「定命/瀬戸内寂聴」を読みました。
『定命 jyomyo /瀬戸内寂聴著(小学館)』を読みました。
新刊です。私にしては珍しい(*^^*)
瀬戸内さんが亡くなる直前まで書き留めていた遺句集となっておりました。
瀬戸内さんは亡くなる前には俳句をずいぶんと楽しみに書いていらしたようです。
知人にあてた手紙に、「小説とちがって俳句は無責任な愉しみだけを与えてくれるので、今では無二の友になりました」と書かれています。
そして「死ぬまでつづけるつもりです」と・・。
私も今年の2月から俳句を自分のような才の無い人間でも書いてかまわないのだと、夏井いつき先生の句会ライブで気づかされ、俳句は愉しみとなり、友となっています。
遅かったかもしれませんが、いい時期に俳句と向き合うことになってよかったとあらためて思っているところです。
大きなテーマとしては「花」「旅」「恋」「書く」「孤独」「出家」「反戦・平和」「追悼」「生きる」「ふるさと」に編集されていて、どれも瀬戸内さんの晩年の心境が詠まれているのですが、肩に力が入らず、命の水のように私の身体の中に沁みていくのでした。
瀬戸内さんのように長生きされると、やはり追悼する句も多くなり、さらに同年代の方々がいなくなってくると、孤独にも苛まれていたことがわかる句も多く、そんな気持ちが詠まれていて、その境地がどんな感じなのか、少しばかり見えたような気がしました。
『逢いたきは みんな故人か 秋深く』
・・自分がこのような状況になったらこんなふうに枯淡の境地で詠めるだろうか思いました。
『最愛の男 決めかね ひとり逝く』
・・これは、過去にいろいろあった男達のことを想い、そしてそんな決めかねている中、自分はあの世に逝くのか、と詠んでいるわけで、90歳過ぎてもそんなことを思うのかなあ、と一瞬感じましたが、いやいや人は皆そうなのかもしれないと、あらためて思いました。
『返メール 待ちくたびれし くれの春』
・・これはあとがきの方にも書かれていましたが、瀬戸内先生は亡くなる直前にもメールしたりしていたということで、そのとき恋をしていたのではないかと思われます。
亡くなる前の様子をテレビの特集で見たときにも、そのような“娘さん”みたいな、恋する感じの寂聴さんが垣間見えました。
それって、とても素敵なことだと思いました。
私がこの句集を読んでみて感じたのは、難解な句はほとんど無く、でも実に人生について深く掘り下げられた内容の句ばかりだと思いました。
何度でも読みたい、そんな句集でした。
晩年で人生を振り返ったりしているのにもかかわらず、若い息吹を感じるものでした。
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