「焚火オペラの夜だった/椎名誠」を読みました。
『焚火オペラの夜だった/椎名誠著(文春文庫)』を古本で見つけ、読みました。
2000年刊行で、2003年に文庫化されたものでした。
この頃、椎名さんはまだ五十代、文中でも「毎日二缶のビールは欠かさない」と言っていて、ほぼ飲まない日はない、という頃のものでした。
向かうところ怖いものなしの椎名さんは、文学関係の賞の審査員をやって何十という作品を読み、映像作品に対する賞の審査員もやっていて、“暇なし”で精力的に動いていて、それは遊びもそんな感じで、草野球をやるためにわざわざ田舎に出掛けて行って、子供たちや、その辺からやってきた“イキのいい”人達も寄せ集めて三角ベース的な野球も楽しんでいます。
ホテルに“缶詰”になって原稿を書くときでも、何を部屋に持ち込もうかなどと考えたりしていて、落ち着きのないところをそのまま書いてしまっている椎名さんの筆の勢いは衰えを知らない頃のエッセイです。
ちなみに、部屋に持ち込んだのは、赤福と天むすとミソカツでした(^^;
椎名さん的に“いい感じ”です。
ちょっと気になったのは、五十代に入って、酒類を飲まずに寝るなどということがほとんどない椎名さんが前日の酒が残っているという、今までにあまりなかったことが頻発している様子です。
前の日の晩のできごとが思い出せない・・という現象も表れていて、本人も気にし始めたという頃だったのだ、と思いました。
電車に乗る時の、まだスイカの無い時代だけど、新しい券売機をうまく使えない様子も、後ろに並ぶ人達からのプレッシャーを感じて冷や汗をかく感じも椎名さんらしい当時の文章を愛おしく読みました。
どうでもよさそうだけど、でも読むと、どうでもよくないっ!・・と思う、その感じが椎名さんらしくて大好きです。学生時代から読んでいますが、この歳になってまだ同じような気持ちで読めることにあらためて驚いています。
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