「前略、高座から-。/柳家三三」を読みました。
『前略、高座から-。/柳家三三著(三栄)』という本を読みました。
古本で手に入れたのですが、発行は2020年となっていました。
内容は、雑誌『男の隠れ家』に2015年から2020年まで掲載された柳家三三さんのエッセイをまとめたものです。
三三さんの少年時代の思い出や、小三治師匠のもとでの下積みの頃の話題、噺家同士の間でのエピソード、全国に旅したときの出来事など、話題は多種多彩でした。
最近、落語からちょっと離れていて、三三さんの落語はまだ聞いておらず、ラジオなどでお話ししているのは聞いたことがあるのですが、そんな状態でこの本を読んでの三三さんの印象は、とても真面目で、しかもそれぞれの話題の提供の仕方が丁寧でした。
わかりやすい言葉を使い、誰が読んでも読みやすい、しかもちょっと“くすっ”とするようなくすぐり方で笑いを起こす形でした。
他の噺家さんの本も何冊か読み、このブログでもご紹介していますが、それらに比べると、非常に上品(^^;
とんでもねえヤツを罵ったりすることもなく、自らの失敗も開き直ったりせずに、冷静に書いていて、静かに反省している感じ。
なので、私にはやや刺激が足らないというか、もっと“ワサビ”を効かせて欲しい、などとも思いました。
上野、池袋、浅草などの寄席の紹介や、楽屋内での噺家達の様子、正月などの忙しく働いていた若手の頃の話などは、落語初心者の方にも十分興味を持たせる内容でしたので、落語未経験の方にも読んでいただきたい本でした。
そして、私にも久しぶりに寄席に行ってみようかという気持ちを起こさせてくれました。
近いうちに上野か、浅草の寄席で落語を聞こうかと思います。
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