「冥界からの電話/佐藤愛子」を読みました。
『冥界からの電話/佐藤愛子著(新潮社)』を古本で見つけて読んでみました。
2018年発行となっていました。
内容はですねぇ・・「実話」ということなんですけど、著者の佐藤愛子先生が懇意にしているお医者さんに掛かってくる電話の話なんです。
そのお医者さんは、教育委員会から頼まれて、とある高校に「医学部に入るには」というテーマで講演をしたというのです。
お医者さんは、教委や生徒達が求めている勉強の方法、テクニックなどについては語らず、医者になりたかった理由というか、倫理感、生命の大切さ、自らの志などについて話したというのです。
で、それが一向に“ウケない”、教委の人達も“あて”が外れたような拍子抜けの表情で、がっかりして帰ったが、しかし差出人不明の手紙が届き(その講演を聞いた女子生徒だという)、いい話で感動した。自分は文系に進むつもりだったが医学部を目指してみたい、という内容でした。
便箋に小さく書かれていた電話番号らしきところに電話するとその子が出て、暫し話をして、医学部目指して頑張るということになったとのこと。
そして、その子は医学部に合格したのですが、友人のクルマに同乗したときに事故に遭い、亡くなってしまったと、その子の電話帳履歴を見た兄から電話が来て判明するのでした。
それからの話で、その亡くなった子から先生のところに電話が来るようになるのです。
しかも兄に憑依して掛けてきて、途中から声はその子そのものになり、二人だけが知っているようなことを話し出すという不思議なことに。
その後は、この不思議な電話を受けたお医者さんと、佐藤愛子先生が実際に起こったことのみについて確認し、二人でその事象について検証しながらやり取りしていくという展開なのです。
先生への電話は、その後も続き、読んでいるこちらも半信半疑ですが、お医者さんも自分が精神的にどうにかなってしまったのかと佐藤先生に言いながら事実を告げます。
あとは読んでみてほしいのですが、実に不思議な話でした。
私も死者から話しかけられたことは何度かありますが、電話で話をしたことは一度もありません。
興味を持たれた方はどうかご一読を。
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