「忖度(そんたく)バカ/鎌田實」を読みました。
『忖度(そんたく)バカ/鎌田實著(小学館新書)』を読みました。
2017年に第一刷発行されたもので、古本で手に入れました。
著者、鎌田實先生については、毎日曜日の朝早くにやっているラジオ番組「日曜はがんばらない」をよく聞いています。
7年前の本で、タイトルにもある「忖度」という言葉が森友・加計問題に端を発して大きくクローズアップされていた頃です。
著者の指摘は鋭く、“忖度”という言葉を日本社会に深く巣食う「病理」を表す言葉であると書かれています。
あの頃の首相や、国会議員、官僚の発言や実際に行ったこと、それらは私達国民に不信感を抱かせ、さらに公文書の改竄という重大な問題も引き起こしました。
そして、それらは7年後の今現在の社会でも何ら変わっていないと感じます。
“忖度”という言葉は、今や本来的な意味とは既に異なる意味で使われている感じがしますが、兵庫県知事の公益通報者保護法を逸脱したと言える行為は“忖度”のバリアの中で横暴かつ強権的な振舞いを許してしまった例と言えるのではないかと感じています。
そして、そんな人がまだまだいると思われます。
皆、一様に同じ目つき、表情をしているのも不気味ですが、今のネット社会ではそんな人に群がって“持ち上げる”人も多く、さらに「忖度」を指摘するような人に対し、ネット上で攻撃する人も多々見受けられます。
日本は、暗黒社会の入口から既に数メートル入っている状況だと思います。
「言いたいことを言える日本がいい」と著者は書いていますが、どうでしょう、今の日本で言いたいことが言えているのか・・疑問は深く残ります。
中学時代の担任の先生ともよく電話でお話しをするのですが、だんだん忖度なしに、遠慮なく話せる人が先生以外には少なくなっているように感じます。
この本では、軍備の拡大や、原子力発電の今後などについてもふれていますが、著者が政治的なことにも忖度なく自身の意見を述べているのを読んで、こうありたいと思いました。
X(旧Twitter)でも、私は忖度のない発言をしていますが、何処かからか圧力を掛けてくることがあるのではないかと危惧している気持ちもあります。
この本を読んで、あの頃感じていたことが整理された感じがしました。
そして、その頃の気持ちを大切にして、これからもいらぬ忖度はせぬように、このブログ等も書いていきたいと思います。
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