「言葉の温度/イ・ギジュ・米津篤八訳」を読みました。
『言葉の温度/イ・ギジュ著・米津篤八訳(光文社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2019年初版発行となっていました。
著者イ・ギジュ氏は作家で、もともとはソウル経済新聞などで社会・経済・政治などの記者をされていた方とのこと。
最初立ち読みしていて、なんだか欲しくなり購入しました。
「言葉」に関する本なので、日本語に訳したときにそのニュアンスが伝わって来るのだろうかと思っていましたが、基本的には問題ありませんでした。興味深く読みました。
著者が寺院で古い石造りの塔を見ていたときに、住職から「この数百年は経っている石塔は、実はちょっとした隙間が必要なのだ」という言葉に引き込まれた様子が書かれていました。
「余裕がなく、中身ががっしりと詰まっていると、風雨に耐えられずにガラガラと崩れてしまうのだよ」と教わり、「何であろうと、隙間があってこそ頑丈になるものだ」というわけなのです。
著者の頭の中をこの言葉が駆け巡り、「あまりに完璧を求め過ぎて、途中でバランスを失ってひっくり返るようなことが数えきれないほどあったような気がした」と思ったことが書かれていて、私も今までいろいろな局面でそんなことがあったような気がすると思ったのです。
もうひとつこの本からのエピソードをご紹介しておきましょうか。
結婚した娘に電話したくてもなかなか通話ボタンを押せない七十代くらいのお年寄りを見たことが書かれていました。
10分ほど迷ってから電話すると「お父さんだよ。元気でやってるか?ただかけてみただけだ・・・」という通話。
この「ただかけてみただけ」という言葉の裏には、いろいろなことが背景にあると思います。
心配を口にだすことができないけど、でも電話をかけずにはいられない親心・・。
さだまさしさんの歌にもこんな感じのものがありました。
上記のようなある人がかけた言葉に著者が“ピン”と感じたことがたくさん書かれていました。
その場で覚えておこうと思っても、やがて忘れてしまうような大切な言葉がたくさん書かれていました。
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