「谷中レトロカメラ店の謎日和/柊サナカ」を読みました。
『谷中レトロカメラ店の謎日和/柊サナカ著(宝島社文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
2015年書き下ろし作品となっていました。
巻末に参考文献として載っている様々なカメラ雑誌や書籍の数々を見てもクラッシック・カメラに対する知識が本文中でふんだんに繰り広げられている所以がわかりました。
そのクラッシック・カメラにまつわる事件や出来事が実に巧みに書かれていて、“謎解き”がとても面白い。
主人公は、今宮写真機店の店主(クラッシック・カメラを取り扱い、修理も行っていてる)の男性と、そこにアルバイトで勤めることになった女性の二人ですが、事件・事象が起こったあとに丁寧な推察・推測と、心温まる気持ちの籠った解決方法が心地よく感じられました。
また、ステレオカメラという珍しいカメラで撮ったのではないかと思われる女性が何処の誰で今現在存在しているのかということの調査を依頼され、「立体写真ファンサイト」にアップされた写真だけの資料で本人にたどり着くという章は、唸るくらいの見事な展開で驚きました。
ラストでは、主人公のうちのアルバイト女性が実はどんな境遇の人だったのかが明かになるのですが、そこも思いもしなかったことになっていて、胸がジンとなったのでした。
最後までどの章も面白い小説でした。古本で見つけてよかった。
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