「父でもなく、城山三郎でもなく/井上紀子」を読みました。
『父でもなく、城山三郎でもなく/井上紀子著(毎日新聞社)』を古本で見つけ、読みました。
2007年に亡くなられた作家・城山三郎さんの娘さんである井上紀子さんが、城山さんが亡くなられた一年後の2008年に書き下ろしで出版されたものです。
城山三郎さんが亡くなる7年前に奥様が亡くなられていますが、著者・井上紀子さんが書かれたこの本には、そのお母さんと城山三郎さんの仲睦まじい夫婦の様子も書かれていました。
そして、お母さんが亡くなる前の異変に気づいた様子、お母さんとの思い出、お母さんが亡くなってから父である城山三郎さんを支える井上さんの様子も書かれ、我がことのように読みました。
城山さんが奥さんが亡くなられたあとに書かれた「そうか、もうきみはいないのか」の印象も強く、奥さんへの気持ち、家族への気持ちを思い、あとを追って亡くなられた城山さんのことを書いてくれた著者・井上紀子さんが真正面から取り組んだこの本には心動かされました。
巻末で井上さんが書かれていたお父さんの姿は、
たとえ道に迷い、行先を見失っても、その道すがら、そっと足元を照らす月明り。そんな父だった。
と書かれていました。
私もとても大切なことだと思い、心に刻んでおこうと思った言葉も以下のように書かれていました。
人は迷って悩んで考える。
この人として当たり前のことすらできなかった時代がある。
すべての自由、命までもが奪われる戦争。
選択、判断の術もなく、言論、表現もままならない。
二度とこんな不幸な世にならぬよう、力を蓄え、光を求め進みゆく。
城山三郎(本名:杉浦英一)さんが残したメッセージです。
今、世界も日本も上記のような時代にわざわざ進んで足を踏み出そうとしているような危機感を覚えます。
再度、心に刻みます。
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