「飲んだら、酔うたら/椎名誠」を読みました。
『飲んだら、酔うたら/椎名誠著(だいわ文庫)』を読みました。
4章立てで、
1章は2013年に書かれた酒の探訪記をベースに、椎名さんが生まれてはじめて飲んだサケの話からその後のことを再編成し、追加原稿も含めたもの。
2章はシングルモルトウイスキーを集中して取材したウイスキー特集。
スコットランドへの取材記は圧巻でした。
3章はビール話。
ここは「まずはビール」の私にも、めっちゃ面白い文が集まっていて、最高でした。
4章はサケがらみのよもやま話で、ワインや日本酒などの面白話が楽しいものでした。
全体を通して、もう話題は“酒尽くし”でした。
ロシアのまずい酒の話も面白いし、スコットランドでは実際にいくつかの蒸留所に出向き、椎名さんは仕事まで手伝います。
さらに書かれていたのは、そこで出た見たことも聞いたこともない現地の料理。想像するだけでこってりと美味しそうなものでした。
それから酒にまつわる“バカ話”的なものも面白かった。
学生時代に忍び込んでビールを二本いただいてきた酒屋に、作家となった椎名さんと、そのとき一緒に忍び込んだ友人の今は弁護士の木村氏と共に当時の謝罪に出掛けた話もありました。
大人げなくも、愉快な話でした。昔はよかったってことです。
酒屋の女将さんも、「学生さんならビールの一本や二本あげたのに」なんて“粋”なことをおっしゃっていました。
ここからは私の経験上の話ですが、お酒を本当に教えてくれたのは、今までの人生で、皆女性でした。
男は、上司、先輩も何人かいろいろ連れて行ってくれたこともありましたが、酔っぱらっちゃうんですね ^_^;
だから、このお酒はこういうものだとか、このお店はこういう特徴があるとか、それぞれの酒にこういう飲み方がある・・などということを教えてくれる前に大抵は“つぶれて”しまうのです。
でも、私にお酒を教えてくれた女性は(特別な人は人生で二人いた)ビールでも日本酒でも、ワインでも、焼酎でも、ウイスキーでも、カクテルでも、美味しい飲み方、選び方、お店の選び方、入り方、注文の仕方、つまみ、肴の選択、高級な店から大衆酒場、立ち飲みまで、ほとんど教わってきたといっていいかもしれません。
一部、男性の上司、先輩からも教わりましたが、それでも途中で酔われてしまって、お話しが深くなって“うんちく”などが出てくる前にろれつが回らない(^^;)状態になっていました。
連れてきて飲ませた・・ということで安心してあとは自分が酔うだけだという感じだったのだと思います。
ということで、この椎名さんの本を読んで、上司、先輩に代わって色々教えてもらったような気になることが出来ました。
お酒づくし、お酒ざんまいの楽しい本でした。
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