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2025/05/31

「花がないのに花見かな/東海林さだお」を読みました。

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『花がないのに花見かな/東海林さだお著(文春文庫)』を古本で見つけて読んでみました。
「オール読物」2009~2011年に掲載された「男の分別学」を改題し、単行本として2011年に刊行、文庫化は2014年となっていました。

「ホルモン焼き」の世界に深くのめり込もうと、『悶々ホルモン』という著書がある先生について、内臓の様々な部分と色々な食べ方を楽しむ章は、非常に興味深かった。

わざわざ“自炊旅行”と謳われた宿泊をしに旅館に行ってみたり、当時ミシュランで“三つ星”をもらった高尾山に登ってみたり、思い立ったらもう出掛けているのが東海林さんらしい。

実は探偵になりたかった東海林さんが、現役探偵の女性にインタビューしている章もありました。
調査内容はほとんどが“浮気調査”のようですが、以前は相談者は女性ばかりでしたが、このインタビューがあった頃から男性の相談者比率が増えてきたようです。
探偵の苦労話も面白かったが、いかにして浮気がバレるのか微に入り細を穿つように聞き入る東海林さん・・あやしい・・(^^;)

また、青木ヶ原樹海にも興味を持つ東海林さんは、国土地理院の地図にも載っていない樹海の道を見つけ、独自の地図を作ったり、様々な伝説を検証したり、自殺した遺体を見つけたりしている「樹海探検家」にインタビューもしていました。
これを読んで、樹海は想像以上に怖ろしい所だということがわかりました。
絶対に行かない!

というわけで、今回読んだこの本でも“東海林節”はとどまることを知らず、全開でした。

まだまだストックがある東海林さんの本、また読みましたら感想をアップいたします。

 

俳句を詠んでみる_0454【 夏始 社に銅葺く 槌音 】

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久しぶりに香取神宮へ。本殿・宝物殿は改修中でした。その様子を見て詠みました。

【 夏始 社に銅葺く 槌音 】

《背景》季語:夏始(なつはじめ)[夏]
香取市の「香取神宮」に参拝し、本殿に向かうと改修中で、仮囲いがされていた。
金属を叩く音が聞こえ、見上げると職人が屋根に真新しい銅板を葺(ふ)いていた。
静かな境内に響く槌(つち)音が新鮮で、敬虔な気持ちになった。

 

 

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2025/05/30

俳句を詠んでみる_0453【 緑蔭 奥宮(おくのみや)に光刺す 】

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過去に何度か訪れたことのある「香取神宮」。今回は奥宮にもお参りして来て一句詠みました。

【 緑蔭 奥宮(おくのみや)に光刺す 】

《背景》季語:緑蔭[夏]
香取市にある「香取神宮」に詣でた。
今までも行ったことのない奥宮(おくのみや)にもお参りした。
本宮祭神の荒々しい勇猛な側面である『荒魂(あらみたま)』が祀られている。
ただごとではない気配を感じたが、お参りすると柔らかな雰囲気に変わり、光が刺してきた。

 

 

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2025/05/29

俳句を詠んでみる_0452【新緑の一言(ひとこと)稲荷 名刺溢れ 】

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初めて「ひと言稲荷」を訪れて詠みました。

【新緑の一言(ひとこと)稲荷 名刺溢れ 】

《背景》季語:新緑[夏]
香取市にある多田朝日森稲荷神社にお参りしたところ「一言稲荷神社」が境内に有り、神様への願い事をひと言にして祈願するのだという。
御利益があるのだろう、色々な人が名刺を山のように捧げていた。

 

 

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2025/05/28

俳句を詠んでみる_0451【 初夏 新しいスリッパ 歩き出し 】

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季節が変わり、新しいスリッパに変えて一句詠みました。

【 初夏 新しいスリッパ 歩き出し 】

《背景》季語:初夏[夏]
これから夏に入るので、冬のスリッパを履き替え、妻が新しいスリッパを買ってくれた。
明るい色の新しいスリッパは、まだ目に慣れなくて、スリッパ自体が歩いているみたいだ。

 

2025/05/27

俳句を詠んでみる_0450【 自転車漕ぐ二人 夏の遊園地へ 】

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中学生のときに彼女と遊園地目指して自転車に乗ったことを思い出して詠みました。

【 自転車漕ぐ二人 夏の遊園地へ 】

《背景》季語:夏[夏]
中学生の頃、一学年下の彼女と自転車で隣の市の「こどもの国」という大きな遊園地に、夏の休日に行ってみようという計画を立てた。
今思うと、クルマでも40分~50分かかるような距離、しかもアップダウンの激しい道だった。
必死で自転車を漕ぎ、たどり着いたが、なぜだかいい思い出として心に残っている。
巨大迷路で遊んだ記憶が微かにあるのだが・・定かではない。

 

 

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2025/05/26

「悩める人、いらっしゃい・内田樹の生存戦略/内田樹」を読みました。

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『悩める人、いらっしゃい・内田樹の生存戦略/内田樹著(自由国民社)』を古本で見つけ、読んでみました。
2016年第一刷発行となっていました。

この本は寄せられた“相談”に著者・内田樹氏が答えていく形式で進められています。
相談は2012年から2016年までに寄せられたものです。

読み終えての印象は、ここで出ている質問・相談者は、ほとんど何も自分で考えていない人ばかり、おまけに無責任で人任せな質問ばかりでした。
この本の成り立ちがよくわかっていないのですが、無理やり作った質問のように見えて仕方ありませんでした。

ま、それはさておいて。

ひとつ共感というか、同感した問題がありました。

今、現代の人たちは、最小の労力や費用で、すでに分かっている結果・効果・資格などを得ることを一番の旨としていて、この努力や探求によって何が得られるかもわからないが突き進んでみる・・なんていうことは“無駄”だから一切やらないのだ。

という考え方が蔓延しているという部分でした。

なおかつ、人のため、社会・世の中のために役立つのではないか、という考えで探求していく人など今やほとんどいないということでした。

私のようなもののかつての職場でも、たくさんそんな例を見てまいりました。

新しい“社会・仕事のキーワード”のようなものが流布されると、それについて「調べろ、レポートを作れ、やってみろ」と云う上司は、「それをやった」という結論のみが欲しくて、それを自分の手柄にするためにのみ命令するのでした。

それが8千人の職員の仕事に、あるいは社会的に、どれほど役立ち、効率が上るかなどということには実際興味はなく、ただ目をつけた、そしてやってみたことに対する人からの評価が問題なのでした。

職員がPCで仕事以外のことを、特にインターネットを使ってやっていることについて自動的に調査出来るシステムを私の部署で稼働させた時には、虫も殺さぬような善人で誰もが知っている人、真面目・堅実な仕事ぶりが印象にある人達が内緒だと言って私のところに乗り込んで来たことを思い出します。

ようするに自分のライバルの仕事状況を知りたいからデータを流してもらえないか、という信じられないことを言いに来たのでした。ライバルを蹴落としてでも出世の先頭に立ちたいのでしょう。
全てその場で「自分がやろうとしていることがどんなことかわかっているのか」と断りましたが、さらに私の上の人間に働きかけたのかは不明です。

システムを職場の効率、公正性に役立てるなんてこと頭の片隅にもないことがわかり、出世する人っていうのは、こういう人間なのだとあらためて感じたのですが、この本で言っていたことの事実版です。

この本の後半は、もうどうでもいいことを無責任に聞いてくる質問だったので、流し読みになりましたが、それなりに感じることがある本でした。

 

俳句を詠んでみる_0449【 金運の蛇に 財布擦(なす)る人よ 】

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色々な神社があるが、金運の神社で財布を取り出してする行いがあって・・一句詠みました。

【 金運の蛇に 財布擦(なす)る人よ 】

《背景》季語:蛇[夏]
宮城県岩沼市三色吉字水神にある「金蛇水神社(かなへびすい)神社」に宮城パワースポット巡りで詣でた。
ツアーには「神社ナビゲーター」の先生がついてきてくれて、いくつもある「蛇石」の中から気に入ったものに自分の財布を擦ると金運がつくとのこと。
でも見ていたら多くの人が“全部の石”に財布をゴシゴシと擦っていた。

 

 

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俳句を詠んでみる_0448【 素足で朝の掃除 廊下の温度 】

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朝、家の中を掃除をしているときに感じたことを詠みました。

【 素足で朝の掃除 廊下の温度 】

《背景》季語:素足[夏]
だんだんと暑い日が多くなり、朝からもそれなりに暑いときがある。
今まで靴下を履き、スリッパも履いていたが、裸足になって、廊下・階段の木の温度を感じながら掃除するようになった。

 

 

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2025/05/25

コーヒー店で開かれている絵画展示を見に行きました。

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千葉県旭市琴田にある『まつざわコーヒー』で、私の中学時代の担任で美術の先生だった南隆一先生の絵画が展示されているということで、先生宅に寄って先生と一緒に出掛けました。
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会場となっていた「まつざわコーヒー」は、自家焙煎で、美味しいコーヒーと豆が手に入る旭市の良いお店です。
コーヒーを通してこの地の情報ステーションのような役目も果たしているように感じました。
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集まる人たちが皆、何か面白い話を持ってきて、交流の花が咲いている・・そんなことがお店に入ってすぐにわかりました。
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コーヒーをいただきながら、南先生の作品を鑑賞しました。

相変わらずのアグレッシブさが目立ち、次へ次へとテーマを見つけ、前進する先生の作品に対する取り組み方にはいつも驚きますし、かつての生徒として尊敬します。

 

 

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先生と会う度に、自分はまだまだやれることがある。
もっと頑張っちゃっても大丈夫(^_^)と意を強くするのです。

「旭市琴田 まつざわコーヒー」で検索すれば、すぐに場所も、どんなコーヒー豆があるのかもわかると思いますので、美味しいコーヒーと元気になる絵を見に行ってみてはいかがでしょうか。

 

2025/05/24

「人生はドンマイドンマイ/美輪明宏」を読みました。

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『人生はドンマイドンマイ/美輪明宏著(家の光協会)』を古本で手に入れ、読んでみました。
2013年第一刷発行となっていました。
2010年から2013年にかけて月刊誌「家の光」に連載された「美輪明宏の人生相談」をまとめたものでした。

人生相談といっても、美輪さんが相談にのっているわけですから、通常の相談者に“寄り添い過ぎる”ようなことは勿論ありませんでした。

自分の不幸を人のせいにする

結婚したらあとは思うがままの人生になると思ったのに・・

放蕩息子や孫、浪費する娘、ゴミ屋敷になるくらい整理の出来ない身内について

金銭問題を起こす身内に対する不満

などなど、次から次へと来る相談に対しては、その多くの回答で「あなたの考え方、行動が間違っている」「もっと感謝して生きろ」「あなたのことなんか世間は気にしていない」など(^_^;)、けっこう“一刀両断”で返り討ちにしているパターンが多かったのです。

時には慰めたり、元気づけたりすることもありましたが、ちょっと今どきの相談とは様相が異なっておりました(^^;

でも、それでいいんじゃないか、とも思いました。
最近はちょっと“腫れ物に触る”ような相対をする先生が多すぎるような気もしてきました。この本を読んで。

なんか似たような記憶があるな、と思い起こしてみたら、伊集院静さんの人生相談も遠慮会釈なしに、歯に衣着せぬものだったなあと。

タイプは異なりますけど。

伊集院さんは、バンバン背中を叩いて「しっかりせいっ!」という感じですが、美輪さんの方は「人生なんてこういうもの、諦めるところはあきらめ、淡々と進みなさい」という感じなのです。

ただ、普通の人生相談とはちがって、お二人からの回答は、確実に相談者にとって方向性が示されていると思いました。
私にとっても、「そうか、そう考えればいいんだ」と思うことがいくつもありました。

古い本でしたが、身を乗り出して読みました。

 

俳句を詠んでみる_0447【 庭涼し 煩わしきこと そこに置き 】

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静かに生きていても、煩わしいことは次々に起こる。そんなときに庭に出て一句詠んだ。

【 庭涼し 煩わしきこと そこに置き 】

《背景》季語:庭涼し[夏]
雨が降ったかと思うと、暑い日が続いたりする。
そんな中、庭に出ると草花が風になびき、すっと涼しさを感じる時がある。
煩わしいことも、ひとときは忘れて庭を気分良く歩いてみる。

 

 

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2025/05/22

俳句を詠んでみる_0446【 妻 収穫 絹莢(きぬさや)八十九個 】

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庭のささやかな“畑”で絹莢が採れました。

【 妻 収穫 絹莢(きぬさや)八十九個 】

《背景》季語:絹莢[夏]
妻が庭で育てた絹莢、今年の収穫数の現在合計個数は「八十九個」だと報告有り。
穫れた時にカレンダーに個数を書いてあったので合計が出たのでした。

 

2025/05/21

俳句を詠んでみる_0445【 夏の空 見上げる 出世の石段 】

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港区愛宕にある「愛宕神社」に詣でて一句詠みました。

【 夏の空 見上げる 出世の石段 】

《背景》季語:夏の空[夏]
勝手にやってみた一日で回る東京での三社巡り、最後は東京タワーが見える愛宕神社。
鳥居の向こうには「出世の石段」と呼ばれ、これを登れば出世すると謂われている愛宕の長く急な石段がそびえ立っている。
思わず見上げたままになり、やがて意を決して登る人が多かった。

 

 

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「洋食や たいめいけん よもやま噺/茂出木心護」を読みました。

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『洋食や たいめいけん よもやま噺/茂出木心護著(角川ソフィア文庫)』を古本で見つけ、読みました。

「泰明軒」は有名な洋食屋さんで、私も一度だけ十数年前に行ったことがありました。
それと、数十年前にNHKの料理番組にこの著者ではなく次の代の方だと思いますが、出演され、オムレツを作っていたのを見たことがありました。
たしかに、その真似をして作ってみるとあの中がトロッとしたものになって感激した覚えがあります。

この本は著者の茂出木心護氏(1911年生)の書かれたものの、何度目かの復刻版のようですが、時代的にも戦後の洋食メニューや、不足していた食材とそれに代わる代替品、当時のお祭りの様子や、泰明軒がそれにどう関わったていたのか、泰明軒で雇った人たちへの指導や、その指導の様々な受けとめ方など、話題に事欠かない面白いエピソードが語られていました。

あの伊丹十三氏が訪れて、オムレツについて取材された時の様子も書かれていました。
私も見た映画「タンポポ」でホームレスの人が夜中の厨房に潜り込み、オムレツを作るシーンに生かされていました。
その後「泰明軒」では、メニューに「タンポポ・オムレツ」が加わり、運ばれてきたオムレツの背中にナイフを入れると、パァ~ッと外側に開かれてトロトロの中身が流れてくるという映画のシーンそのものでした。私も行ったときに食べてみました・・。

洋食の作り方、食べ方、様々なタイプのお客さん、実に面白く読みました。
「泰明軒」もう一度行ってみたくなりました。

 

2025/05/20

俳句を詠んでみる_0444【 清和に 婚礼の儀 赤坂氷川宮 】

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神社というものは、実際に行ってみれば想像と異なることばかりだし、突然儀式的なことが始まったりする。そんなことを詠んでみました。

【 清和に 婚礼の儀 赤坂氷川宮 】

《背景》季語:清和[夏]
初夏、気候清らか、穏やかな日に初めて東京・赤坂氷川神社に詣でた。
緑深く爽やかな境内に入ると祝詞が聞こえ、婚礼が行われていた。
想像以上に立派で荘厳な雰囲気に驚いたうえに婚礼の式典も始まり、縁起が良く、祈りの心を強くした。

 

 

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2025/05/19

俳句を詠んでみる_0443【 夏めく 金属質の 金刀比羅宮 】

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東京、虎ノ門にある「金刀比羅宮」に参拝した時の特異な印象で一句詠みました。

【 夏めく 金属質の 金刀比羅宮 】

《背景》季語:夏めく[夏]
宮城のパワースポットから打って変わって、東京虎ノ門の「金刀比羅宮」をお参りした。
すこし汗ばむような陽気だったが、ビル群に同居するような佇まいの、この神社は、ひんやりとした金属質な印象を感じさせた。
お参りも心がすっと洗われるような気持ちになった。

 

 

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2025/05/17

俳句を詠んでみる_0442【 前梅雨(まえづゆ)の 黄金山 涌谷に訪ね 】

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黄金山神社が海の向こうの金華山だけでなく、陸側の涌谷にもある・・と聞き。

【 前梅雨(まえづゆ)の 黄金山 涌谷に訪ね 】

《背景》季語:前梅雨[夏]
先だって行って来た「宮城パワースポット巡り」は、荒天で金華山にある黄金山神社正式参拝が叶わず、代替案はなんと涌谷町にある同名の黄金山神社を訪ねることに。
参拝前に立ち寄った日本初の金発掘に関する施設の説明では、実際に初めて日本で金を発掘したのは涌谷であり、黄金山神社自体もこちらが本家なのでは・・ということを遠慮がちにおっしゃっていた。色々事情があって内緒の話だけど・・^_^;ってことで。
お参りすると、たしかにそんな気になる雰囲気が横溢。
神社脇を流れる川では、採ろうとすれば砂金も採れるのだという。

 

 

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「日本語の美/ドナルド・キーン」を読みました。

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『日本語の美/ドナルド・キーン著(中央公論社)』を古本で見つけ、読んでみました。

日本人よりも日本を知り、日本の文学を知り、博識なキーンさんが「新潮」や「中央公論」「群像」「朝日新聞」などに寄せた日本語について書かれた文をまとめたもので、1993年に初版発行されたものでした。

キーンさんの本を読んでいていつも感じるのは、自分が日本の古典や文学などをいかに読んでいないか、知識が無いか、思い知らされるわけです。

また、今回の本で書かれていたかつての“漢字廃止論”“日本語廃止論”についての記述については、いくつかの本で見聞きしたことはあったのですが、漢字をやめてローマ字にしようだとか、そもそも日本語をやめてフランス語を公用語にしようなどということが実際にあったことに驚くのです。
そんなことになったら、源氏物語はじめ日本の古典文学を読める人自体がやがて居なくなってしまうわけで、そんなことにならずに良かったとあらためて感じました。

方言についての記述も面白かったし、日本での外来語の“さばき”方についての考察も面白かった。
結局“カタカナ”というものの存在が他国の状況と異なり、やがては不要になる外来語を“はじき出す”のに好都合だったということもわかりました。

また、キーンさんの三島由紀夫、阿部公房、司馬遼太郎、徳田秋声との出会い、繋がりも克明に書かれていて、読み応えがあるものでした。
ただし、私のように三島や阿部、司馬、徳田の本をそれこそ数冊しか読んだことのない者にとっては、その知識・教養不足が露呈し、読んでいて“チンプンカンプン”なところもたくさんありまして・・自分の勉強不足に恥ずかしくなりました。

ピアニストの中村紘子さんとのことについての記述も初めて聞くことも多く、著作も多かった中村さんの本を何冊も過去に読んだことを思い出させてくれました。

能・狂言はどういう芸術なのか、日本文学には何を期待するのか、など終盤の文も読み応えがありましたが、私の勉強不足も祟り、もう一度じっくり読み直す必要がありそうです。

キーンさんのやわらかく、わかりやすい文体だからこそ、難しい内容でもある程度食い下がることが出来ました。
何度も読み返して勉強になる本だと感じました。

 

2025/05/16

俳句を詠んでみる_0441【 昊天(こうてん) 竹駒稲荷に 弓持つ人 】

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大きな稲荷神社と弓道の道具を持ち颯爽と歩く若者を見て一句詠みました。

【 昊天(こうてん) 竹駒稲荷に 弓持つ人 】

《背景》季語:昊天[夏]
昊天は、夏の広大な空のこと(※一説には、夏の蒼天に対し春の昊天とも謂われ、春夏が逆になってしまう)。
日本三大稲荷と謂われる宮城県岩沼市の竹駒神社。
大きな社殿と境内に併設されていた立派な弓道場が印象に残った。
境内を歩く弓を持つ若者、弓道の道着を身に着けた若者の姿勢がキリッとして、とても清々しかった。

 

 

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2025/05/15

「風塵抄二/司馬遼太郎」を読みました。

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『風塵抄二/司馬遼太郎著(中央公論社)』を読みました。
これは、1991年10月~1995年1月、3月~7月、9月~1996年2月に基本的に月一回産経新聞朝刊に掲載されたものを1996年にまとめて発刊したものです。

時代は35年にも渡って遡った記事なのですが、読んでみると世の中の根本的なところなんて、そんなに変りないのではないかと思うことろがいくつもありました。

1992年の記事では、アメリカが日本国首相の発言を歪曲してまで日本たたきの空騒ぎをせねばならないということに不安を感じたと書かれていました。

ただ、アメリカが自国の産業を保護し、そのかがやかしい自由貿易の旗を半旗にすれば、“神”はたちどろこに去るにちがいない。むろん世界に混乱がおこる・・と続けられていましたが、これって今の世界状況と変りないと思いました。

歴史的に時間をかけて作り上げた選挙権を、自分の即物的利益や地域のエゴのために使う人がいる。
また利益誘導でそういう票をあつめる選挙の悪達者がいる。

こんどの選挙では、そういう悪達者たちまでが、“政治改革”を叫んでいる。
「過去の私とはちがうのです。べつの人間になったのです。」と、簡約すれば、そういうふうに聞こえる。

・・とも書かれていました。

“裏金”の人たちも、まるで別の人間になったかのようにして平気の平左で次の参院選に“いけしゃあしゃあ”と出馬しようとしています。
“べつ”の人間にはなっていませんよ、どうみても“おんなじ”人で、きっと当選すればまた元の悪達者に戻るのでしょう。
と、思いました。

時代が何十年経っても、人の考えることは似たり寄ったりです。

二度と戦争はしないと80年前に“もう懲り懲り”だとして誓ったのに、軍備だ軍備だ言っている人もいます。
武器を重装備にすれば、当然相手方はさらに重装備をするだろうと、何十年前によくよく分かったのに、また重装備しようとする人が、あちらこちらにチラホラ見え隠れしています。

この本には、何十年前に新聞に載り、当時の人たちが「そうだそうだ」と言ったことが書かれています。
もう一回読んでみて、現状日本で、そして世界で起こっていることをもう一度考えてみるのもよいかと思いました。

 

俳句を詠んでみる_0440【 夏兆(きざ)す 金運守りの列 長く 】

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ここのお守りを持っていれば“お金に苦労しない”(^^; という・・宮城のパワースポット「金蛇水(かなへびすい)神社」で一句詠みました。

【 夏兆(きざ)す 金運守りの列 長く 】

《背景》季語:夏兆す[夏]
宮城のパワースポット巡りからの句が続いていますが、今回は岩沼市の『金蛇水(かなへびすい)神社』。
花まつりのイベントもあってか、たいへんな数の参拝者。
石の中に蛇が居るたくさんの【蛇石】の中から気に入りを選び、財布で撫でると金運が付くなど、お金にまつわる蛇の居る神社でした。
『金運守り』の窓には大行列が・・。
ツアーでは正式参拝をさせて頂くことになり、本殿の中にまで入れてもらい、全員でお参り出来ました。

 

 

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2025/05/14

俳句を詠んでみる_0439【 五月来る 初めて知るや 虚空蔵 】

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宮城パワースポット巡り、予定外の寺院を見つけて探索してみた。

【 五月来る 初めて知るや 虚空蔵 】

《背景》季語:五月来る[初夏]
宮城のパワースポット巡り、最初の愛宕神社のうしろに回ってみると「虚空蔵山・大満寺」という寺院を見つけた。
初めて聞く「虚空蔵菩薩」とは、仏教における菩薩の一尊で、無量無辺の智慧と福徳を司り、人々にこれらを与える菩薩とのこと。
良い出会いが出来たと思い、妻と二人お参りし、御朱印をいただいた。

 

 

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2025/05/13

俳句を詠んでみる_0438【 春景 愛宕の眼下に 広瀬川 】

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先週出掛けた宮城・パワースポットの旅、最初に行ったのが仙台市の愛宕神社でした。

【 春景 愛宕の眼下に 広瀬川 】

《背景》季語:春景[春]
宮城のパワースポットを巡るツアーに妻と参加して、最初がこの仙台市太白区の愛宕神社でした。
「最初から大変ですよ。この石段登ります。」との添乗員さんの声。
ヒイヒイ言って頂上の愛宕神社に到着し、お参り。
境内からは仙台の街が広瀬川と共に一望出来て感激しました。

 

 

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2025/05/12

俳句を詠んでみる_0437【 春惜む 釣石段に津波跡 】

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石巻の「釣石神社」を詣でた。震災でも微動だにしなかった巨石と津波の跡を見て一句詠みました。

【 春惜む 釣石段に津波跡 】

《背景》季語:春惜む[春]
石巻市北上町にある釣石神社に詣でた。
ここにある巨石は釣石の由来のように、幾多の大地震(東日本大震災にも)にも耐え、威容をたたえていた。
神社本殿は長く急な石段を登った頂上にあるが、その石段の途中には青い線が引かれ、あの震災時の津波がここまで来たという警告線だった。
そう思って下の社務所や駐車場を見ると、敷石は新しく、建物も真新しかった。
美しかった春を惜しむような気持ちで佇んだ。

 

 

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2025/05/11

「焚火オペラの夜だった/椎名誠」を読みました。

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『焚火オペラの夜だった/椎名誠著(文春文庫)』を古本で見つけ、読みました。
2000年刊行で、2003年に文庫化されたものでした。

この頃、椎名さんはまだ五十代、文中でも「毎日二缶のビールは欠かさない」と言っていて、ほぼ飲まない日はない、という頃のものでした。

向かうところ怖いものなしの椎名さんは、文学関係の賞の審査員をやって何十という作品を読み、映像作品に対する賞の審査員もやっていて、“暇なし”で精力的に動いていて、それは遊びもそんな感じで、草野球をやるためにわざわざ田舎に出掛けて行って、子供たちや、その辺からやってきた“イキのいい”人達も寄せ集めて三角ベース的な野球も楽しんでいます。

ホテルに“缶詰”になって原稿を書くときでも、何を部屋に持ち込もうかなどと考えたりしていて、落ち着きのないところをそのまま書いてしまっている椎名さんの筆の勢いは衰えを知らない頃のエッセイです。
ちなみに、部屋に持ち込んだのは、赤福と天むすとミソカツでした(^^;
椎名さん的に“いい感じ”です。

ちょっと気になったのは、五十代に入って、酒類を飲まずに寝るなどということがほとんどない椎名さんが前日の酒が残っているという、今までにあまりなかったことが頻発している様子です。

前の日の晩のできごとが思い出せない・・という現象も表れていて、本人も気にし始めたという頃だったのだ、と思いました。

電車に乗る時の、まだスイカの無い時代だけど、新しい券売機をうまく使えない様子も、後ろに並ぶ人達からのプレッシャーを感じて冷や汗をかく感じも椎名さんらしい当時の文章を愛おしく読みました。

どうでもよさそうだけど、でも読むと、どうでもよくないっ!・・と思う、その感じが椎名さんらしくて大好きです。学生時代から読んでいますが、この歳になってまだ同じような気持ちで読めることにあらためて驚いています。

 

俳句を詠んでみる_0436【 春霖(しゅんりん)の金華山 遥拝となり 】

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船で渡り、詣でるつもりだった金華山。欠航となって・・。

【 春霖(しゅんりん)の金華山 遥拝となり 】

《背景》季語:春
春の長雨、春霖。
霊峰・金華山黄金山神社特別昇殿参拝のため、翌朝の渡航目指して前日に“前乗り”で対岸の宿に。
しかし、こんなに晴れているのに予報では翌日はかなり強い雨という。
海流が複雑でちょっとしたことでも欠航してしまうと言われ、ドキドキして朝を待つが、無念の欠航。
ツアーの皆は、その昔は女人禁制であった金華山の女性のための対岸に設けられた「金華山詣一の鳥居(※天保十四年建立)」まで出掛け、雨の中、『遥拝』することになった。
ツアー第一の目的が叶わず残念だったが、その後の代替案に向けての皆のプラス思考が素晴らしかった。

 

 

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2025/05/08

「あちらにいる鬼/井上荒野」を読みました。

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『あちらにいる鬼/井上荒野著(朝日文庫)』を読みました。
2019年に刊行された作品の2021年文庫化版です。

1966年、講演旅行をきっかけに男女の仲にになる二人の作家。
繰り返される情事に気づきながらも心を乱さない男性作家の妻。

それは著者、井上荒野さんの父・井上光晴氏と荒野さんの母、そして光晴氏の愛人であった瀬戸内寂聴さんの実に特別で特殊な関係を描いた作品となっていました。

どこまでが事実なのかはわかりませんが、主な参考文献として挙げられている寂聴さん他の著書の数を見たり、実際に荒野さんが寂聴さんから聴取した時に「何でも話しますよ」と言われていたということもあり、内容は「衝撃的」というほかないものでした。

登場する三人それぞれの視線から描かれているこの作品は、三人三様の心の中まで入っているように感じられ、読んでいるこちらはその誰の立場から見ても胸が痛くなるようで、その地獄のような状態がいつまで続くのか、という気持ちを成り代わって感じてしまい、最後の数十ページに入ってくると倒れそうになりました。

井上光晴の本妻である荒野さんのお母さんの心情などは、実に不可思議というか、複雑というか、すべて受け流しているようで実にキツイ状況であり、その描き方も精緻なものと感じました。

また、寂聴さんの乱高下するような心持ちと人生も嵐のあとに凪がやってくるようで、しかも驚くべきことに本妻とは光晴氏が亡くなる前からも、そして死後も穏やかで良好な関係を続けています。

小説の初めでは、幼かった荒野さんも大人になり、小説家になり、寂聴さんと接し、その関係も良好なものです。

光晴氏の嘘をつきながら次々と女性遍歴を重ね、それでもなんだか威張っている、時にオドオドする、また“すっ呆ける”様子は、逆に本妻と寂聴さんには何故か離れるに離れられないことになっていく。

光晴氏の具合が悪くなり亡くなるまで、そして本妻の荒野さんのお母さんも亡くなることになるのですが、そのあたりの時期の描写は読んでいてこちらが具合が悪くなるくらいの凄まじい筆致でした。

巻末に解説を書いている川上弘美さんが、ラストのあたりの寂聴さんの立場で書かれている部分などは、まるで寂聴さんが書いていると思えるくらいに文章が似ているとおっしゃっていて、私も心が揺さぶられるようでした。

男と女というものの不思議な関係、謎、人生との絡み方など、体力・気力のある方は読んでみて真正面から受けとめてもらいたいと思えるような力作でした。

 

俳句を詠んでみる_0435【 一夜経た柏餅 三人で分け 】

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いいもの貰ってきたけど、遅いから明日食べようねという句を詠みました。

【 一夜経た柏餅 三人で分け 】

《背景》季語:柏餅[春]
長女が職場で配られた柏餅を持って帰宅した。
夕食が遅くなったので、翌日に食べようということになり、一夜を経て食べた柏餅は皮が固くなっていた。
それでも良い処のものらしく、餡の味はたいしたものだった。

 

2025/05/06

俳句を詠んでみる_0434【 春の雨が添う 休日の憂鬱 】

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雨の降る休日、心配ごとがやってきて・・という句。

【 春の雨が添う 休日の憂鬱 】

《背景》季語:春の雨[春]
きょうは休日だ。のんびりしようと思っていると、ちょっと良くない知らせや、心配ごとが舞い込む。
気づけば、外は雨。
そんな気持ちに添うようにそぼ降っている。

 

2025/05/05

俳句を詠んでみる_0433【 義母より 筍あるよ と 報せあり 】

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連絡があり、筍をもらいに行って一句詠みました。

【 義母より 筍あるよ と 報せあり 】

《背景》季語:筍[春]
義母から「筍があるよ」との連絡を受け、連休中の街道をクルマで向かった。
レジャーなどに向かっている他のクルマの渋滞にハマったが、皆、その顔はウキウキとして楽しそうなので、こちらも筍を楽しみに、心おだやかにハンドルを握っていた。

 

「おいしい文藝 こぽこぽ、珈琲/河出書房・編」を読みました。

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『おいしい文藝 こぽこぽ、珈琲/河出書房・編』を古本で見つけ、読んでみました。
2017年初版発行のもので、植草甚一、村上春樹、常盤新平、寺田虎彦らによる31篇の珈琲エッセイをまとめたものです。

私が自分で豆を挽き、珈琲を淹れるようになったのは、ここ六~七年くらいでしょうか。
自分で淹れるようになると、それなりに色々と工夫して淹れ、喫茶店などに行けばその店の珈琲の味がかなり気になるようになりました。

この珈琲エッセイ集にも、作家他次々と珈琲の味にこだわる人、淹れ方にこだわる人、珈琲店のあり方にこだわる人、仕事と珈琲の関係、日々の生活と珈琲の関係を大事にする人などが登場し、どの人も確固たるものを持っていて、これはやはり珈琲という飲料が持つ独特の存在感がそうさせているのだろうと思いました。

内田百閒などの、かなり時代を遡るものもありましたが、度々登場するのが「パーコレーター」と「サイフォン」という珈琲器具でした。
今は紙のフィルターを使った“ドリップ”が主流ですが、私も昭和の時代の喫茶店でのサイフォンで淹れた珈琲は、何度か経験いたしました。

この本でも書かれていましたが、サイフォンで淹れると、誰が淹れても大きな差が出ないので大きな喫茶店でよく使われていたのだと思います。
見ているだけで、特別な感じがして、学生時代の私も「大人になったなぁ」などと思ったものでした。

朝の珈琲が無ければ一日が始まらない・・というような人もいましたし、仕事中に自分にスイッチを入れるきっかけにしている人もいました。

この本は珈琲の話題だけのエッセイ集なので、珈琲と共に毎日を過ごしている私にはとても居心地のよいものでした。

何度でも読み返したくなる“熱い”珈琲への想いを感じる本でした。

 

2025/05/04

俳句を詠んでみる_0432《The Beatles 俳句[アルバム Revolver から Here,There,and Everywhere を詠む]》【 春惜しむ ジェーン そばにいてほしいよ 】

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ビートルズに特化して詠む俳句、アルバム「リボルバー」からポールの曲を取り上げてみました。

【 春惜しむ ジェーン そばにいてほしいよ 】

《背景》季語:春惜しむ[春]
久しぶりに私が考案したビートルズに因んだ句を詠む Beatles俳句を詠んでみた。
アルバム Revolver の作品中では、ポールの恋人 ジェーン・アッシャーに対する揺れる気持ちを歌った曲がこの他にも For No One が収録されている。
この Here,There,and Everywhere では、ここでも、あそこでも、どこでも君の瞳に映っていたいという、ずっとそばにいてほしいポールの気持ちが歌われているが、現実の話では、ジェーンは俳優の仕事でロンドンを離れてしまう。
For No One では愛情が失われてしまったことに気づいた絶望が歌われていた。

 

2025/05/03

俳句を詠んでみる_0431【 立夏 草木に促され 写真撮る 】

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庭に出て、草木の緑色の鮮やかさに驚くことがあり、その時を詠みました。

【 立夏 草木に促され 写真撮る 】

《背景》季語:立夏[初夏]
玄関を開け、庭に出ると、すこし夏めく予感がする。
草木は生き生きとして、見ていると美しい緑が「写真を撮ってみなよ」と言っているようで、カメラを取りにもう一度家に入ることになる。
シャッターを切ると、草木はうれしそうだ。

 

 

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2025/05/02

俳句を詠んでみる_0430【 五月雨に 戸を訪い 病の癒え 訊く 】

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雨の中、病後の気になる人を訪ねて・・。

【 五月雨に 戸を訪い 病の癒え 訊く 】

《背景》季語:五月雨[仲夏]
午後から雨が強くなったが、病後の回復状況が気になる人がいて、車で出掛け、退院後に再開されたお店を訪ねた。
自分自身も病から復帰した時に苦労したので、とても気になっていたのだ。

 

「知らなかった歳時記の謎/竹内均(編)」を読んだ。

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『知らなかった歳時記の謎/竹内均・編(同文書院)』を古本で見つけ、読みました。
1994年第一刷発行となっていて、1920年生まれの著者が書く様々な「歳時記」についての由来、話題、謎などは、今どきの文章とは違って実に丁寧でわかりやすいものでした。

元々は「花」と言えば「梅」だったものが、今では「桜」のことを言うようになったこと。

幼児語がそのまま通り名となった「タンポポ」の話。

牡丹はなぜ唐獅子とセットなのか。

アジサイの学名は長崎の遊女の名前。

などなど、淡々とわかりやすい日本語で(※今どきの文章は、もう私には半分くらいしかわからない)解説されていて勉強になりました。

自分で俳句を詠むときに参考書として役立ちそうだと感じました。

「ミミズ」が鳴いたり、「亀」が鳴いたりする俳句の季語のことも、単純に疑問を感じていましたが、事情がわかりましたし、蓮の花が咲く瞬間に「ポンッ」って音がするというような俳句についてもその謂われがわかりました。

古い本でしたが、それがかえって私にとっては、わかりやすく勉強になり、俳句を詠むときに机に並べる本のうちの一冊になりそうです。

 

2025/05/01

俳句を詠んでみる_0429【 つつじ咲く道に出て 靴音かるく 】

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散策中に「つつじ」と出会い、気分よく詠みました。

【 つつじ咲く道に出て 靴音かるく 】

《背景》季語:つつじ[晩春]
軽いウォーキングで外に出て、住宅街の裏道から歩道のある表通りに出た。
大通りの歩道には、つつじがこぼれるように咲き、とても新鮮な気持ちになった。
弾むように足取りが軽快になり、ウォーキングシューズの靴音も軽くなった。

 

 

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