「私があなたに惚れたのは/久世光彦」を読みました。
『私があなたに惚れたのは/久世光彦著(主婦の友社)』を古本で見つけて読んでみました。
2002年第一刷発行となっていました。
著者の久世光彦さんは、「七人の孫」「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー一族」など、かつて一時代を築いたようなテレビドラマ作品をプロデュース・演出をされています。
そして作家活動もされているわけですが、この本は久世さんが今まで出会った作家や芸能人などに対し「私があなたに惚れたのは・・こんなことから」というふうに書かれていました。
ただ内容の多くは、亡くなられた向田邦子さんとの思い出が大半を占めていました。
向田さんについては、久世さん他、向田さんの妹の和子さんも生前のことを色々書かれていて、今までも色々な本を読む中で遠い昔のことだという印象がありましたが、向田さんが和子さんに出させた「ままや」というお店(※「ままや」の話はこの本で何度も出てくる)が、かつて私が東京勤務していた頃の職場から歩いて行けるような場所にあったこと、さらに向田さんが原稿を執筆したり、当時の彼に手紙を書いていた場所が私の勤務していた都市センターホテルであったことも知りました。
つまりよく知っている所で今まで本の中でのみ繰り広げられていた世界が動いていたのだとわかって、なぜか臨場感が急に迫ってきたような気がしました。
そして、久世さん、向田さんの思い出話の中に、私が日頃よく読んでいる作家、気になる作詞家、芸能人(女優)の人達も登場していました。
山口瞳さん、いしだあゆみさん、阿久悠さん、山本夏彦さん、伊集院静さん、浅田美代子さん、松居直美さん、夏目雅子さん、阿木燿子さん、田中好子さん、沢田研二さん、桃井かおりさん、田中裕子さん、堺正章さんなど多彩な方々でした。
昭和の人達の考え方、生活の過ごし方、何気ない行為や、食べ物、慣習、その他私も気になる「昭和の大事なもの」がうまく描かれていて、自分自身の過去に対する整理が少し出来たような気がしました。
力作かつ、内容の濃い、読み応えのある本でした。
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