「今を生きるあなたへ/瀬戸内寂聴」を読みました。
『今を生きるあなたへ/瀬戸内寂聴・瀬尾まなほ(聞き手)(SB新書)』という対談形式の本を見つけ、読んでみました。
2021年11月に亡くなられた瀬戸内さん。この世を去る3か月前に京都の寂庵にて取材した内容を基に加筆・修正されたものとのことです。
聞き手は、秘書の瀬尾まなほさんとなっています。
対談の中で、瀬戸内さんは「やりたいことを貫きなさい」「思うがままに生きなさい」「周りの人の幸せを考えなさい」そして「愛は見返りを求めません」と再三に渡り説いています。
そしてその言葉は、聞き手である秘書の瀬尾さんに対しても同時に諭すように語っていました。
瀬尾さんの質問は、私のようなごく一般人というか、“世俗の人間”がよく考え、思うようなことで、瀬尾さんは秘書となってからそのような問いを常に投げかけていたようで、それによって成長したとご本人も寂聴さんもおっしゃっていました。
私も世俗的な質問と回答を読んで、少し成長したかもしれません(^_^;)
少し私が気になった部分を挙げてみると
相変わらず若い人たちは選挙に行かないようですという瀬尾さんの質問には
それは今の政治に失望しているからでしょうね。言っちゃ悪いけれども、今はロクな政治家がいません。何かおかしな人ばかりです。
と答えています。
私も同感。
また、先生はテレビを見ながら「こいつは嘘つきだ」とか、よく言ってますね、という瀬尾さんの質問に対して
嘘をついている人は、すぐにわかります。
と答えています。
寂聴さんは、テレビを見ているだけで顔を見たら、どいつが悪いやつか、だいたいわかります。と答えています。
・・私もすぐにわかります。
もうひとつ
「あれをやらなければよかった」という後悔よりも、「あれをやっておけばよかった」という後悔の方がイヤだ。と寂聴さんがおっしゃっていたことが印象に残りました。
覚悟して何でもやってみる。そのほうが後悔をしなくてすみます・・と。
私は、割とここ十数年で、やっとそんな心境になってきました。
上記と関連して、若い人もそうでない人も好きになったら思い切って告白をするといい、というのが人生長いことやってきて思っていることです。
それによって心は晴々するし、ことによるとそこから先の人生が変わるかもしれません。
特に若い人は自分の都合や体裁ばかりを考えてないで、思い切って自らの思いを言ってみることが道が開けるきっかけになるんじゃないかと、今にして思っているのです。
ということで、寂聴さん亡くなる前の最後の取材対談収録本も、とても心の栄養になりました。
ありがとう寂聴さん。
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