「わたしの失敗Ⅲ/産経新聞文化部編著」を読みました。
『わたしの失敗Ⅲ/産経新聞文化部編著(産経新聞社の本)』というものを古本で見つけ、読みました。
第3弾と謳われているので、当時(2008年刊)はかなり好評な企画だったようですが、私は存じ上げておりませんでした。
なので、新鮮な気持ちで読むことができました。
表紙にも書かれていますが、そうそうたる顔ぶれの方々の「失敗談」を含めたエピソードが語られていました。
登場する方々それぞれに担当者が異なってまとめられているので、けっこう“テイスト”が個々に異なっていました。
本格的な失敗談もあれば、結局“自慢話”的な展開もあり、いろいろでした。
漫画家・ちばてつやさんは、私も子供の頃から作品をよく読んでいたので、とても興味深く読みました。
あしたのジョーでは、主人公のジョーが少年院で力石と出会い、闘うのですが、それがプロになって闘うと原作者から聞かされた展開に驚き・・二人の体格がまったく異なるのに闘うことはない・・と困ったことが失敗談として書かれていました。
それに辻褄を合わせるために力石は命を削って減量するという物語になり、多くの人が知っている結末を迎えるわけです。
力石の葬儀が現実世界で行われるということに、ちば先生は予想外の驚きをもっておられたことを知りました。
荒俣宏さんの想像を絶する“奇人”ぶりにも驚きましたし、小林亜星さんの“無頼”な感じも今にない人の生き方だと驚きました、意外でした。
また、笹野高史さん、伊武雅刀さん、津川雅彦さん、滝田栄さん、柄本明さんら役者の方々の、今の人には理解できないようなそれぞれの突破力にも驚きました。
また古い本でもあるので、すでに亡くなられている人も何人もいらっしゃいました。
その人達についても、「ああ、そうだったのか、そんなことがあったのか」と知ることが多く、人にはいろいろな人生があり、人知れずたいへんな思いをされていたのだと、しみじみしました。
また、笑福亭鶴瓶さん、桂小金治さんなどは師匠に恵まれ、結果的にとても良い方向に向かわれたのだ、と初めて知って、人ごとながら、よかったよかったと思うことになりました。
個々のエピソードにかなり密度の差があり、スイスイとは読めませんでしたが、良い本でした。
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