映画「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」を見ました。
映画『トノバン 音楽家加藤和彦とその時代/2024年 日本 企画・構成・監督・プロデュース:相原裕美 出演:きたやまおさむ、高中正義、泉谷しげる、坂崎幸之助、クリス・トーマス、松山猛、朝妻一郎、新田和長、つのだひろ、小原礼、今井裕他多数』
亡くなられた加藤和彦さんの音楽と生き方を様々な人の証言などから振り返り、その当時のフィルム、ビデオなども映像として出てくる形で二時間に渡るものでした。
私は、ザ・フォーク・クルセダーズの頃から知っている(小学生だったけど)し、サディスティック・ミカ・バンドの時には自分もドラムという楽器と出会い、ロックにも夢中になっていた頃なので、その時の衝撃は今でもはっきりと覚えています。
そして、安井かずみさんと結婚してからは、夫婦でよくラジオなどにも出てきてお話しされていたのを記憶しています。
その頃は英国風カレーのスパイスの調合の仕方などを“とくとく”と語っていたり、ムーグ(今はモーグと発音しているかも)シンセサイザーを手に入れ、ビートルズのアビーロードに入っている音が出たときの感動などを語っていたのも覚えています。
音楽も、身に着けるものも、食べる物も、その他振舞い、身のこなし、あらゆる分野で探求することをとことんやっている人、という印象でした。
安井さんとの夫婦の様子は“人もうらやむ”ものだったという人もいるし(この映画中では、コシノジュンコさんがそういう発言をしている)、加藤さんが無理をしていたという人もいます。
それについては、私がこのブログに9年前に書いていますので、よろしければご参考にリンクを張っておきます。https://techo.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-1c83.html
映画の中で数々の加藤さんの作品が紹介され、流されますが、誰にも書けない素晴らしい名作ばかり。
それなのに、なぜあんなことになったのか・・。
映画の中でも様々な人が語られていますが、私のひとつの考えとしては、加藤さんが探求に探求を重ね、次々と新たなテーマを見つけ、練りに練ったアルバム、楽曲を作ってきた人生がそれこそ年齢を重ね、熟成されていくような時期に実際に日本でヒットしている曲を聞いて、“こんなものが”という気持ちがあったのではないか、と思うのです。
やりきれなくなった。
それともうひとつ、次々とあらたなライフスタイルや、それに伴う音楽との取り組みを続けてきた加藤さん、ほんとうの加藤さんってどういう人なのかがよくわからないのです。
似たようなことを、きたやまおさむさんが映画の中でおっしゃっていましたが、ほんとうの自分が空白となり、そして・・あんなことになったのかもしれない・・。
それほど加藤さんという人は、常人には考えも及ばないような人だったんじゃないか、ということを考えました。
単純に音楽的に楽しむのも良いですが、ひとりのミュージシャン、コンポーザー、プロデューサーとしての人生を垣間見るのもいいかもしれない、力作と言える映画だと思いました。
« 俳句を詠んでみる_0123【 薄暑光 昼の賑わい お不動へ 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0124《The Beatles 俳句[アルバム Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band から Lucy In The Sky With Diamonds を詠む]》【 セロファンの花咲く水辺 電火(いなつるび) 】 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「ヌーヴェル・ヴァーグ(NOUVELLE VAGUE)」を見ました。(2026.07.11)
- 映画「Rhapsody Rhapsody ラプソディー・ラプソディー」を見ました。(2026.05.05)
- 映画「カミング・ホーム(Jules)」を見て来ました。(2026.03.20)
- 映画「落語家の業(ごう)」を見て来ました。(2026.03.04)
- 映画「米寿の伝言」を見て来ました。(2026.01.31)
「音楽」カテゴリの記事
- 「昭和歌謡 1945~1989/平尾昌晃」を読みました。(2026.07.19)
- 俳句を詠んでみる_0790【 夏始 ブルーグラスの 曲流れ 】(2026.05.25)
- 俳句を詠んでみる_0771【 立夏 念仏に聞こえる カントリー 】(2026.05.06)
- 俳句を詠んでみる_0724【 晩春 転がる石の レコード聴く 】(2026.03.14)
- 俳句を詠んでみる_0718【 春の宵 シナトラのイエスタデイ 流る 】(2026.03.08)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0895【 秋の夜に 自販機のうどん 啜る人 】(2026.09.06)
- 俳句を詠んでみる_0894【 無月にも あの夜の日本 見えてくる 】(2026.09.05)
- 俳句を詠んでみる_0886【 逢ひたいと いひつづけるよ 秋の雲 】(2026.08.28)
- 俳句を詠んでみる_0883【 水没車 路上にくの字 今朝の秋 】(2026.08.25)
- 俳句を詠んでみる_0875【 退いて 我が生き方を 曝書(ばくしょ)せり 】(2026.08.18)
「想い出交錯」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0886【 逢ひたいと いひつづけるよ 秋の雲 】(2026.08.28)
- 俳句を詠んでみる_0882【 逢ふを欲(ほ)り LINE捲りて 星月夜 】(2026.08.24)
- 俳句を詠んでみる_0879【 蚊帳吊草 幼き日に 見しがまま 】(2026.08.21)
- 俳句を詠んでみる_0877【 しゃぼん玉 今でも子らは 声をあげ 】(2026.08.20)
- 俳句を詠んでみる_0863【 釘刺して 顔描く 西瓜提燈 】(2026.08.07)
« 俳句を詠んでみる_0123【 薄暑光 昼の賑わい お不動へ 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0124《The Beatles 俳句[アルバム Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band から Lucy In The Sky With Diamonds を詠む]》【 セロファンの花咲く水辺 電火(いなつるび) 】 »




コメント