「ほっとする論語/杉谷みどり・石飛博光」を読みました。
『ほっとする論語/杉谷みどり(著)・石飛博光(書)(二玄社)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2007年発行のものなので、ちょっと古い本でした。
帯を見てみると、一時期テレビでよくお見かけした市田ひろみ(服飾評論家)さんが推薦の言葉を書かれていました。
この本は著者・杉谷みどりさん(プロデューサー・編集長・著述家)が、孔子の言葉をわかりやすく解説し、書家の石飛博光さんがその論語を様々な書体で表現されていて、論語についてあらためて込められている意味をしみじみと感じ、さらに書によって視覚的にも芸術的にも刺激を受けるような形になっていました。
「詩を学ばざれば、以て言うこと無し」
さしあたり必要のない詩を読み、さしあたり必要のない礼儀作法を学ぶことが教養だとすると、なにか即効性があるわけではない。
それらが価値あるものに生まれ変わるまでには熟成が必要だということ・・。
教養は感性を養い、人の持つ豊かな感性の世界に触れて行く事で、社会や時代の枠にとらわれず自由な発想が出来るようになる、・・歳とって実感しているところです。
わずかな言葉から多彩な意味内容を汲み取り、人の抱く喜怒哀楽の深さ、感情の微妙な陰影、人情の機微までを知ることになる。こうして育まれた豊かな心に「思いやり」が生まれると。
・・そうか、そうだよ。やっと今になってわかりかけてきたよ、と思いました。
「得るを見ては義を思う」という論語のところでは、簡単にいうと
欲に目がくらんだ人の前に儲け話はやってくる。
騙す方は真剣で、そんな顔をよく知っている。
うまい話に出会ったら、自分をよく見て考える。大き過ぎないか、豪華過ぎないか、立派過ぎないか・・。
上記のことも当たり前だとはわかりつつ、多くの人が、いざその時には忘れてたいへんなことになる。ニュースでもそんなことをしょっちゅう聞く。
などと色々考えつつ、そして書を鑑賞しつつ読み終えました。
少し気分がすっきりしました。
« 俳句を詠んでみる_0416【 花曇(はなぐもり) ピンチに他人(ひと)を慰める 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0417【 書斎でひとり 灸据える 春の朝 】 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0473【 白南風(しろはえ)が 寶来(ほうらい)揺らし 幸来たる 】(2025.06.21)
- 俳句を詠んでみる_0454【 夏始 社に銅葺く 槌音 】(2025.05.31)
- コーヒー店で開かれている絵画展示を見に行きました。(2025.05.25)
- 俳句を詠んでみる_0442【 前梅雨(まえづゆ)の 黄金山 涌谷に訪ね 】(2025.05.17)
- 「日本語の美/ドナルド・キーン」を読みました。(2025.05.17)
「言葉」カテゴリの記事
- 「言葉のおもちゃ箱 伊奈かっぺい綴り方教室/伊奈かっぺい」を読みました。(2025.06.05)
- 「ほっとする論語/杉谷みどり・石飛博光」を読みました。(2025.04.14)
- 「言葉の温度/イ・ギジュ・米津篤八訳」を読みました。(2025.04.12)
- 俳句を詠んでみる_0412【 春の朝 ご安全に の 声聞こえ 】(2025.04.10)
- 俳句を詠んでみる_0379【 春の朝 続きが見たい 夢だった 】(2025.03.06)
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「荒木経惟の写真術」を読みました。(2025.07.10)
- 「夫婦脳/黒川伊保子」を読みました。(2025.07.09)
- 「どうせ、あちらへは手ぶらで行く/城山三郎」を読みました。(2025.07.05)
- 「玉子 ふわふわ/早川茉莉・編」を読みました。(2025.07.01)
- 「NHK俳句 今日から俳句/片山由美子」を読みました。(2025.06.28)
« 俳句を詠んでみる_0416【 花曇(はなぐもり) ピンチに他人(ひと)を慰める 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0417【 書斎でひとり 灸据える 春の朝 】 »
コメント