「野郎どもと女たち/村松友視」を読みました。
『野郎どもと女たち/村松友視著(集英社文庫)』を古本で読みました。
1984年刊行されたものの文庫化で1988年に発行されたものです。
だから村松さんご本人もまだ四十代半ばです。
「私、プロレスの味方です」でプロレスのブーム的な人気を盛り上げ、「時代屋の女房」で直木賞を取り、まさに絶好調の頃のようです。
アントニオ猪木についてはもちろんですが、キオスクのおばさんについて、紅白歌合戦について、当時、「下町の玉三郎」と呼ばれていた梅沢富美男さんについてなど、ふつうの人はそんな“深読み”というか、斜めから見たような考え方はしないよ、というような文章の展開は、今読んでも斬新ですが、当時は如何ばかりかと思いました。
村松さんが仲良くしていた人たちの名前が何人も挙がっていましたが、篠原勝之、赤瀬川源平、糸井重里、南伸坊、小林薫ら、当時はけっこうマニアックというか、それぞれがそれぞれにその世界で独自の展開をされていた方々ばかりです。
その頃のけっこう“自由な雰囲気”が読んでいて感じられました。
あの頃は上記の人たちが載っている面白い雑誌も何冊もあったような記憶があります。
芥川賞作家の赤瀬川源平(尾辻克彦)さんは、ニセ札作りの裁判なんかもやっていて、その独自路線は“筋金入り”でした。
そんな中、村松さんは直木賞受賞後に仕事が猛烈に忙しくなり、しかもテレビ他色々なところに呼ばれる機会も多くなり、読んでいるだけで殺人的なスケジュールの只中にいたようです。
もの凄い数の原稿を書き上げる中でも村松さん独特の視線は健在で、時代的なことでコンプライアンス上無理のある文もありましたが、今でも刺激を受けるような“尖った”本でした。
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