映画「ミスター・ジミー(Mr.Jimmy)」を見て、聞いて来ました。
映画『ミスター・ジミー(Mr.Jimmy)/2023年 アメリカ・日本 製作・監督・編集:ピーター・マイケル・ダウド 出演:ジミー・桜井他』を見て、そして聞いて来ました。
私、存じ上げませんでしたが、主役のジミー・桜井氏は実在の人物で、サラリーマンの傍ら30年に渡り、あのロック・バンド「レッド・ツェッペリン」のジミー・ペイジ(※よく三大ロックギタリストと言われる人達のひとり)をギタープレイ、アクション、衣装、機材他全てを完璧に再現しているの人なのです。
それも度を超すというか、なんというか、例えば197〇年〇月〇日のどこそこの会場でのコンサートのジミー・ペイジのプレイ、というふうに、私も当時、海賊盤が山と出ていたツェッペリンのライブ音源があることを知っていますが、その時々のペイジのプレイを再現しているのです。
それはボーカルやベース、キーボード、ドラムも含め全てジミー・桜井の記憶にセットされている・・恐るべし。
映画の中では、ジミー・桜井がプレイするライブハウスに噂を聞き、来日していた本物のジミー・ペイジが訪れ、握手するというシーンがありました。
そして、全楽曲の使用許諾も得るのです。
その後アメリカでツェッペリンのコピーバンドに参加し、ライブを何百本もこなすのですが、桜井氏の目指す完全再現は、楽しく“ノリ”で過ごす観客のニーズとは異なり、バンドのメンバーとも方向性が異なることで別れてしまいます。
この悩みが映画の最大のテーマだと思います。
完全再現が果たしてビジネスに繋がるのか・・日本ではまだしも、アメリカやその他ヨーロッパなどでは無理があるのです。
ギターソロ30分以上なんて、ワアワア騒ぎに来ている年配の観客には付き合えないし、細かく何月何日のプレイはああだった、なんて人も外国にはほぼいないのです。
最後はツェッペリンのドラマーだったジョン・ボーナム(故人)の息子がドラムを叩いているバンドから声が掛かり、そのツアーに参加し、ジミー・桜井氏自身のバンドでも再現活動を続けて行くところまで描かれていました。
逆に私にはジミー・ペイジの、そしてツェッペリンの音楽の聞き方が初めて実感してわかったという感覚がありました。
つまり、今まで私は、アルバムを中心に聞き、ライブでのプレイはソロやインプロビゼーションが回りくどく聞こえ、煩わしかったのですが、いやいやそれは逆でライブでのその時々のジミー・ペイジのプレイ、ツェッペリンというペイジが描く音楽世界に漂うように、身を任せるように聞いていくと、広大で深淵なギタリストというよりもプロデューサー的なジミー・ペイジの音楽ワールドが広がっていくのでした。
いやあ、何で今まで毛嫌いしてきたんだろうと思いましたよ。
あわててツェッペリンのライブを聞き直しているところです。なんだ、いいじゃねぇか!!(^_^;)
というわけで、映画としても見ごたえがあり、私個人にとってもツェッペリンを見直す機会になりました。
力作でした。
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