「悩むことはない/金子兜太」を読みました。
『悩むことはない/金子兜太著(文藝春秋)』を古本で見つけ、読みました。
2011年第一刷発行のもので、第一章は語り下ろし(問われて答う)、第二章も語り下ろし(生い立ち来たるところ)、第三章は戦争と俳句、戦地で俳句と訣別し、戦地でふたたび俳句に会う・・初出『文藝春秋くりま 2010年5月号』という構成になっていました。
金子兜太さんというと、テレビNHK俳句の表彰式で、稲畑汀子さんと丁々発止のやり取りをしていた、お歳に似合わぬ“血気盛ん”な様子を思い出します。
最後は互いににこにこしていて、緊張していた会場も思わず和む感じがまだ心に残っています。
この本でも、兜太さん、自らの信じるところ、真っ直ぐで、でも人情溢れるような生きる姿がそのまま文章になっていました。
兜太さんの俳句は人の生き方を問うているというか、読んでいるこちらも自分がどれだけ本気で生きているかを胸中に刻んでおかないと鑑賞することが出来ないように思います。
そして、「それでいいんだ」という寛容な心も必要だと感じます。
実際に読み進むと悩んでいる自分の背中をトンっと押してくれている、そんな本になっていました。
第三章は戦争に行かれた時のこと、そしてその中での俳句との対峙について書かれていました。
金子兜太さん以外にも、今まで城山三郎さんや、柴田錬三郎さんなどの本を読むと、それぞれに戦地での過酷な様子が書かれていて、志願して行った人もいるのに、それは戦争の悲惨さと共に人間の醜さ、酷さが露わになっていました。
この本も同様、読んでいてあまりのことに体の具合が悪くなりそうでしたが、どの著作からも戦争などするに“大儀”など無いのだということが書かれています。
そんな本を読んでいる最中も中東では懲りない人類が過去の反省も無く、またもや戦を行ない、互いを罵り合っています。
地球上の生物で一番下等な種類は人類ではないかと思ってしまいます。
« 俳句を詠んでみる_0723【 黄水仙 春のたよりを 横顔で 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0724【 晩春 転がる石の レコード聴く 】 »
「書籍・雑誌その2」カテゴリの記事
- 「作家の贅沢すぎる時間/伊集院静」を読みました。(2026.10.06)
- 「よそ見津々/柴崎友香」を読みました。(2026.10.03)
- 「やわらかく、考える。/外山滋比古」を読みました。(2026.09.29)
- 「あの人に会いに 穂村弘対談集/穂村弘」を読みました。(2026.09.23)
- 「日本の乗用車図鑑 1992-1996/自動車史料保存委員会編」を読みました。(2026.09.21)
「俳句を詠んでみる」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0926【 空蝉(うつせみ) 石仏にすがるやうにをり 】(2026.10.07)
- 俳句を詠んでみる_0925【 千句まで 道程(みちのり) 険し 濁り酒 】(2026.10.06)
- 俳句を詠んでみる_0924【 秋湿り 施術の灸の 暖かさ 】(2026.10.05)
- 俳句を詠んでみる_0923【 秋の雨 昨日の雫 樋つたふ 】(2026.10.04)
- 俳句を詠んでみる_0922【 秋暮れる 家族四人が 庭手入れ 】(2026.10.03)
« 俳句を詠んでみる_0723【 黄水仙 春のたよりを 横顔で 】 | トップページ | 俳句を詠んでみる_0724【 晩春 転がる石の レコード聴く 】 »



コメント