんたの記憶違いだ」という指摘を受けることが時々あります。

えっ、そんなはずはないと、資料等にあたってみると、私の記憶違いだということが判明します ^_^; ・・・そんなもんなんですね。

傾向として、良い記憶は美化され、悪い記憶はより強化されているようです。
これは私の人格的なものによるものか、それとも人は皆そんなことなのか・・謎は解かないでおきましょう。

読みやすそうで、意外とついていけない話題のあった「とにかく散歩いたしましょう」という本でした。

 

俳句を詠んでみる_0052【 若鮎が獲れてございます それにしよう 】

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若い頃、背伸びして行った有名ホテルでの光景を詠んでみました。

【 若鮎が獲れてございます それにしよう 】

《背景》季語:若鮎[春]
二十代の頃、彼女(後の妻)と、軽井沢の万平ホテルでディナーを摂った。
近くのテーブルには、テレビなどで見たことのある有名なカメラマンが目の覚めるような美人と食事を始めるところだった。
「まずは生ハムにメロンをもらおうか。今日は何か入ってる?」と聞くそのカメラマン。
「近くの〇〇川で若鮎が獲れてございます」と聞いて、「よし、それにしよう」とのお言葉。
「大人ってすごい、こういうふうにメニューを決めるんだ」と、“つま先立ち”で背伸びしていた自分は感心したのでした。

 

2024/04/13

俳句を詠んでみる_0051【 春暑し 昼日中から 酌み交はす 】

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春の暑い日に昼から一杯の様子で一句。

【 春暑し 昼日中から 酌み交はす 】

《背景》季語:春暑し[春]
春の汗ばむような暑い日、友と久しぶりに会い、昼間ながら、まずは乾杯となる。
そんな酒好きの友とのひとコマを詠んだ。

 

俳句を詠んでみる_0050【 神の住む 音なき春の 道を往く 】

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最近は妻と神社参りが楽しくなってきました。そこで一句。

【 神の住む 音なき春の 道を往く 】

《背景》季語:春[春]
昨年あたりから、妻と神社巡りをすることが二人のたのしみとなった。
神社へ向かって二人で歩いていると、段々と神様に近づいているのだなと、実感する。
いい日和、静寂の道を歩く。

 

2024/04/12

城山三郎さんの「この命、何をあくせく」を再読しました。

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『この命、何をあくせく/城山三郎著(講談社文庫)』を再読しました。
城山さんの本、ほかにもストック分があるのに、去年読んだものを再読しました。

気分的なものでしょうか、なんとなくこの本を、昨日から取り上げて読んでみたのです。

もともとは月刊誌「本」に巻頭連載されたもの(1999年~2002年)に一部加筆し2002年に単行本化されたもので、2005年に文庫本となっています。

前に読んだときにも気になった部分は今回も気になりました。

「偉い奴は、厳命はいくらでも出せるのである。不可能なことであっても」
「国民など、虫ケラ同然に扱わなければ、戦争はできないし、軍隊は成り立たない」

この言葉は強烈です。私も絶対に忘れることができません。

老子は「慈」「倹」「不敢為天下先」という三つの宝を持つという・・、文学者であり、詩人でもある加島祥造氏が訳したものによると・・・

「愛」「足るを知って多く求めぬこと」「世の中の先頭に立たぬこと」だそう、と書かれている部分も気になりました。

いつも城山さんの本を読むと、実際にお会いしたらどんな方だったのだろうと思います。
ついこのあいだ読んだ伊集院静さんの本にもご一緒にゴルフをされる晩年の姿が書かれていました。

まだ何冊も城山さんの本は未読のものを所有しているので、これから読むのがたのしみです。
少しでも城山さんの境地に近づきたいといつも思うのです。

 

俳句を詠んでみる_0049【 ぬくめ酒 温度計差す手 鮮やか 】

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セルフで燗酒にするお店に行ったときの様子で一句。

【 ぬくめ酒 温度計差す手 鮮やか 】

《背景》季語:ぬくめ酒[秋]
銘酒を選び、セルフで燗をする店に、お酒好きな女性と行ってみた。
温度計が用意されていて、自分の好みの温度を探るのが楽しい。
彼女は鮮やかな手つきでスッと温度計を差し、「ここだ」というところでコップに移し、笑顔で呑みだした。

 

俳句を詠んでみる_0048【 師との旅 菜の花色の ローカル線 】

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元職場の上司とあちこち歩いた想い出を詠みました。

【 師との旅 菜の花色の ローカル線 】

《背景》季語:菜の花[春]
かつての職場の上司は、同じ課に勤務している時も良くしていただいたが、その後ご本人の退職前あたりから、退職されてからも色々なところへ誘ってくださった。
私は“師匠”と呼んで、名所や山、川、海、おいしいものなども沢山教わった。
千葉のローカル線、いすみ鉄道も楽しい想い出となった。
菜の花の中を、黄色い車体の列車が走る姿が印象的な鉄道だった。

 

2024/04/11

俳句を詠んでみる_0047【 春の空 部下四年ぶり 携帯で 】

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なつかしい人から携帯電話で一句。

【 春の空 部下四年ぶり 携帯で 】

《背景》季語:春の空[春]
春の穏やかな空が見える日、突然“ケイタイ”が鳴った。
着信画面には、四年前に相談を受け、それ以来の当時の元部下の名が・・。
電話に出てみれば、私のその後のことを職場の上司から聞いて、すぐに連絡をしてみようと思ったとのこと。
四年の月日も感じず、互いに近況を語り、再会の約束をした。

 

俳句を詠んでみる_0046【 OSが更新されました 春の朝 】

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スマートフォンのOS更新が自動でされていたことで一句。

【 OSが更新されました 春の朝 】

《背景》季語:春の朝[春]
朝、目覚めたら iPhone の画面が真っ暗。
あわてて起動させたら「Hello」の文字が出たあとに「OSが更新されました」の表示。
おおっ、なんかわからんが新しく生まれ変わったのかオレの携帯!
なんだか自分も更新された気がする、と朝からリフレッシュ気分になった。

 

2024/04/10

「追いかけるな/伊集院静」を読みました。

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『追いかけるな -大人の流儀5-/伊集院静著(講談社)』を未読ストックの中から読んでみました。
伊集院さんが亡くなられても、いまだ伊集院さんの著書は、私の心のささえとなっています。

この本は、週刊現代に2014年から2015年にかけて連載されたものを抜粋・修正して単行本化したものです。

相変わらず、歯に衣は着せません、伊集院さん(^_^;)・・でもそれがいいんです。だからどれもこれもベストセラーになっているんだと思うし。

「追いかけるな」といタイトルはこの本の中で伊集院さんもおっしゃっていますが、自分の追い求めるものを追及していくのはいい、しかし“いつまでもつまらぬものにこだわるな”というのが本意のようです。
つまり、つまらないものにずうっとこだわっている人が多いのだ、ということなのだと思います。

さらに言うと、今ある悩みや、今かかえ込んでいる問題の本質を見ると、独創性をあと回しにして、“易きに走る輩”が、目の前の明るさを求めて“追いかける”から失敗をする、と書かれています。

私が思うに“易きに走る輩”とは、今現在でいうと、AIに頼り、自ら走り回ったり、必死に頑張ったり、悶絶したりもせず“らくらく”と仕事をしようとするような輩について言っているんじゃないかと思います。

特に新しいことを考え出したり、文や絵画など創造的なことなんて、苦しみながら作り出していくことが本来の人間の喜びなんじゃないかと思うのです。いかがでしょうか。

それから、「メールも便利でよかろうが、手紙を人類から失くすと、人間というものが失われると私は考えている」とも書かれています。

さらに・・「便利なものには毒がある」「手間がかかるものには良薬が隠れている」とも。
上記、完全同意です。

ほんとうに、便利なものは“毒だらけ”です。
良薬は口に苦いが、それだけ得るものがあるはずです。
私は、それを最後まで大事にしていきたい。

今回の読後感想は、以上です。
まだまだ伊集院さんの著書についてストックしているものがあります。
順次読みましたら、また感想をここに書きたいと思います。

 

俳句を詠んでみる_0045【 寒灯に 書(ふみ)読む妻や 居眠(いねぶり)て 】

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夜、部屋の灯りが点いているのに気づいて・・一句。

【 寒灯に 書(ふみ)読む妻や 居眠(いねぶり)て 】

《背景》季語:寒灯[冬]
私と同じく“本の虫”の妻。
ひまを見つけては、本を読んでいる。
夜半、灯りに気づき、近寄ると眠っている。
肩をそっとたたきます。

 

俳句を詠んでみる_0044【 花粉症 そうなんですね 聞く気は無し 】

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よく女子アナがインタビュー時にする返答で一句詠んだ。

【 花粉症 そうなんですね 聞く気は無し 】

《背景》季語:花粉症[春]
ある一定の年代の、特に女性のリアクションとして発せられる「そうなんですね」。

花粉症で大変なんだよ → そうなんですね

旅行が好きなんです → そうなんですね

健康診断で再検査になっちゃってね → そうなんですね

全く聞く気なし。
その話題を進展させる気なし。
あなたに興味なし。

そんなことだと思います。

 

2024/04/09

俳句を詠んでみる_0043【 庭仕事 菜の花摘んで パスタ茹で 】

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庭の菜の花で何つくる・・と詠んでみました。

【 庭仕事 菜の花摘んで パスタ茹で 】

《背景》季語:菜の花[春]
草むしりやら、庭の手入れをして、ついでに菜の花を摘んで「はて、何をつくろうか?」と思案する妻。
菜の花と海老でパスタにしてくれました。

 

俳句を詠んでみる_0042【 卒業式の教室で ユーミン 】

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過去の話、高校の卒業式の日の出来事で一句。

【 卒業式の教室で ユーミン 】

《背景》季語:卒業式[春]
とても古い話だが、高校の卒業式を終えて、クラスの皆が教室に帰って来て・・。
クラス委員長が音楽室からレコード・プレイヤーを持ち出して来た。
誰が持って来たのか、荒井由実のレコードを掛けて、クラス全員で聞いた。
もちろん「卒業写真」を聞いた。
その頃、自分はあまり聞いていなかったユーミンだったが、さすがにその日の記憶は今でも残っている。

 

2024/04/08

「コーヒーが冷めないうちに/川口俊和」を読みました。

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『コーヒーが冷めないうちに/川口俊和著(サンマーク出版)』を古本で読みました。
帯にあるように2017年の「本屋大賞」にノミネートされた作品となっていました。

読み始めてすぐに、「これはノミネートされるはずだよ」と思いました。
ストーリー設定があまりにも面白い!

ある古い喫茶店があるのだが、その店の特定の席に座り、一定のルールを守れば、過去に戻れるというストーリーで、この物語の中では四人の人が過去に戻ります。

ただし、ルールがあって、その特定の席には幽霊の女性が常に座って本を読んでおり、その女性が席を立ったときに、その時だけ過去に戻れる席に座り、実際に過去に戻れる。

過去には戻れるが、この店のこの席に座っていることが条件。席から立ち上がることは出来ない。
さらに過去に戻る前の現在の状態は決して変えることができない。

過去に戻り、この喫茶店で出してくれた珈琲が冷める前に飲み干さないと現在に帰って来れない。しかも、帰れなかった場合、今現在いる幽霊とバトンタッチとなって、今度は自分が幽霊となって、この喫茶店でずっと珈琲を飲みながら席にいることになってしまう。

過去に戻って会える人は、この喫茶店に来たことのある人のみ、さらに過去の時間を指定しなければならないので、会いたい人がその過去のその時間にこの喫茶店に存在していなければならない・・というのです。

となると、過去に戻りたいという人は少なくなりますが、でもそれでも会いたい人がいるというのがこの本のストーリーです。

そして、過去に戻り、どうしても会いたい人に会って何がしかの会話をして・・感動的なものを得ることになるのでした。

胸がぎゅうっと締め付けられるような、いい過去との再会が四話詰め込まれていました。
こりゃ、泣いちゃうよ(T_T)

内容を書いてしまっては、“ネタばれ”になってしまうので書けませんが、読んでみたらあなたも泣いてしまうかもしれません。

さて、私がもし過去に戻れるとして、誰とどんな時期のシチュエーションで会いたいか、と考えてみましたが、ううん・・思いつきません。

ひょっとしていろいろな“お別れ”をした彼女たちと過去に戻って再会したとして・・さらに想い出にはひどいことが追加されてしまいそうな気もする・・^_^;

しいて言えばひとりだけ・・。
最初に出会った直後の時に戻り、丁寧にもう一度ゆっくりと話をして理解し合いたい人がいますが、果たしてそれがどういう結末になるのか・・わかりません。

というわけで、最初から最後までドキドキのストーリーの面白本でした。
超おすすすめ本です。

 

俳句を詠んでみる_0041【 花冷えに 雨落ち 記憶も流れる 】

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暖かいなと思えば突然寒くなったりするこの頃、そんな日に詠んでみました。

【 花冷えに 雨落ち 記憶も流れる 】

《背景》季語:花冷え[春]
桜の咲く頃、不意に陽気が変わり、突然の寒さ。
雨まで降ってきて、何か良い想い出などの記憶までも流れ去ってしまいそうな気になる。

 

俳句を詠んでみる_0040【 幽光差す 水祖神 御神水(みず) 冷たし 】

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地元の人が水を汲みに来る水祖神のある神社に出かけたところで詠みました。

【 幽光差す 水祖神 御神水(みず) 冷たし 】

《背景》季語:冷たし[冬]
市原市の姉崎神社に行ったときのこと。
地元の人たちが御神水を汲みに訪れている水祖神があった。
木々の間から朝の光がかすかに差しており、幽玄な趣き。
神様がそこにいるのかもしれないと写真を撮ると、紫色のオーヴが水祖神の碑(いしぶみ)の真上にとらえられ、木もれ日には色取り取りのオーヴが飛んでいた。

 

 

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2024/04/07

「マスクは踊る/東海林さだお」を読みました。

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『マスクは踊る/東海林さだお著(文藝春秋)』という本を古本で読みました。
古本といっても、今回は2021年発行のもので、内容はコロナ禍直前からコロナ禍真っ只中くらいの頃のものとなっていました。

私が気になったところとしては、「ズルの時代 ~“恥”がなくなった~」という章でした。

日本人は今や「うまく立ち回る」ことばかり考えるようになっている、というのです。

かつては「恥の文化の国」であったということは、私も学生時代によく聞きました。
恥をかくくらいなら腹かっ切って・・という人さえいそうな時代でした。

そして今、急に「恥OK」の国になったと東海林さん、おっしゃいます。

この本が書かれていた頃は、まさに『忖度』という言葉がキーワード的に大きな話題となっておりました。

忖度は、みんなうっかり見逃しているが、“ズル”の一種だというわけです。
ズルもズル、大ズル、巧妙なズル、遠大なズルだと強調されています。

忖度は一見ズルに見えないが、忖度を「おべっか」という言葉に置き換えてみると、その実態が明らかになるのだというのです。

「忖度」本来の意味には、上品な意味も含まれていたが、昨今は「忖度=おべっか」となっている。
「森友学園疑惑」のとき、財務省元理財局長の国会での数々の証言、あれはすべて首相に対してのおべっかだった!これで「忖度=おべっか」の図式に納得がいくのではないか、とおっしゃっています。

納得しましたよ・・・が、時すでに遅しです・・真面目に仕事をしていた人が亡くなってしまいました・・・。

今回の東海林さんの本は、コロナ禍真っ只中ということもあって、鬱屈した著者の心の叫びのように割と政治的な発言が多くありました。

こんな東海林さんの本もなかなか力強くていいと思いました。

 

俳句を詠んでみる_0039【 春の昼 オムレツできたっ 家族呼ぶ 】

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本日の俳句第二弾!休日のお昼は私がつくるということで一句。

【 春の昼 オムレツできたっ 家族呼ぶ 】

《背景》季語:春の昼[春]
土日の家族が皆居るときには、私がオムレツやチャーハン、焼きそばなどをつくってお昼にすることがある。
はりきって作り、キッチンから「できたぞぉ~」と皆を呼ぶ。

 

俳句を詠んでみる_0038【 春暁(しゅんぎょう)に 美濃オリガミで落とす 珈琲 】

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朝の珈琲を淹れる時間を詠んでみた。

【 春暁(しゅんぎょう)に 美濃オリガミで落とす 珈琲 】

《背景》季語:春暁[春]
春の明け方、出勤準備をする家族に朝食とともに飲んでもらうコーヒーを淹れるのが今のたのしみ。
独特な折り紙を折ったような形状の「美濃焼 オリガミ・ドリッパー」で落とすコーヒーは、香り高く豆の特徴が引き出されていて、美味しく好評だ。

 

 

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2024/04/06

俳句を詠んでみる_0037【 窓凍る エンジンに火を入れる朝 】

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きょうはかなり寒かったので、寒い頃に詠んでいた句を引っ張り出しました。

【 窓凍る エンジンに火を入れる朝 】

《背景》季語:凍る[冬]
冬の朝の車通勤を思い起こして詠んだ。
すっかり凍っているクルマのフロントガラス。
庭に出てエンジンを始動し、デフロスターを作動させ、暖機運転するという無意識に近いルーティンを冬の間は繰り返すのだった。

 

俳句を詠んでみる_0036【 護摩焚きの 焔(ほむら)に翳(かざ)す 冬鞄 】

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今回は深川不動尊に行ったときのことを詠みました。

【 護摩焚きの 焔(ほむら)に翳(かざ)す 冬鞄 】

《背景》季語:冬[冬]
成田山新勝寺の東京別院、江東区富岡にある「深川不動尊」。
毎日、護摩焚きが行われ、多くの人が炎の前で願いを込める。
祈祷している僧から声が掛けられると、ご祈祷をお願いしていなかった人たちの持ち物も、持ち寄れば護摩焚の炎にかざして唱えてくれる。
あわてて、今使っている冬用の鞄を持って走った。

 

「一年であなたの俳句はここまで伸びる/辻桃子」を読みました。

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『一年であなたの俳句はここまで伸びる/辻桃子著(主婦の友社)』という本を読みました。
古本で手に入れたもので、2008年発行となっていました。

俳句の教則本のようになっているのですが、ストーリー仕立てになっていて、久しぶりに会う高校の同級生に俳句を一からやってみないかと誘い、どんどんその同級生が俳句を覚え、上達していくという形で進められていました。

要するに、私のような“ずぶの素人”が俳句というものに接するところから入っているのでした。

だからもう勉強になるのならないのって(^-^;たいへん参考になりました。

俳句は五七五で出来ている、季語がある、という超基本的なところから、切れ字、漢字・ひらがなの使い方、言い回しの変え方など、勉強になることばっかりです。

そして一から教わっていく同級生という設定のこの本の登場人物と共に自分も成長できたような気になりました・・気になっただけだけど・・(^_^;)

現在、ブログでは私の凡作・駄作を日々公開中ですが、まだ始めて一か月の初心者です。
この本の登場人物のように臆せず、毎日句を詠んでいきたいと、あらためて決意いたしました。

 

2024/04/05

俳句を詠んでみる_0035【 春浅し 油抜き ヒーター軽し 】

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俳句ストック分解放中(*^^*)
今回はヒーターを一台しまったので、そのときを詠みました。

俳句を詠んでみる_0035【 春浅し 油抜き ヒーター軽し 】

《背景》季語:春浅し[春]
春になってまだ間もない春色整わぬ時期。
冬の余韻を感じつつ、ヒーターの灯油を抜いて物置にしまう。
油がゼロになり軽くなったが、何か寂しい。

 

俳句を詠んでみる_0034【 花曇(はなぐもり) なやみのとげを 抜く仕事 】

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俳句も苦しみつつ、それでも楽しく作っています。
ストックもかなり出来ました。
なので、今まで一日一句のアップを二句にしてみようかと思います。まずは午前中にひとつアップいたします。

だいぶ前にやっていた仕事から一句詠みました。

【 花曇(はなぐもり) なやみのとげを 抜く仕事 】

《背景》季語:花曇[春]
春だが、重苦しくどんよりと曇る日にも、日常生活上の悩みを持ってくる相談者がいる。
相談係に配属され、やってきた人たちに刺さった“なやみのとげ”を抜くのが仕事だった。

 

2024/04/04

俳句を詠んでみる_0033【 陽炎(かげろう)に 緋(あか)装束の占い師 】

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大きな神社の駐車場片隅で占ってもらったときのことを詠みました。

【 陽炎(かげろう)に 緋(あか)装束の占い師 】

《背景》季語:陽炎[春]
家族と香取神宮にお参りした時、大きな駐車場の片隅、陽炎(かげろう)の立つ中、和傘の下に緋色の装束に身を包んだ女性の占い師が居た。
妻と長女が占ってもらったが、ドキリとする程性格や行動について指摘され、アドバイスされた。
その時のことを思い起こして詠んでみた。

 

2024/04/03

「清貧の食卓/山本容郎編」を読みました。

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『清貧の食卓/山本容郎編(実業之日本社)』という本を読みました。

1994年に編まれた本ですが、掲載されている文章は1970年頃のものなどかなり古いものがありました。今では亡くなられている人も何人もいます。

「名前はどうでも、とにかく旨ければ」という章と「折々なつかしく思うものを・・・」という章があり、宇野千代、池田満寿夫、色川武大、北大路魯山人、東海林さだお、谷崎潤一郎、檀一雄、向田邦子、山口瞳、山本周五郎、吉行淳之介ら錚々たる方々の食べ物に関する文が集められていました。

宇野千代さんの細々としたレシピは、今つくってみたらどんな味なのかという素朴なものが多数。

北大路魯山人の、お茶漬けについての講釈はさすがという感じで、納豆茶漬け、海苔茶漬け、塩昆布茶漬け、塩鮭・塩鱒茶漬け、鮪茶漬けなどが語られ、茶漬けの御飯やお茶の出し方まで講釈していて、もう参りました・・という感じで読みました。

向田邦子さんの海苔巻の“端っこ”が食べたい、という話も面白かった(*^^*)
羊羹でもカステラでも、かまぼこや伊達巻も両端がいいと(#^.^#)

木綿ごしの豆腐の端の布目のついた固ところ、ハム・ソーセージの尻っぽのところ、パンで言えば耳・・などなど、「俺もそうだよ」と思わず言いそうになりました。

さらには、南部煎餅のまわりにはみ出した薄いパリパリの部分(^^;)や、鮭カンの骨にまで話は至りました。

さすがに向田さんの文はにくいほど上手いっ!

どこを読んでも有名人が食べ物について語っている文が集められ、特に古い文に出てくる食べ物には興味津々となりました。

古いが、資料的にも価値のある面白い本でした。

 

俳句を詠んでみる_0032【 春再会 マダムはマダム 美人にて 】

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とても久しぶりに、過去親しくさせていただいたマダムと再会して一句。

【 春再会 マダムはマダム 美人にて 】

《背景》季語:春[春]
四~五年ぶりに、以前の職場でも、観劇や宝塚談義や、飲み会など仲良くさせていただいたマダムと再会し、ランチしながらちょっと一杯。
マダムのマダムらしさは変わらず、相変わらずの美人でした、という一句。

 

2024/04/02

俳句を詠んでみる_0031【 交差点 待てぬたい焼き パクと食べ 】

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今回は、ちょっと楽しいひとコマを。

【 交差点 待てぬたい焼き パクと食べ 】

《背景》季語:鯛焼[冬]
彼女はもう“いい大人”だが、偶然子供の頃にたい焼きを買ってもらい、おいしかった店の前を通りかかる。
よろこぶ彼女にそのたい焼きを買ってあげたら、あまりに無邪気な喜びよう。
思わず、待ちきれず交差点の信号待ちの時にパクリと食べ、その瞬間ふたりで笑った。

 

2024/04/01

俳句を詠んでみる_0030【 春・響く D(ディー)、A(エイ・メジャー)、Em(イー・マイナー) 】

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今回はギターをジャランと鳴らす一句。

【 春・響く D(ディー)、A(エイ・メジャー)、Em(イー・マイナー) 】

《背景》季語:春[春]
春めく暖かな日、部屋にあるギターをとりあげ、コードをつま弾く・・・D,A,Em 春の音が部屋に響く。

 

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