瀬戸内寂聴さんの「愛することば あなたへ」を読みました。
『愛することば あなたへ/瀬戸内寂聴著(光文社)』という本を古本で読みました。
2018年発行のものですが、出展一覧を見ると書籍、新聞、雑誌など約30誌ほどありました。
瀬戸内さんの光る言葉、ぐっとくる言葉がたくさん集められていました。
私の心に入ってきたものをすこし挙げてみます。
一度も失恋したことのない人は、失恋した人の悲しみや苦しみがわかりません。
一度も貧しい思いをしたことのない人は、ほんとうにお金がなくて苦しんでいる人の辛さがわかりません。(※国会議員に聞かせてやりたい)
健康そのものの人は・・・体の弱い人の苦しみを想像できません。
さらに読んでいくと・・たくさん苦しみ、たくさん悩み、たくさん涙を流した人は、人の悲しみ苦しみに同情することができます。
その人は、人に対して優しくなります。(※ああ、これも国会議員に聞かせてやりたい)
憎いという気持ちは相手に必ず通じるのだということも書かれていました。
そしてその毒に自分も冒されると。
おおらかな気もちで包んであげよう、いつしか自分も温かい気持ちに自然になるとも。
(※肝に銘じます)
生きている以上はたくさん人を愛し、愛することは苦しみを伴う。
不幸、理不尽な経験をするが、それでも生き続けるのだ。
自分が死ぬときに、私はこう生きたと振り返る際に何の苦しみも知らず、だれの苦しみにも無関心なままで、それで人生を生きたといえるかしら。ともおっしゃっています。
そんな人生は、つまらないと思いますよ・・って。(※若いときはそんなふうになかなか思えなかった自分を思い出しました)
政官財の腐敗、子供の心の荒廃を考えるとき、今の日本ではほとんどの人が自分以外の何か大いなるものの存在を信じなくなって、目に見えない聖なるものへの畏怖の念を全く失っているのではないか、ともおっしゃっていました。
目に見えない聖なるものに、常に自分の心のあり方や行いのすべてが見つめられているのだという、心の慎ましさを失っている・・と。
私自身も戒めねばなりませんが、「心の慎ましさ」・・失っている人があまりにも多すぎる。
そんなふうに思いながら読了いたしました。
少し元気になったように思います。
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