「清貧の食卓/山本容郎編」を読みました。
『清貧の食卓/山本容郎編(実業之日本社)』という本を読みました。
1994年に編まれた本ですが、掲載されている文章は1970年頃のものなどかなり古いものがありました。今では亡くなられている人も何人もいます。
「名前はどうでも、とにかく旨ければ」という章と「折々なつかしく思うものを・・・」という章があり、宇野千代、池田満寿夫、色川武大、北大路魯山人、東海林さだお、谷崎潤一郎、檀一雄、向田邦子、山口瞳、山本周五郎、吉行淳之介ら錚々たる方々の食べ物に関する文が集められていました。
宇野千代さんの細々としたレシピは、今つくってみたらどんな味なのかという素朴なものが多数。
北大路魯山人の、お茶漬けについての講釈はさすがという感じで、納豆茶漬け、海苔茶漬け、塩昆布茶漬け、塩鮭・塩鱒茶漬け、鮪茶漬けなどが語られ、茶漬けの御飯やお茶の出し方まで講釈していて、もう参りました・・という感じで読みました。
向田邦子さんの海苔巻の“端っこ”が食べたい、という話も面白かった(*^^*)
羊羹でもカステラでも、かまぼこや伊達巻も両端がいいと(#^.^#)
木綿ごしの豆腐の端の布目のついた固ところ、ハム・ソーセージの尻っぽのところ、パンで言えば耳・・などなど、「俺もそうだよ」と思わず言いそうになりました。
さらには、南部煎餅のまわりにはみ出した薄いパリパリの部分(^^;)や、鮭カンの骨にまで話は至りました。
さすがに向田さんの文はにくいほど上手いっ!
どこを読んでも有名人が食べ物について語っている文が集められ、特に古い文に出てくる食べ物には興味津々となりました。
古いが、資料的にも価値のある面白い本でした。
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