「暗がりで本を読む/徳永圭子」を読みました。
『暗がりで本を読む/徳永圭子著(本の雑誌社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2020年発行のこの本は、書店に勤務し、雑誌や新聞で書評・コラムを連載している著者の初の著書となるものだそうです。
それにしては、この本の文は実に“手練れ”というか、上手いと感じました。
書店員で、ふだんから色々な本を読み、かつ、敏感に世の中の“本事情”というものを知り尽くしている人だからこその文なのだろうと思いました。
この本に掲載されている文を読むと、まだ「本屋大賞」ができる前のものがありました。
読んでいると、著者はその創設にあたっても関わっていたようで、本に対する並々ならぬ愛情というか、情熱も感じました。
今や、書店は減少の一途をたどり、本屋が一軒もない市町村が珍しくはない状況ということで、この本に書かれていて、著者が関わっている本屋でのイベントのようなものは、著者のような書店員さんがいないと成り立たないのだろうとも思いましたし、今後も続けていただきたいものだと思いました。
著者宛に閉店することになった珈琲店から葉書が届き、「どんな夜でも、すっと本の世界に入っていくお姿が好きでした。たくさんの時間を過ごしてくださりありがとうございました。」
と書かれていたとのこと。
いい話です。
まさに本好きならではの珈琲店での居方、過ごし方だったのでしょう。
本屋開店の際に関わった書店は、その後の成長も気にかかるということで、定跡を外さず、旬を逃さない棚作りには正解はなく、その店が出来た過程も覚えているということも書かれていました。
本屋さんの視点から見た書店について、そして、おすすめしたい本などもたくさん載っていました。
本好きのための良い本でした。
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