映画「エターナル・メモリー」を見てきました。
映画『エターナル・メモリー(The Eternal Memory)/2023年 チリ 監督:マイテ・アルペルディ 出演:パウリア・ウルティア、アウグスト・ゴンゴラ』を見てきました。
チリの映画は初めて見たと思います。
著名なジャーナリストである夫のアウグスト・ゴンゴラと、国民的女優であり、チリで最初の文化大臣となった妻のパウリナ・ウルティアのドキュメンタリー映画です。
20年に渡り深い愛情で結ばれていた二人が、自然に囲まれた古い家をリフォームして暮らし、読書や散策などを愉しみ、日々を暮らしている・・。
そんな“あたたか”で“平和”な日々に突然、夫のアウグストがアルツハイマーを患い、記憶を少しずつ失っていくのです。
失われていく記憶には、最愛の妻、パウリナの記憶も。
この困難に直面した夫婦でしたが、妻が夫との生活を慈しみ、全面的に夫を支えていく現実に起こったストーリーでした。
夫が奥さんのことを誰だかわからなくなっているシーン、過去の友人の死を泣きながら思い出すシーン、かつての自分がやってきたことを思い起こし愉快に誇らしくなるシーン、コロナ禍で人と会えず、家にずっと居る時に独りになってしまった、自分の書いた本が何処かに行ってしまうなどと幻覚のような症状を起こすシーンなどがあり、それをとてもやさしく、丁寧に話して説明しながら諭していく奥さん・・見ていて何度も泣いてしまいました。
二人で公園のようなところの木々の中を散策するシーンでは、夫から「私が死ぬまで一緒にいてほしい」という言葉が出て、二人が抱き合うところではもう涙が止まりませんでした。
今、私が求めているものは、こういう丁寧に作られた、人間らしい映画です。
暴力や、破壊、恨みつらみ、なんてもっとも私がいらないものです。
とてもいい映画でした。
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